今から4年前となる2012年10月26日。2400万画素のフルサイズセンサーを搭載しながら秒間10コマ連写の実現や、一眼レフスタイルながらミラーとペンタプリズムを廃してEVFを採用するなど、高性能かつ『一眼レフの未来の形』を切り開いたα99。ミノルタ時代より続くAマウントを継承したそのフラッグシップ機が、ついにモデルチェンジを果たしました。今回のKasyapaは『SONY (ソニー) α99II』をご紹介いたします。
この4年間は『α7シリーズ』の発売や4K動画機器の普及などデジタル技術が大きく躍進した時期でもありました。今回登場した『SONY (ソニー) α99II』はその歳月を埋めるだけでなく、さらに先へ進んだカメラへと進化をしています。まず4240万画素のフルサイズCMOSセンサーによる圧倒的な解像力。これは『α7RII』に採用したセンサー技術をフィードバックし、『α99II』へ最適化させたもので、高精細ながらダイナミックレンジも広く高感度も優秀。 一枚目の写真は特徴的なデザインをした建物の屋根を見上げて撮影したものですが、まるでSF映画のCGのような高い解像力を見せてくれました。
『α99II』が新たに搭載したボディ内5軸手ぶれ補正機構、これが驚くほどよく効きます。この写真はシャッタースピード1/4秒を手持ちで撮影したのですが、ぜひ拡大して背景にある壁をご覧ください。シャドウ部に穴の空いた模様が見えるかと思うのですが、全くブレていません。本当に1/4秒!?と思う方もいるかもしれませんが、その証拠に前を歩く女性のシルエットが流れているのがお分かりになるかと。今までこういう写真は三脚前提で画作りを考えていたのですが、『α99II』はそれを手持ちで撮れるほどの高性能な手ぶれ補正機構を搭載しています。そしてミラーショックが無いということも大きいですね。手ブレ軽減に大きく貢献しているはずです。
勢いよく噴きあげる噴水を撮影した一枚。薄暗い日陰で水を静止させようとISO感度を1600に上げたのですがこの低ノイズの写り味です。
知人のカフェで食後のコーヒーをオーダー。落ち着く店ほど、店内の光量は暗いものです。このカットは手振れ補正と高感度性能が生きた写真ですね、ストロボを使わない自然な光の具合がよりコーヒーと店内の空気感をリアルに伝えてくれます。そしてコーヒーはハンドドリップに限りますね。味の良し悪しだけでなく、私はコーヒーを落としているこの時間がとても好きです。
壁に掛けられたシエラカップの数々。一番左のが正真正銘『Sierra Club』のシエラカップです。寒い時期のキャンプも楽しいですよね。
上記のシエラカップもそうですが、『α99II』は金属表現が上手なカメラですね。立体感、メタリック感など見事です。
実際に『α99II』を使用してみて感じたのが総合力が非常に高いカメラだということ。今のカメラは『高画素機』や『連写に特化した』など何かしら秀でている特徴を看板にしている機種が多いですが、『α99II』で言えば画質・連写・AF性能など全てが秀でていてバランスが取れている驚くべき機種です。 まず一眼レフで一般的な位相差AFと像面位相差AFを融合させた『ハイブリッド像面位相差検出AF』は動体撮影に絶大な効果を発揮し、被写体を逃しません。そして捉えた被写体を4240万画素RAWのまま秒間12コマの高速連写で撮影することができます。そしてEVFファインダーも物凄くいいですね。「絶対にプリズムファインダーじゃなきゃ嫌だ」という方こそ一度『α99II』のファインダーを覗いてみてください。こんなに見やすいのかと驚くと同時に、最新のEVF技術はこんなにも凄いのかとショックを受けるはずですよ。
先に言いますが、某レーシングゲームのキャプチャ画像じゃないですよ。(笑)
イルミネーションが輝く通りを走るフォーミュラカーを秒間12コマの高速連写で捉えました。
写真を見てお分かりになると思いますが、日が沈んで薄暗くなってきた時間帯に撮影した写真です。そのためISO感度は3200。絞り開放でシャッタースピード1/160秒です。イルミネーションとフォーミュラカーの両方を美しく写せるのは『α99II』の性能のおかげと言ってもいいかもしれません。
艶やかなボディの表現が素晴らしいですね。『α99II』を使用すると撮れる写真が変わるということが実感できるはずです。
冬は寒いですが、夜の撮影が楽しい季節でもあります。ぜひ美しい景色やイベントを『α99II』で撮影していただきたいですね。
超高画素機で手持ちのイルミネーション撮影なんて数年前まで考えられませんでした。電球の一つ一つから街路樹の葉まで見事な写りです。
超高画素と高感度性能は相反するものと思っていましたが、『α99II』はその常識を打ち破った機種と言ってもいいかもしれません。ISO感度6400で撮影したカットですが、静かに佇むクラシックカーの雰囲気を写し撮ることができました。
『SONY (ソニー) α99II』はフラッグシップ機の名に恥じない高い実力を持ったカメラでした。全ての性能が高次元でまとまっていると言えばいいでしょうか、今まで不可能と思われていた大容量データでの高速連写、そして超高画素と高感度性能の両立を成し遂げた次世代の一眼カメラです。今までの説明だとハイテク技術の塊のようなカメラではありますが、ボタンの配置や操作系などとても使いやすく出来ているのもポイントですね。今までのα99ユーザーだけでなく、他メーカーから乗り換えても直感的にカメラを扱えるはずです。
ここ近年はFEマウントの躍進ばかり目立ってきましたが、『α99II』を使用してみて改めて一眼レフタイプのAマウント機の使いやすさとバランスの良さに気づかされました。カメラシステムとして完成しているAマウントの新たな可能性を感じた一台です。
Photo by MAP CAMERA Staff