キヤノンにあってニコンにないもの…。それは軽量な開放F値4一定の望遠ズームレンズ。昔を思い起こせば約25年ほど前にAF70-210mmF4というレンズもありましたが、ここしばらくは空席となっており「AF-S 70-200mm F4G ED VR」は、まさに待望の新製品となりました。
上の写真はある展望施設からの撮影。三脚の使用が禁止されているため、日没のタイミングを計りながら何度もカメラを構えなおします。普段なら腕が疲れてしまうシーンですが軽量レンズは非常に扱いやすく楽に撮影ができました。
圧倒的な高画質を誇る「AF-S 70-200mm F2.8G ED VRII」を兄貴分に持つため、いろいろと比較対象にされると思いますがこの軽量というアドバンテージはかなり強力に感じます。
単に軽量というだけではありません。ニコンの誇る最新光学設計でとても綺麗な画を切りとってくれます。
日の光を浴びて黄金色に透ける西洋ススキの透明感もしっかり描写。逆光気味のシーンでも被写体のコントラストを綺麗に再現するのを見ると、さすがナノクリスタルコートと感心します。
描写も開放からシャープでさすが高画素に対応した最新レンズといった感じです。望遠レンズらしい圧縮感のある画は前後ボケも美しく、開放F値4でもしっかりとメインの被写体を浮き立たせてくれます。
警戒心の強い猫の間合いの外からでも、毛の1本1本まで見てとれる驚愕の解像感に加え、冬の日差しの暖かさといった温度感までよく再現されています。
軽量化を図るため削れるところは全て削ったといった感じの細身の外観は一見、同社の200mmマイクロレンズ?と思わせるようなスリムなデザイン。
このマイクロレンズに似た外観とは関係なくても、本レンズは最短撮影距離1mの接写撮影を可能にしています。望遠側で被写体にググッと寄れば、ボケの綺麗なクローズアップ撮影が可能になります。
クローズアップ撮影時に気になる些細なブレも、シャッタースピード約5段分に進化した強力な手ブレ補正機能が強力にサポートしてくれます。さらにスリムで握りやすい鏡筒はホールディングしやすいのも心強く感じました。
満を持して登場した開放F値4固定の望遠ズームは、様々なシーンに対応した優れた光学性能を有しています。また高い携帯性と機動性は、小型軽量化が進むカメラボディとのバランスも良く、さらにはミラーレス一眼への装着などにも最適です。
憧れのF2.8の大口径ズームも魅力ですが、このレンズの魅力も相当のものです。どちらの望遠ズームを選択するか?頭を悩ませてくれます。
Photo by MAP CAMERA Staff