NEXシリーズの中でもひときわコンパクト、その初代『NEX-5』登場の際には「この小ささでAPS-C搭載モデルなのか!」とそれは驚いたものでしたが、その『NEX-5』シリーズも本『NEX-5R』で3世代目。細かなブラッシュアップを重ねつつ基本方針にブレの無い本機ですからその完成度に疑いはありませんが、改めて試用させて頂きました。
使ってみるとAFや操作系が実に機敏になっている事に驚きます。特にAFとシャッターのタイムラグが少ない事はスナップではありがたい限り。気分の赴くままに軽快にシャッターを切っていく事が出来ます。
今回気になっていたのは『NEX-7』譲りのコマンドダイヤルの搭載。タッチパネルも搭載している『NEX-5R』ですが、ダイヤル操作があればとっさの操作もしやすいもの。撮影中も絞りの操作やシャッター速度を変更するのにさっと指で変更でき、本当に使い勝手の良い物でした。ボタンの位置もグリップした手でそのまま操作できるので、これは実に嬉しいポイントです!
画作りもいかがでしょうか。雲の重厚な感じも、夕暮れの複雑な光も美しく捉えています。新しい電動標準ズームである『SELP1650』も優秀な描写で答えてくれます。
サテン地のリボンの深みのある色合いも、少し反射した光沢感も、綺麗なものです。背面液晶の可動範囲も広がり”自分撮り”も出来る仕様ですが、それに限らずマクロ域等で撮りやすいアングルから撮影するのにも、存分に活用したい所です。
16mmという広角域は実にダイナミックな表現が可能です。沈胴式の『SELP1650』はこれまでの標準であった『SEL1855』と比べて全長が半分ほど。広角端の数ミリは違いが出るものですし、このコンパクトなサイズと相まって『NEX-5R』には最適なコンビと言えるのではないでしょうか。
新設されたジョグダイアルの操作は実に快適、操作しやすくデザイン的にも美しくまとまった『NEX-5R』のおすすめポイントです。グリップも少し形が変わり、指がかりが良くなっているのも撮影していて違いを感じる所です。しかしさすが3世代目、使いやすく、高画質というポイントに更に磨きがかかった印象です。Eマウントレンズもラインナップが充実してきていますから、普段使いにも最適な1台として『NEX-5R』。おすすめです。
Photo by MAP CAMERA Staff