映像制作のプロも待ち望んでいたパナソニック「LUMIX DMC-GH3」がいよいよ登場となった。2010年発売の前機種DMC-GH2は、2年経っても映像クオリティーは高く、ミラーレス一眼ではかなり息の長い製品となっている。
GH3は、画素数は前機種と同じ有効画素数1605万画素と据え置きながら、モアレや偽色の少ない専用設計のローパスフィルター採用による解像度の向上、そしてノイズを抑えた高感度性能、最高ISO感度12800とさらに拡張ISO感度25600の高感度対応、秒間6コマの高速連写や4Mピクセル時の秒間20コマを実現するなど進化した最新のCMOSセンサーを搭載している。
ボディーは、防塵・防滴性能を持つマグネシウム合金フレームにモードダイヤルや専用ボタン、各種スイッチ式レバーの採用で、メニューに頼らない直感的な操作が可能だ。
即座に設定変更が可能な充実したアナログ的なユーザーインターフェイスの他に、タッチパネルによる操作も可能となっており、AFポイントの指定など瞬時に変更可能となっておりユーザーインターフェイスに関してはプロ向け一眼レフカメラよりも一歩も二歩も先を行く完成度の高さとなっている。
可動式のモニターやEVFを搭載しており、様々なシチュエーションや交換レンズに対応できる柔軟性もあり、撮影に関しての性能や操作性に妥協のない理想のミラーレス一眼に仕上がっている。
初心者にも優しい、iAモードや充実したデジタルフィルターなども搭載されているので、入門機から買い換えながらステップアップしていく使い方よりもGH3でじっくりとカメラを楽しみながら勉強するといった使い方もオススメしたい。
GHシリーズが一番注目されている機能は、なんと言っても動画で今回もユーザーの期待にしっかりと応える形となっている。今回の動画機能は、72Mbps [ALL-Intra] FHD(1920×1080ドット)の24p/30p、50Mbps [IPB] FHD 24p/30p/60pの高ビットレート記録だ。
ALL-I記録は一枚一枚が静止画としても通用するクオリティーとなっており、異次元とも言える解像感に驚かされる。GH2では、編集用素材としてのクオリティーの高さがありながら、複数台撮影時の同期編集がやっかいだったが、GH3は標準でSMPTEタイムコード記録が可能となっており、弱点を克服した形となった。
プロの映像制作はもちろんだが、アマチュアの映像制作において比較的コストを安くしつつハイクオリティーの撮影ができるので、ビデオカメラとしてもチェックして欲しいと思う。
オートフォーカスと手ブレ補正レンズで手軽に映画なみのクオリティーで撮影できるので、家族の思い出、旅行の思い出など記録用にも是非使って欲しい1台だ。
Photo by MAP CAMERA Staff