【マップカメラ情報】PENTAX K-7試写レポート

2009年6月25日に発売となったPENTAX K-7。*istシリーズから始まったペンタックス・デジタル一眼レフのデザイン意匠から、ガラリと雰囲気を変えて1から作り上げられたPENTAX K-7。この機種にかけるペンタックスの意気込みが伝わってくる。外装はマグネシウム合金となり、グリップを「グッ」と強く握った時の剛性感が、上級機らしさを感じさせてくれる。一眼レフカメラは、重いレンズを使用したとき、ボディーがたわまず、しっかりとしていると安心感が違ってくる。

ボディーサイズは、K20Dより一回り小さくなっており、メカとしての凝縮感が実に良く出来ていて、購入意欲をかき立てる。実機を手にとって、是非とも実感していただきたい。

マグネシウム合金により向上したのは質感だけではなく、防塵防滴性能も向上し、コンパクトさも相まってPENTAX K-7は、フィールドカメラとして死角は無くなった。

デジタルカメラは、画素数アップや画質の向上、処理速度の高速化などデジタル部分の進化が新製品の軸であったりするのだが、長く使う道具、そして長く売れる商品はやはり「作り」が良い。PENTAX K-7も、長く使う道具として様々なこだわりがつまっている。ボディーの防塵防滴は勿論、標準ズームレンズのキットレンズにも防水加工をしてある。基本的に雨の日に撮影はしないものだが、ふいの雨や、水しぶきなど撮影時以外にも水に濡れるケースがある。こんな事でカメラが壊れるのも困るが、なによりそんな事を気にせずに使えることが「気持ち」的に楽なのだ。

そして、視野率100％の高品位ガラス製ペンタプリズムを搭載している点も、道具としての良さの一つ。単焦点レンズに限らず、ズームレンズでもフレーミングはキッチリ決めたいところ。引き算の手法で、余計なものをフレームから外す、もしくは被写体をギリギリの大きさでフレーミングする。視野率100％のファインダーなら、こんな事がキッチリ出来る。明らかに写真のダイナミズムが違ってくるのだ。

秒間5.2コマの連写速度は、軽快さを感じられるちょうど分岐点だ。気持ちよく撮影出来る、これが本当のカメラの醍醐味である。

新開発の高耐久シャッターユニットは、10万ショットを超える耐久性をもつ。オートブラケットや撮影条件の悪いときの保険として連写で同じカットを押さえておくケースもあるだろう。こうした撮影を積み重ねる上で、壊れないシャッターユニットは必須条件だ。

ボディー内手ぶれ補正機能「SR」が更に進化し、シャッター速度換算で約4段分の手ぶれ補正効果を発揮する。そして、この「SR」ユニットだからこそ実現した「自動水平補正機能」。新機能の電子水準器と併用で、キッチリとした水平が取れた写真を簡単に撮影することが可能になった。「自動水平補正機能」は、手ぶれ補正に通ずる、新しい撮影アシスト機能である。他社には無いPENTAX K-7だけの機能だ。

オートホワイトバランスでは、どうしても甘くなってしまう色再現を、逆転の発想で色温度を誇張する方向に色作りをするCTEモードを搭載。まるでフィルムメーカーの様な、色に対するアプローチである。

ライブビュー機能にも、コントラスト式のオートフォーカスが搭載され、手持ちによる様々なアングルでの撮影や、三脚使用時の撮影でその効果を発揮。センサーユニットを動かして手ぶれを打ち消す「SR」機能は、ライブビュー時に像が安定するのが特徴的だ。