2009年10月にキヤノンAPS-Cモデルのフラッグシップとして「EOS 7D」が登場してからはや5年。デジタルカメラではかなりの長命となった人気の7Dが待望のモデルチェンジを果たしました。
『EOS 7D Mark II』は、APS-C機の使いやすさをそのままに、最高約10コマの/秒の高速連写やEOSシリーズ最多となるオールクロス65点AFを備えるなど、魅力ある製品に仕上がっています。さっそく撮影に出掛けてきました。
望遠ばかりに注目されがちなAPS-C機ですが、充実したラインアップのEFレンズ群との組み合わせでこんなダイナミックな撮影も可能です。 そして明るい視野率100%のファインダーから見る景色は圧巻です。
夕暮れの日差しで街全体がオレンジ色に染まる様子がしっかり捉えられています。橋の細部までしっかり確認できる2020万画素の新型イメージセンサーもさすがです。
さらに感動したのがファインダー内に表示された十字形式の水準器。超広角で生じるパースの影響で水平が取りづらいシーンでも傾きをしっかり確認できました。
こちらはキットレンズとしても用意された「EF-S 18-135mm F3.5-5.6 IS STM」との組み合わせでの撮影です。
素早いAFは、街角で見かけたショーウィンドにも瞬時にピタリと合います。数メートル離れたガラス越しとは思えない高いコントラストと質感描写に驚きます。
レンズキットにはもう1種類「EF24-70mm F4L IS USM」のセットも用意されています。
マクロ撮影もこなす便利な大口径レンズなら美しいボケ味を楽しむ事も。望遠撮影だけではない幅広いシーンでの撮影が楽しめます。
レンズを交換しながら、撮影を続けているとなるほどと思わせる便利な機能が次々と見えてきます。
遠景の細部までしっかり見る事ができる驚愕の解像力です。
大人しい動物でも、生き物を捕る時は気配を消して撮影したくなります。優しいミラーの感触が心地よく感じる瞬間です。
新たに搭載されたミラー振動制御システムが、ブレの抑制だけではなく静音にも一役買っています。
ビルの隙間から所々に差し込む強い日差し。水面反射など明暗の差が激しい被写体でも安定した階調表現です。
EOSらしいクリアな描写は、シーンを選ばず安定しています。
ライブビューを利用して頭上から堤防の裏を撮影です。ここでも便利な水準器が活躍しました。
撮影素子と同じ3:2のワイド液晶モニターがしっかり撮影をサポートしてくれます。屋外でも見やすい低反射仕様は単に撮影画像の確認だけではなく、アングル補助や動画などあらゆるシーンで活躍してくれるでしょう。
さらにライブビュートは思えないAFも体感しました。ピントの合いやすい広角撮影とは言えこのスピードには驚きです。ミラーレス機の様な快適さが一眼レフでも体感できました。
ビルの反射、電球の明かり、夕暮れのコントラストなど、光の再現がとても綺麗です。
今回はあまり高感度域に頼るシーンがなかったものの、この階調表現なら十分期待がもてます。
花の脇に停まる車のフロントが太陽光を強く反射しています。
直視するのも厳しいシーンでもカメラは瞬時にピントを合わせます。広範囲に配置されたAFセンサーが、素早く正確にピントを導いてくれました。
また測距エリア選択レバーで、選択モードの切り換えも容易。任意で合わせたい時や動体を追いたい時など、幅広い応用力でピント合わせをより強力なものにしてくれます。
移動する被写体も補足したらしっかり追尾する高い追従性能です。
近づく被写体はもちろん、加速しながら離れていくシーンでもその効果を確認できました。
秒間約10コマの高速性能を有している一眼レフとは思えないコンパクトなサイズ感はAPS-C機ならではの恩恵でしょう。
握りやすいグリップから伝わるマグネシウム合金のしっかりとした造りはさすがフラッグシップ機と言った感じです。この造りの良さとサイズ感のバランスがとても手に馴染みます。
普段の「Kasyapa」より写真掲載数が多いのに気づかれたでしょうか?本人も気づかぬうちに沢山のカットを撮っていました。これも使い勝手の良さがなし得るものです。
数々の進化もありますが、この撮影だけに集中できる使いやすさが、なにより大きな魅力に感じました。
Photo by MAP CAMERA Staff