シグマから超望遠4倍ズームレンズ『SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM』が発売されました。
今回このレンズの登場で一番驚いたのが、全く同じ焦点距離、同じ開放絞値のレンズがもう1本同時に発表された事です。
ハードな要求に応えきれる高性能、高品位モデルの「Sports」モデルと、機動性と使い勝手を重視した「Contemporary」モデル。
果たしてこの2本の実力差はいかに。まずは先に発売された『SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM | Sports』を持って撮影に出掛けてきました。
動きある被写体をしっかり捉える「Sports」ラインのコンセプトに沿ってまずは鉄道写真から。
駅での撮影では三脚が使えませんので、もちろん手持ち撮影。カメラ本体と合わせて3Kgを越える重さはさすがに堪えます。
それでも望遠端でもブレ無く捉えるのはさすが優れた手ブレ補正機能と言わざるを得ません。
超望遠ズームとは思えない素晴らしい透明感です。
蛍石と同等の性能を誇るFLDガラスなど贅沢な硝材採用のレンズは、コントラストも高く被写体の細部までしっかり捉えているのがよく分かります。
微妙な光の反射による立体感の再現が巨大な橋の重厚感を余す事無く伝えています。
ガラス越しに反射光を狙っても、クリア感は損なわれません。
他にも強い日差しを試しましたが、フレアなどの発生の無い優れた光学性能を確認できました。
自然で綺麗なボケ味が圧縮効果の中でもしっかり奥行き感を伝えます。
高い防塵・防滴性能と前後のレンズに施された撥水/防汚コーティングのおかげで撮影シーンを選びません。
超望遠レンズなので必要以上に接写する必要はありませんが、しぶきが飛び散る波打ち際でも心置きなくシャッターを切ることができます。
警戒心を露にした野良猫。 少しでも寄ろうものならすぐにも逃げ出しそうな状況でも、超望遠効果でここまで引き寄せる事ができました。 野良猫とは思えないフカフカな毛並みはもちろん、髭の1本1本までしっかり捉えています。青い瞳も綺麗です。
その堅牢性が見ただけで伝わる大きなレンズです。手持ちでの撮影はさすがに疲れましたが、持ち運び時には三脚座が取っ手として重宝しました。90°毎にクリックするので角度を変えるのもスムーズです。
高い強度の真鍮製マウントのおかげで、カメラのマウント部に負担かける事無く携帯できるのは嬉しい限りです。
描写も最新レンズらしい素晴らしいもので、「Sports」ラインならではの高性能が実感できました。
Photo by MAP CAMERA Staff