ニコンからまたまたフルサイズデジタル一眼レフカメラがリリースされました。
新製品『Nikon D750』は、その型番が示すとおり「D610」と「D810」の間に位置するモデルで、「D610」の軽快さと「D810」の高画質がバランスよく調和されています。
今年に入ってすでに3モデル目。ほぼ3ヶ月おきに新製品をリリースするというハイペースから生まれた新製品の実力はいかに。さっそく撮影に出掛けてきました。
「D750」の大きな特徴に、フルサイズ機では初めて可動式液晶モニターを採用している点が挙げられます。
チルト機能を搭載したことでモニター部が厚くなったものの、内部基盤のレイアウトを見直したことによりカメラ自体がとてもスリムになり、全体でも「D610」と比べて約4mm薄くなっているのには驚きます。
早速、チルト機能を利用して秋桜をローアングルから撮影。これもフルサイズ機では初となるエフェクト機能を合わせて使用しました。
逆光を配置しながらの細かな構図調整では、チルト機能がとても重宝しました。
またカメラのスリム化によりグリップ部分がり自然にフィットするようになり、グリップ性能も大きく向上。片手での撮影でもブレを心配せずシャッターを切れるのは大きな魅力です。
逆光で黒く潰れるのをハイキーエフェクトで優しい色に持ち上げる事でカバー。薄紅の花が秋の日だまりに揺れている様子を上手く表現できました。
搭載されたセンサーは2432万画素の新開発CMOSセンサー。
ローパスフィルターが採用されているとの事ですが、言われても気づかない見事な鮮鋭感です。
モアレの心配も少ないので静止画はもちろん、動画での用途も広がることでしょう。
オートーフォーカス機能も、最新フラッグシップ機譲りの高スペックです。
動きに強いグループエリアAFが、しっかり被写体を捉えてくれます。
フォーカスポイントがやや中央に寄っている感があるものの、肉眼でさえ定かには見えにくい-3EVの低照度下でもピント合わせが可能になったのは魅力です。
チルト機能によって使いやすくなった液晶モニターは、視認性も向上しています。
「D810」と同等の122.9万ドット、RGBW配列は明るい日中下でもクリアーな画で、被写体の細部まで確認できます。
ローアングルからでも、細い雄しべを何本も持つ彼岸花の狙った所にピントを合わせることができました。
先にも触れたエフェクト機能。撮影モードダイヤルから、簡単に設定できるのでより気軽に楽しむ事ができます。
フルサイズ機の特徴でもある大きなボケ味をより強調するなど、さらに作品の幅が広がることでしょう。
数百メートル離れたビルの展望台より撮影した東京タワー。
ガラス越にも関わらず、タワーの細部までしっかり描写しているのが分かります。
データ容量も加味すれば、使いやすくバランスの取れた解像力と言えます。
他にも上位モデル譲りの機能が多数搭載されています。
一眼レフの最大特徴でもあるメインミラーに、フラッグシップ機と同等の多層コートミラーを採用。
ファインダー内でよりニュートラルな色味が確認できます。暗い池の底から浮上してきた鯉の鮮やかな色もしっかり認識できました。
薄い蓮の葉の質感、葉上の水滴の立体感。高精細な画質をファインダー内でイメージできるので、撮影がとても楽しくなります。
常用での高感度域はISO 12800。
他のモデルと比べると多少物足りなさも感じますが、ISO 12800でこのクリアーな画質なら申し分ありません。
常用域全てを常用できるのは嬉しい限り。これなら拡張域もためらう事無く使用することができそうです。
四角い接眼部やモードダイヤルから一見「D610」の後継機かと思えた「D750」ですが、使い込むにつれ恩恵を感じる機能の多さに、700番台の名称が付けられた理由が見えてきました。
他にもWi-Fi通信機能の内蔵やフルHDで記録できるHDMI出力など、ライバル社のカメラを相当意識して作られているのが分かる意欲作です。
上位モデルに迫る高画質と多彩機能は、撮影者のイメージを忠実に再現してくれる最強のパートナーになることでしょう。
Photo by MAP CAMERA Staff
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