25-600mmのズームレンズで明るさはF2.8通し。カメラ好きが聞くと「そんなスゴいレンズなんてあるの!?」と驚くと思いますが、35mm判換算でそれを実現したデジタルカメラが登場しました。今回は『Panasonic (パナソニック) LUMIX DMC-FZ300 POWER O.I.S.』のご紹介です。ハイエンドコンパクトに分類される本機は、ネオ一眼やブリッジカメラと呼ばれるレンズ一体型のデジタルカメラ。見た目はまるで一眼レフの様なスタイルですが、注目すべきはそのレンズです。ライカブランドである『DC バリオ・エルマリートレンズ』を搭載し、換算25mmという広角から600mmの超望遠までカバーする超高倍率レンズ。そして明るさがなんとF2.8通しというスーパースペックを持っています。1/2.3型というセンサーサイズの特性をフルに生かしたFZ300、その写りを早速見てみましょう。
動物園で写真を撮った事がある方なら「ズームが足りない」と感じた事が必ずあると思います。そんな時でも600mm相当まで望遠が効くFZ300であれば動物達にズームアップして細かな表情や仕草を切り取る事ができます。撮れる画も良いですね、小型センサーながらゾウのまつげや肌の質感を見事に表現してくれました。
このワオキツネザルの写真も超望遠だからこそ撮ることの出来た一枚です。そしてPanasonicといえばの機能『4Kフォト』を使用して撮影をしてみました。1秒間に30コマの連続撮影を行い、撮った後からベストショットを選択できるという動体撮影にはもってこいの機能です。超望遠との組み合わせで、動物、野鳥、航空機、鉄道、スポーツ撮影など幅広く活躍できますね。
続いて私の大好きなハシビロコウです。石像の様にジッと動かない鳥ですが捕食するときだけ俊敏に動く大型の鳥。ふっくらとした柔らかな羽根の表現が見事ですね。センサーサイズ以上の描写に感じます。
FZ300は広角側25mmから使用が出来るのもポイントの一つ。超高倍率ながら四隅の流れや画質低下も良く抑えられています。
『ライカ DC バリオ・エルマリートレンズ』はズーム全域で高い描写力を発揮するレンズです。艶やかなボディに反射する光とヘッドライトやグリルの細かな線まで写し出してくれました。
広角でもあまり歪みは感じられませんね。本レンズの倍率を考えると、FZ300はとても完成度の高いカメラに仕上がっています。
小さな女の子が一生懸命ボートの舵を切っていました。望遠と連写性能を考えると、これからの運動会シーズンにもってこいの一台だと思います。
蓮の花も終わり沢山の実を付けていました。微妙な色の濃淡と立体感のある表現は、とても小型センサー機とは思えない上質な写りです。
標準域の焦点距離で撮影しました。壁に敷き詰められた石が一つ一つ確認できるシャープな描写力に驚かされますね。
いつもなら遠くに見ているスカイツリーも600mmまで伸ばせばこんなに大きく写真に撮る事が出来ます。遠景は薄らと霞んでいたのですが、展望台に居る人影まで確認する事が出来る描写力の高さです。
25-600mm F2.8。フルサイズ用の600mmレンズはその大きさと迫力から「バズーカ」など例えられますが、FZ300のレンズは非常にコンパクトな設計でその画角を実現しています。
ネオ一眼に代表される高倍率コンパクトは“便利”という言葉で例えられる事が多いですが、『Panasonic (パナソニック) LUMIX DMC-FZ300 POWER O.I.S.』は上位クラスにも負けない描写力と撮影機能を持ったカメラでした。GX8でも思いましたが、最近のパナソニック製カメラはスゴいですね。強力な手ブレ補正とタッチパネル操作、充実したオート撮影モードでビギナーから使う事ができ、4K動画や防塵防滴など本格派な仕様でベテランまで不満なく使える一台です。そして600mmの画角はやはり強烈でした。この超望遠だからこそ撮れる写真があると思います。「高倍率コンパクトなんて」と思っている一眼レフユーザーの皆さん、ぜひ一度FZ300を使ってみてください。もしかしたらメイン機材より出番が増えるかもしれませんよ。
Photo by MAP CAMERA Staff