「SONY DSC-HX50V」は、幅約108.1mm × 高さ約63.6mm × 厚さ約38.3mmのボディーに、35mm判換算24-720mmの光学30倍プレミアム・ハイズームを搭載したコンパクトデジカメだ。前機種であるDSC-HX30Vは35mm判換算25-500mmの光学20倍ズーム機で、広角から超望遠までの撮影が楽しめるコンパクトデジカメだったが、DSC-HX50Vはさらに広角・望遠ともに撮影領域を広げた意欲作だ。
この光学30倍ズームレンズはSony Lens G、いわゆるαシリーズの最高峰「Gレンズ」を搭載している。Gレンズを搭載していると言うことで、コンパクトデジカメながら広角から超望遠域まで収差の少ないクリアでヌケの良い描写が楽しめる。
望遠端が超望遠である720mmまでとなると気になるのが手ブレ補正性能だが、進化した光学手ブレ補正が手ブレをしっかりと吸収してくれる。液晶モニターに表示される映像がブレずに安定して確認できるので、観光地では望遠鏡代わりにみんなで楽しむ使い方もできそうだ。
この優れた手ブレ補正機能は、動画撮影時のアクティブ手ブレ補正にも活かされており、広角側なら歩きながら撮影でも上下動の少ない滑らかな映像撮影が可能だ。DSC-HX30V譲りの動画撮影機能と、さらに撮影領域の広がった超望遠動画撮影で、オールマイティーに使えるカメラとなった。
様々なシーンに対応するプレミアムおまかせオートは、このような逆光のシーンで力を発揮する。ハイからローまで描写するHDRまでは行かなく、自然なハイダイナミック写真の撮影が可能だ。逆光だが、爽やかに明るい緑に光る木の葉と光が当たる瓦屋根が、一枚の写真に収まっている。
プレミアムおまかせオートは、これまで撮影テクニックではカバーすることができなかった逆光のシーンでも、このように見たままの景色の撮影が可能となる優れた撮影モードだ。
普段使いのデジカメとしても優秀で、5cmまで寄れるマクロ機能やISO3200(最大ISO12800)の高感度撮影など応用範囲が広い。高速化されたAFはストレスなくピタっと合うので、撮影のリズムが崩れることなくサクサク撮影できる。
大きく張り出したグリップは撮影時のホールディング性が良いだけではなく、手に持ちながらの移動でもしっかりとカメラを持つことができる点が良い。
本体上面に新たに配置された露出補正ダイヤルが配置された。これまでは露出補正にはワンクッション必要だったが、ダイレクトに操作できるようになった点が大きな進化だ。操作性・視認性ともに良く、道具(ツール)としての価値を高めている。
DSC-HX50Vは、静止画・動画、広角・超望遠撮影が可能な死角のないカメラだ。操作性の良さから一眼レフカメラのサブカメラとしても良く、カメラ初心でも安心して使える撮影者を選ばない懐の広さがある。コンパクトさを活かした普段使いや、旅行やイベント行事など、これ一台でなんでもこなせるコストパフォーマンスの高いカメラと言えるだろう。
Photo by MAP CAMERA Staff