絞り:F5.6/ シャッタースピード:1/320秒 / ISO:100 / 使用機材:Canon EOS 5D MarkIII + SIGMA A 24mm F1.4 DG HSM
今回はSIGMAからArtラインの新レンズ『A 24mm F1.4 DG HSM』のご紹介です。
今までArtラインからのDG(フルサイズ対応)レンズは35mm F1.4、50mm F1.4がラインナップされており、双方とも高評価を受けている新生SIGMAの看板レンズです。そして、それらと同じポジションに立つであろう『A 24mm F1.4 DG HSM』は発表前から噂になるほどカメラファンから関心が集まるレンズでした。
ついに登場した大口径24mmレンズはどのような衝撃と感動を与えてくれるか、その実力を確かめるべく早速試写へ向かいました。
今回撮影に向かったのは『東京ジャーミー』。イスラム教の礼拝場は『モスク』と呼ばれるのが一般的ですが、トルコでは「金曜礼拝モスク」を意味するペルシャ語「マスジド・ジャーミー」を略し『ジャーミー』と呼ばれています。
F5.6で撮影しましたが、実に立体感とキレのある描写力です。この絞りだと周辺減光も感じられません。そして隅に映り込んだ木の枝を見るとほとんど絵が流れていない事が分かります。試写のファーストショットから想像以上の描写力を見せてくれました。
絞り:F1.4/ シャッタースピード:1/100秒 / ISO:400 / 使用機材:Canon EOS 5D MarkIII + SIGMA A 24mm F1.4 DG HSM近接で撮影した額の中のアラビア文字。最短撮影距離は0.25m、広角24mmながらここまでボケるのかと思うほど被写界深度が浅いレンズです。反射した照明の丸ボケが美しいアクセントになっています。
絞り:F1.4/ シャッタースピード:1/8000秒 / ISO:100 / 使用機材:Canon EOS 5D MarkIII + SIGMA A 24mm F1.4 DG HSM礼拝場へ向かう階段にはガラス製のランプが。本レンズの深いボケ味は静かな空気感を写し出してくれました。
絞り:F2.8/ シャッタースピード:1/2500秒 / ISO:100 / 使用機材:Canon EOS 5D MarkIII + SIGMA A 24mm F1.4 DG HSM大理石に写った光と影。シャドウの階調も豊かに表現しています。
絞り:F1.4/ シャッタースピード:1/3200秒 / ISO:100 / 使用機材:Canon EOS 5D MarkIII + SIGMA A 24mm F1.4 DG HSM礼拝場入り口の扉。螺鈿や彫刻でアラベスク模様が施された美しい扉です。
このカットはF1.4開放で撮影をしました。先ほどの近接撮影とはまた印象が違うシャープな写り。フォーカスをあわせたドアノブの浮かび上がるような質感表現は見事です。そして、絞り開放ながら四隅まで滲みと歪みを感じない描写はクラス最高レベルの性能と言っていいでしょう。
絞り:F4.0/ シャッタースピード:1/125秒 / ISO:400 / 使用機材:Canon EOS 5D MarkIII + SIGMA A 24mm F1.4 DG HSM礼拝場へ入ると、ステンドグラスとアラベスクの空間に圧倒されます。天井から吊り下げられたシャンデリアはアラビア文字のカリグラフィー(書写芸術)。正面は聖地の方角を向いています。
薄明るいシーンでの手持ちのため、あまり絞り込めずF4.0で撮影しました。しかし撮影後の画を確認すると模様の細部まで描写しているのが分かります。こんなにも写るものなのかと驚きました。
絞り:F2.0/ シャッタースピード:1/400秒 / ISO:100 / 使用機材:Canon EOS 5D MarkIII + SIGMA A 24mm F1.4 DG HSM美しい装丁がされた聖典。少しだけ絞りF2.0で撮影しました。
大口径広角レンズは被写体の周りにある空間も一緒に写し込みながら、フォーカスした所だけスポットライトを浴びせたように浮き立たせることが出来ます。
絞り:F2.8/ シャッタースピード:1/30秒 / ISO:400 / 使用機材:Canon EOS 5D MarkIII + SIGMA A 24mm F1.4 DG HSM礼拝場に敷かれた絨毯には多くの祈りの跡が残っています。
四隅の減光はF1.4では若干見られますが、F2.8まで絞るとほとんど分からなくなります。
絞り:F1.4/ シャッタースピード:1/50秒 / ISO:200 / 使用機材:Canon EOS 5D MarkIII + SIGMA A 24mm F1.4 DG HSM絞り開放時の描写性能は高い解像力を同時に滑らかなボケ味を楽しむ事が出来ます。
絞り:F2.0/ シャッタースピード:1/125秒 / ISO:400 / 使用機材:Canon EOS 5D MarkIII + SIGMA A 24mm F1.4 DG HSM『A 24mm F1.4 DG HSM』は少ない光もしっかりと捉え、忠実な色表現と解像力をもたらしてくれるレンズです。室内撮影はもちろん、夜景や天体撮影等でもその性能を発揮してくれると思います。
絞り:F4/ シャッタースピード:1/1000秒 / ISO:100 / 使用機材:Canon EOS 5D MarkIII + SIGMA A 24mm F1.4 DG HSM大理石の白とグレーのトーンが見事です。重厚な階調表現は石の質量と、ひんやりとした温度まで感じ取れそうな描写です。
絞り:F5.6/ シャッタースピード:1/10秒 / ISO:100 / 使用機材:Canon EOS 5D MarkIII + SIGMA A 24mm F1.4 DG HSMオスマン建築の特徴であるドーム状の天井を見上げてのショット。装飾の美しさはため息が出るほどです。
F5.6で撮影をした写真ですが、拡大して見れば見るほど甘さを一切感じさせない驚異的な解像力です。
『A 24mm F1.4 DG HSM』はArtラインレンズの名に恥じない驚くべき解像力と深いボケ味を両立した超高性能レンズでした。
広角レンズでここまでの明るさは必要なのかと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、一度シャッターを切ればそのボケ味が生み出す独特の世界観に魅了されてしまう事でしょう。
高画素モデルやローパスレス仕様のデジタル一眼レフが一般的になった昨今ですが、この『A 24mm F1.4 DG HSM』はカメラを選ぶのではと思うほどの描写性能です。
今回はフルサイズ機を使用し、レンズの画角を一杯まで使っての試写でしたが、SIGMAの3層センサー・Foveonを搭載している『SD1 Merrill』に装着すれば、標準焦点域で本レンズが使用可能となり、最も解像力の高いレンズ描写が楽しめます。その組み合わせで生み出される写真も非常に気になるところです。SIGMAの高い技術力を感じた本レンズは、今後展開するラインナップにも非常に期待が持てる一本でした。
Photo by MAP CAMERA Staff