マップカメラ店長がカメラについてアレコレ語る『極私的カメラうんちく』

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第52回:駆逐される光学ファインダー

光学ファインダーが駆逐されている。

比較的最近まで、コンパクトデジタルカメラにはフィルムコンパクトカメラのような光学ファインダーが付いていたのを覚えておいでだろうか。往年のコンパクトデジタルカメラには、主に明るい日中の撮影時に液晶モニターが見えづらい場合のために、また長時間液晶モニターを見ながら撮影すると早く電源を消耗してしまうという理由から、現在と同様液晶モニターによるライブビュー撮影も可能な仕様だったにも関わらず、必ずといって良いほど光学ファインダーも付いていた。しかし小型化競争とコストダウンの影響で、ファインダーの構造としては窮屈な設計のものが多く、見え方は決して良いとは言えないものが多かった。そしてその後のさらなるカメラ本体の急激な小型化競争や、ズームレンズの高倍率化、また液晶モニターの大型化や電源やバックライトの強化によって光学ファインダーは不要となり、いつの間にかコンパクトデジタルカメラからは消え去ってしまったのである。デジタルカメラ全体で見ても、一部のレンジファインダー機を除けば、光学ファインダーを搭載しているのは今や一眼レフのみである。
そして今やライブビュー機能は一眼レフにまで浸透し、液晶モニターの使用頻度と重要性は増すばかりである。

しかしその一方では、光学式の外付けファインダーをわざわざ別売しているコンパクトデジタルカメラも存在する。大抵は「高級コンパクト」に属するものたちだが、別売ファインダーの形式はホットシューに装着して、フレーミングを確認するだけの単純なものである。そういった意味においては、光学式ファインダーのメリットもまだ完全には忘れ去られてはいないと言えるかもしれないが、むしろ別売にしなければならないというところが、かえって光学ファインダーの寂しい現状を際立たせている気がしてならない。

かつて光学ファインダーの構造や形式は、カメラの特徴を決定する非常に重要な要素だったはずである。
例えば最も解り易い例として、かつてその覇権を争った35mm判一眼レフとレンジファインダー機は、同じフォーカルプレンシャッターを搭載しながら、ファインダー光学系の違いが、使い勝手から外観まで全く異なるカメラを生み出したのは言うまでもない。
また一眼レフと二眼レフを比較してみると、どちらも光学系の後ろに配置したミラーの役割はファインダー像の上下を反転させるためにあり、そして両者ともに、その映像をスリガラス状のスクリーンに投影し、撮影者はそれを見ながら撮影する。つまりファインダー像の結像原理そのものや、その使用法に両者違いは全く無く、その意味では一眼レフと二眼レフはカメラの構造的には比較的近しい関係と言っても良いだろう。しかしたったひとつだけ、一眼レフがミラーを可動式にしたが故にビューレンズを不要にしたことによって、特徴が全く異なるカメラが出来上がったのである。

ファインダーの基本的な機能とは、①フレーミングのほか、②ピント位置、そして③シャッターチャンスと、写真撮影には欠かせない情報を提供することにある。
また一眼レフのファインダーの歴史を紐解くと、基本的な三つの情報以外にも、カメラの状態をファインダー内にリアルタイムで表示する機能が次々と追加されてきた。初期においてはシャッター速度や絞り値の表示、またスピードライトの発光準備表示など比較的単純なものが多かったが、カメラの高度な電子化に伴って、一眼レフのファインダー内情報は拡充の一途をたどり、現在のデジタル一眼レフでは、ファインダーから眼を離さなくとも大抵の情報はファインダーから得られるほどである。そういった意味においては、一眼レフという分野においては、デジタルカメラの時代になってからも光学ファインダーは着実に進化しているともいえる。

ちょっと大げさに言うと、今の時代は液晶モニターという第二のファインダーによって、カメラの形や使い勝手が再編成されている時代といえるのかも知れない。光学ファインダーを搭載した一眼レフと、液晶モニターしか持たないカメラとは二極化し、それぞれが得意とする撮影分野に特化してきたといえる。かつてデジタルカメラの黎明期には、ファインダーや撮影光学系の呪縛から解き放たれた自由奔放なレイアウトのカメラが沢山発売されたが、その一方でユーザーサイドには液晶モニターによるフレーミングが着実に浸透し、マイクロフォーサーズでは、フレーミングのツールとして背面液晶モニターしか持たないレンズ交換式カメラまで発表されている。レンズ交換式のカメラが、基本的な使い方において携帯電話のカメラと大きな違いが無いというのは本当に驚きである。

ライブビュー映像のほんの僅かなタイムラグが、ある特定の撮影分野においては致命的ともなり得ることは度々当コラムでも触れてきたとおりである。しかし逆に言えば液晶モニターのライブビューは動的な撮影には不向きだが、比較的静的な撮影をする分には、むしろ様々な利点を持っているといえる。ライブビューの反動から一眼レフの光学ファインダーが退化するようなことは絶対あってはならないが、液晶モニターの重要性は今後益々増してゆくことだろう。

written by ストロベリー小野
この記事のカテゴリーは『極私的カメラうんちく』です | 2009年04月20日

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