片手で持てるサンニッパズームとして大人気のコンパクトデジタル、STYLUS 1がさらに進化をし『STYLUS 1s』として登場しました。
STYLUS 1からの高い基本性能はそのままに、目的のズーム位置(焦点距離)にすばやく確実に移動できる「ステップズーム」機能や、 ピンポイントでフォーカスできる「スモールAFターゲット」機能を新たに搭載したコンパクトデジタルのハイエンド機種です。 小さなボディにいかなる実力を秘めているのか、その写りと機能を試したいと思います。
一眼レフに比べシャッター時のブレも抑えられ、手ぶれ補正もよく効く機種なので手持ちで低速シャッターも安心して撮影ができました。
開放F2.8という明るさですが、絞ってイルミネーションをシャープに撮影するこも可能です。また瞬間を捉える速写性にも優れています。
フワフワとした猫の毛を見事に描写しています。 『STYLUS 1s』は前モデルと同様の1200万画素の1/1.7型 CMOSセンサーを搭載しています。
連射性能は7コマ/秒、RAWで連続25枚、JPEGで連続70枚と、画質とレスポンスの良さを両立した機種です。
最新の工学技術を投入したレンズはコンパクトとは思えない描写と色を見せてくれます。
絵画のような水面の映り込みも目で見えている以上に美しく残せました。
明暗の差が大きい意地悪な条件で撮影をしてみました。ハイライト部にフレアが発生し周辺のコントラストが低下しています。
露出オーバー気味での逆光撮影には少し注意がいるかもしれません。
シャッターの最高速は1/2000秒。噴水から吹き上げる水滴を捉える事ができました。 3段分のNDフィルターを内蔵しているので昼間でも明るいレンズを生かした撮影が可能です。
私がプライベートで使用しているカメラは全て単焦点レンズなのですが、本機に新しく追加になった「ステップズーム機能」は使いたい焦点距離へすぐに合わせる事ができ、大変便利な機能だと感じました。ズーム域が長くて手に余るという事は全く感じないカメラです。
レンズの印象はシャープでカッチリした描写。金属・水・ガラスなど光沢のある被写体は1/1.7型とは思えない素晴らしい質感表現です。
今回の『STYLUS 1s』発売に合わせ、ワイドコンバーションレンズ『WCON-08X』も発売になりました。 取り付けにはアダプターが必要ですが、レンズを装着する事により焦点距離が0.8倍に変わり、換算22.4mm相当の超広角レンズへと変わります。
パースペクティブな広角表現が可能になります。
そして注目すべきは写真の四隅。F8まで絞っていますが、流れも減光も少なくワイドコンバーションレンズを使用しているとは思えない画質です。
先代のSTYLUS 1も初めて触った時驚かされましたが、本機『STYLUS 1s』は使用感などにさらに磨きがかかり非常に完成度の高いカメラとなりました。
サイズこそコンパクトですが、視界に優れたEVFファインダー・操作性・レンズ性能などは『小型OM-D』と言えるほど贅沢な作りをしています。 例えば一眼レフで超広角から超望遠までのレンズを持ち運ぶとなると大型バッグやトランクケースが必要です。しかし、本機とワイドコンバーション・テレコンバーションレンズを揃えれば※換算22.4mmから510mmという焦点域をウエストバックで持ち歩く事が可能です。 もちろん一概に比べる事はできないですが、これは『STYLUS 1s』の大きなメリットであり、写真を撮りにいくスタイルが変わるかもしれません。
大型センサー化が増える同ジャンルの中で、『STYLUS 1s』が提案する新たなカメラシステムに今後のコンパクトデジタル機の可能性を感じる事ができました。
※『STYLUS 1s』へのワイドコンバーションレンズ『WCON-08X』取り付けにはレンズアダプター『CLA-14』、テレコンバーションレンズ『TCON-17X』取り付けにはレンズアダプター 『CLA-13』が必要となります。
Photo by MAP CAMERA Staff