SIGMA Art 50mm F1.4 DG HSM
最高の光学性能を追求したシグマArtラインレンズにソニーEマウント用レンズが追加されました。
すでに本レンズに対応した高性能のAFマウントコンバーター「MC-11」が販売されていたため、α7/α9シリーズでもArtレンズの高い描写力は体感できていましたが、専用マウントに生まれ変わったことで、AFスピードの高速化などスペックアップを実現しています。より便利になったEマウント用を早速試してみました。
レンズごとに専用チューニングされたAFは、とてもスムーズに合焦します。レースのカーテン越しに外の明かりが差し込む薄暗い室内。あえて暗部の柱部分にAFポイントを持ってきましたが迷いなくスムーズに合焦。筆者の意地悪な使い方も、ものともしない安定感を披露してくれました。また、フィルター径77mmの大きな前玉は、大口径レンズで低下しやすい周辺光量も十分に確保してくれますから、画面周辺まで均整のとれた美しいトーンで再現してくれます。
丸い出窓がおしゃれな建物。わずかな曲線も薄くシャープなピント面が綺麗なボケを演出します。
綺麗なステンドグラスをふんだんに使った洋館の2階へ続く階段は、打って変わってシックな装い。ここでもわずかな光を上手に取り込んで、重厚感を上手に再現しています。
公園では早くの紫陽花が咲き始めていました。最短撮影距離である40cmギリギリまで接近すると、ここまでボケなくてもと思うくらい大きなボケ味が楽しめます。一方でピント面はとてもシャープに捉えます。紫陽花のように細かい花が密集して咲く花にはうってつけのレンズと言えそうです。
地下鉄1.5駅分を歩いて大正時代に建てられた洋館へ。コンパクトさが売りのミラーレスカメラも性能を求めるがゆえ、結構なボディサイズになりました。これに約800gのレンズを装着するとそれなりに重さを感じます。
マウントコンバーターを介していた時は、この重さが気になっていました。グリップを握りながらの移動時、マウント部から感じるカタカタと感じる振動に多少の不安を感じていたのです。専用レンズになったことで剛性が強化され、より安心して撮影が楽しめるようになりました。
レンズを支える左手にしっかりと収まる安定感に加え、ボディ側の強力な手ブレ補正機構に対応したことにより、シャッタースピードを落としてもブレのない綺麗な画質が得られます。ハイスペックなモデルが揃うソニーαシリーズなだけに、ボディとの相性が向上するのは大きなメリットです。
豊富な周辺光量を持つレンズは、暗いシーンだけではなく明暗差が大きいシーンでも、葉の1枚1枚を綺麗に捉えています。また木々の隙間から差し込む光も綺麗な玉ボケになりました。
専用マウントの恩恵として、マウントアダプター「MC-11」では若干不安定ぎみだったAF-Cモードが完全対応に。実際にカーブしながら接近する電車を狙って連写したところ、捉えて離さない安定したAFを体感することができました。
マウントコンバーターの性能が良かっただけに、他マウントの共用でも不便さを感じたことのない本レンズですが、実際に使用してみると専用には専用の便利さがあると改めて感じさせられました。それを特に感じたのが堅牢性です。Artレンズは重いレンズが多いだけになおさらです。高価な商品なだけに不安なく使いたいものです。
描写力に関しては皆様すでにご存知のとおり。クラス最高画質を疑う余地はありません。より気持ちよく安心して使える専用マウントもぜひご検討ください。
Photo by MAP CAMERA Staff
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