同じスペックの超望遠ズームレンズを同時に発表して私達を驚かせたSIGMA。先に発売された「Sportsライン」から遅れる事約5ヶ月、もう1本の『SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM | Contemporary』が発売となりました。
SportsラインもContemporaryも共に高画質を謳っていただけに、両方を見比べてから購入をと考えていた方も多いはず。さっそく「Contemporaryライン」の描写をご覧いただきましょう。
「Sportsライン」と比べて約1kgも軽量化されたレンズは持ち運びがとても楽です。決して軽いレンズとは言えませんが、金属フードを採用するなど堅牢性に優れた「Sportsライン」を使用した後に「Contemporaryライン」に持ち替えるとその差は歴然。頭上に咲く桜を狙うのも容易に持ち上げることができます。
描き出された画のクリアーな描写に驚きました。蛍石と同等の性能を誇るFLDガラスを使用するなど、画質に対しての妥協の無さが実感できます。
望遠端の描写も綺麗です。
ホームに設けられた転落防止のフェンスと新型車両に強い日差しが反射していたので露出と色温度低めに撮影。切り詰めた露出でも細部までしっかり捉えているのが分かります。
焦点距離600mmと聞くと手ブレが気になりますが、駅での三脚使用は禁止されてるので手持ち撮影を敢行。光量が十分にあったとは言え、優秀な手ブレ補正機能のサポートもありシャープに切り撮ることができました。
動く被写体にもスムーズに反応してくれます。感覚的に少しだけ「Sportsライン」より前後の動きに余裕の無さを感じましたが、決定的瞬間を逃すような事はありません。
新幹線の先頭部にかなり強い反射光がありましたが、フレア・ゴーストもなくコントラストの高い描写をみせてくれました。
動物園での撮影では600mmの焦点距離が更なる威力を発揮しました。
これまでの500mmまでのズームやメーカー純正の400mmまでのズームではもう1歩と思っていた距離を一気に縮める事ができました。餌をもらって幸せそうな表情がガラス越でもしっかり伝わってきます。
一方のこちらはプールで遊ぶホッキョクグマ。縦横無尽に泳ぎ回る動きにもしっかりついて行きます。
適度な重さと幅のあるズームリングが最適な焦点距離へスムーズに導きます。軽量化されたレンズの特徴が活かされる撮り回しの良さを感じました。
猿山の頂上で餌を独り占めする猿の様子もしっかり捉えました。春の暖かい日差しを背中に浴びている感じもよく分かります。
透明感の高い描写は陰影も綺麗に捉えるので、画面には見えない日差しの具合も上手に伝えます。
河津さくらの蜜をついばむヒヨドリ。手持ちで野鳥を追う事ができるのも本レンズの大きな魅力。
まさに多様な撮影シーンに対応するオールマイティーなレンズです。
望遠レンズらしい圧縮効果と大きなボケ味が河川敷の奥行き感を伝えています。
撮影日は風が強く時々砂埃が舞うカメラ泣かせのシーンでしたが、「Sportsライン」譲りの防塵・防滴機構がとても心強く感じました。
西日に輝く水面を渡る水鳥。強烈な水面反射でファインダー内の識別が難しいシーンでもカメラとレンズがしっかりサポートしてくれました。
小型化されたとは言えなかなかの迫力ですが、今回使用したCanon EOS 6Dとのバランスも良く600mmまでカバーした望遠レンズとは思えない使い勝手の良さがありました。
これならAPS-Cセンサーのカメラとのバランスも良さそうです。
せっかくのウエイトダウンですから出来る限り身軽にということで、今回は三脚等は一切使わず全て手持ちで撮影しました。
600mmという焦点距離を考えたら暴挙とも思える行動ですが、撮影データを見返した際の手振れのNGカットは殆どなく、改めてシグマの手ブレ補正機能の優秀さに感動です。
高い光学性能とコンパクトネスの両立で、幅広いシーンに対応する「Contemporaryライン」。まさにコンセプトどおりのハイパフォーマンスを体感することができました。
画質は上位モデルに迫るものがあり使い勝手も優れています。さらに優れた光学性能と高い堅牢性を求めるのか?難しい選択です。
Photo by MAP CAMERA Staff