デジタル一眼の「大きい」「重い」と言う常識を変えるカメラとして誕生したミラーレス構造の「LUMIX Gシリーズ 」。動画に特化したGHシリーズや、より小型なGMシリーズなど様々な派生モデルも多く誕生、進化する中で、本流とも呼べる純粋なGシリーズの後継モデルがリリースされました。
シリーズ6代目となる『LUMIX DMC-G7』は、軽量ながら優れた操作性と「LUMIX GH4」譲りの4K動画を搭載するなど、本流に相応しいバランスの良さと機能性を有しています。さっそく『LUMIX DMC-G7』の描写力をご覧ください。
高画素化の進むデジタルカメラの中では少し控えめの1600万画素。しかし実際の画像は必要十分な精細感を持っていることが分かります。
雨に濡れる路面に反射する人影や水溜りの波紋など細かい部分もしっかり描写しています。
紫陽花の微妙な色の違いも忠実に再現。クリアーな描写は便利なタッチパネル搭載の高精細液晶からも確認でき、撮影が楽しくなります。
レストランの2階の窓を表通りから狙ったカットでも、レースカーテンの質感を美しく再現しています。
窓枠の細かな装飾も美しく捉えており、画素数による見劣りを感じることはありません。
深いグリップがとても握りやすく、ボディの軽量さと合わせて撮り回しの良さを感じます。
生憎の雨で傘をさしながらの撮影でしたが片手でもしっかりホールドできるので、スムーズに撮影をすることができました。
『LUMIX DMC-G7』への進化で、一番の注目機能は撮影した4Kムービーから高画質な写真を抜き取る「4K PHOTO」機能で、秒間30コマの連写機能として活用することができます。
「4K PHOTO」モードにセッティングするとシャッタースピードが早めに設定されるので動画として再生すると、カクカクと違和感のある動きになりますが、動画から抜き取った画像は通常の撮影モードと遜色の無いシャープな画像に仕上がりました。
こちらが抜き取る前の4Kムービーです。
手持ち撮影で、馬の動きに合わせてカメラを大きく動かしているので、画面も大きく揺れていますが一時停止すると上記の画像同様、シャープな画像であることが分かります。
そして動画を通じて驚いたのが優れたAF性能の進化でした。カメラを動かす際、中心部を外してもしっかり追従してくれました。動きある被写体でも安心して「4K PHOTO」機能が使える頼もしい進化です。
「4K PHOTO」モード時の撮影設定を「レリーズを押している間だけ収録」にしておけば、通常の連写モードと同様の感覚で操作できるので、普段あまり動画を撮らない筆者でも違和感無く操作できました。
ISO 3200の高感度でもノイズ感のない高精細な画像は、質感描写にも優れています。
今回使用したレンズはキットレンズの『LUMIX G VARIO14-140mm F3.5-5.6 ASPH./POWER O.I.S.』、小型軽量のレンズは高速AF対応でG7ともベストマッチです。 G7の登場に合わせて新色がリリースされるという辺りに、メーカーからの強いプッシュも感じます。
先日開催したPanasonic 4Kムービーセミナーでのワンシーン。室内と屋外の境界線での撮影でも、モデルさんと背景との露出のバランスの良さが光ります。
電球の発する暖かも感じる素晴らしい解像力です。明暗差の大きなシーンでも、自然でなめらかな階調表現を確認することができました。
随所に設置されたファンクションボタンに加え、前後の操作ダイヤル搭載で上位モデルらしい使い勝手の良さがありました。ライブビュー操作時はタッチパネルも快適で、まさに撮り手を選びません。
4K画質も素晴らしく静止画から動画まで何でもこなすオールマイティーなカメラはとても欲張りなカメラです。
Photo by MAP CAMERA Staff