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ライカ、ハッセル、ヴィンテージカメラなど

~写真機の回廊~ Mamiya-6 KII

「レンジファインダー」と言えば、世界のメーカーに衝撃を与えたライカM3、 「二眼レフ」はその代名詞とも言うべきローライフレックス2.8F。 同じ「ロクロク」でも、一眼ならハッセルブラッド500C/Mあたりか。
どうしても個人の主観は入ってしまうが、カメラのカテゴリにおいてそのジャンルの代名詞たる機種は多く存在する。ハーフサイズに目を向ければ、根強い人気のオリンパスペンF。一気に大判に跳んでみても、4×5にはマスターテヒニカ、8×10はディアドルフが控える。

さて、「では、スプリングカメラは?」と問われると答えに迷う。真っ先に名前が挙がるのは、精巧なドレイカイル距離計を装備したツァイス・イコンのイコンタシリーズだろうか。とは言え、スーパーイコンタかスーパーシックスか、はたまたセミイコンタかは意見の割れるところだろう。
持ち運びの際は小さく折りたたまれ撮影時にカメラのカタチへ復元するという、ある種理想形とも言えるスプリングカメラ(フォールディングカメラ)。その歴史は19世紀末からと古く、フォーマットも多岐にわたる。代表的機種を挙げるにしろ、最も意見が割れるカテゴリではないだろうか。

国産においても、小西六(コニカ)のパーレット発売は1925年にまでさかのぼる。一時期はカメラの主流となったスタイルであったが、戦後50年代にかけてさほど製造が難しくない二眼レフに主力を切り替えるメーカーが多くなり、いわゆる「四畳半メーカー」の乱立や35mmカメラの台頭に押され、次第に表舞台から消えてゆくこととなる。
そんな中、最後まで独自機構を模索しながら生産を続けたのが、小西六のセミパールと今回取り上げるマミヤシックスのシリーズだ。

マミヤシックス初号機は1940年の発売。シリーズには多くのバリエーションモデルが存在するが、全てにフイルム面を動かしピント合わせを行う「バックフォーカス」システムを採用。
初期のモデルには、東京光学のシムラーや日東光学コミナーレンズの他、手持ちのレンズを取り付けるサービスまであったようだ。後期はオリンパスのD・ズイコーと自社製セコールのラインナップ。
最も人気があるのは、セルフコッキングを実現したオートマット・ズイコー付だろうか。オートマットモデルは、レンズ下にチャージ連動機構のカバーがあるのが目印(右画像)。

マミヤシックス各機種の中から、天邪鬼の私が選んだのは廉価版で赤窓式のKII(K2)型。 コストダウンを念頭にした機種とは言え、マミヤらしい細やかなアイディアが満載されたモデルだ。
マミヤシックスはバックフォーカスが故、フイルム圧板は裏蓋ではなく本体側に差し込む方式を採用していたのだが、K2型は差込み式を蝶番式に変更し、使い勝手の改善は勿論のこと圧板の紛失という最悪の事態も避けられるように改良されている。
6x6と6x4.5撮影時のアパチュア・赤窓・ファインダーそれぞれの切り替えも、省スペースと簡便さを上手く両立させる仕組み。セルフコッキングの機種はどうしても巻上げが重くなってしまうが、赤窓式はその点軽快であり、セコールレンズにも3枚玉と4枚玉とがあるが、K2は4枚構成のもので実用度は高い。

シリーズ通して、背面のフォーカシングギアはやや歯が立っている感があるので、動作が重いものは要注意。
また、スプール受けが可動式になってはいるが、スムーズなフイルム交換には少々慣れが必要であろう。この部分はマミヤ社内でも苦心したのか、モデルによってスプール押さえの形状や可動方式に様々なものが見られるのは興味深い。
それから、スプリングカメラの多くに言えることだが、ストラップ金具が無いので革ケースを併用しなければぶら下げて持ち歩くのは難しい。ただ、そこは折り畳み式の強み。バッグからするりと取り出し、撮影したなら畳んでまたバッグへという流れも苦にならず、なだらかに面取りがなされたボディは、ホールディングも良好であることを付け加えておく。


実写画像は、やや時期外れになったが桜の散る頃。
朝方急に思い立った撮影のため400のポジのストックが無く、かと言って三脚を持ち出すワケでもなく、大半が開放付近での撮影となってしまった。
ピントの合った部分の切れと浮き立ちは素晴らしいのだが、周辺部の像の乱れがやや目立つ。バックフォーカスでフイルム面が前後することによって平面性に悪影響が出る場合もあるようだが、今回は不精してしまった絞り値の問題のようだ。

この撮影から2~3枚の画像を掲載しようと思っていたものの、「テッサータイプレンズの新境地を拓いた」とまでうたったマミヤの自信作・スーパーセコールを誤解されるようなことになっては不本意だ。日を改めて、F11程度に絞り込んで撮影したものがモノクロの画像。
色味はややマゼンタに転ぶものの、シャープネス・コントラストなど申し分ない。また、フード無しの撮影であったがゴースト・フレアーも皆無であった。まさに「広告に偽りなし」の名レンズである。

※ 実写画像はクリックで拡大します。





written by 文:1号店地下 写真:EC営業部
この記事のカテゴリーは『メイド イン ジャパンの源流』です | この記事は2008年05月06日現在の情報です。

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