使用機材:Canon EOS 6D Mark II + EF 70-200mm F4L IS II USM
Canon EF 70-200mm F4L IS II USM
蛍石、赤いライン、白く塗られた鏡胴。キヤノンユーザーのみならず、全てのカメラユーザーにとって“白レンズ”は特別な存在と言えるかもしれません。街中やフィールドで“白レンズ”を付けたカメラを目にすると、ついつい意識してしまった経験がある方も多いのではないでしょうか。今回のKasyapaはそんな“白レンズ”の最新作『Canon EF70-200mm F4L IS II USM』をご紹介いたします。
ロングセラーとなった今までのモデルからなんと約12年ぶりのリニューアルを果たした本レンズ。カタログ上での見た目では大きな変更点が感じられない印象でしたが、実際の『Canon EF70-200mm F4L IS II USM』を手にしてみると、より白くなった鏡胴の色、67mmから72mmへ変更になったフィルター径、レンズ名が前玉プレートへ印字になったなど、現代のLレンズの基準に合わせて作り込まれているのが分かります。そして何より一番驚いたのはシャッターを切ってから。開放F4なので安定した描写は期待していたのですが、まぁ良く写る。シャープネスが高く、コントラストも良好、色収差による滲みを微塵も感じさせないクリアな描写です。初めての“白レンズ”としても選びやすい『Canon EF70-200mm F4L IS II USM』ですが、その性能はプロも納得できるハイクラスレンズそのものです。
使用機材:Canon EOS 6D Mark II + EF 70-200mm F4L IS II USM
私のイメージだとキヤノンレンズの写りはコントラストが高く、場合によってはシャドウを持ち上げて写真を作っていたのですが、本レンズと『EOS 6D Mark II』の組み合わせは非常に階調表現が豊かな印象を持ちました。影は影として写し出し、その中にある色やディテールもしっかり捉えてくれます。
使用機材:Canon EOS 6D Mark II + EF 70-200mm F4L IS II USM
今回は動物園へ撮影に出かけたのですが、話題の子パンダは70分待ちの長蛇の列。しかたなく諦めて園を回っていると可愛いゴリラの子供が居ました。
動物園に撮影を行ったことのある方は分かると思いますが、各ケージごとに露出が大きく異なり、カメラ任せの露出だけでは難しいシーンも多々あります。その際にキモとなるのが開放での描写力。絶対的なシャッタースピードを稼ぐため開放で撮影する状況も多くなるのですが『Canon EF70-200mm F4L IS II USM』はF4から被写体をリアルに、そして印象的に写し出してくれるレンズだと感じました。
使用機材:Canon EOS 6D Mark II + EF 70-200mm F4L IS II USM
全てが一新した、F4白レンズ。
申し分のない描写力と抜群の機動性を兼ね備えた『Canon EF70-200mm F4L IS II USM』。しかし、12年の時を経ての進化はそれだけではありません。まずレンズ内手振れ補正が大幅に強化され、その効果はなんと5段分。テレ端200mmの撮影でもファインダー内の像がピタリと止まる素晴らしい効きの良さです。また、従来のレンズを使用してきた方が気になるであろうISの作動音ですが、本レンズからはジージーとした音は聞こえてきません。おそらく機械的な構造が従来機と比べて大きく変わったのでしょう、最新のテクノロジーを搭載したレンズへと生まれ変わりました。
その他にも本レンズの光学性能を活かすためフレア・ゴーストの発生を低減させるレンズコーティングの見直しと、汚れや埃がすぐに拭き取れるフッ素コーティングが施されており、よりフィールドで使用するプロ機材へと進化をしました。
キヤノンが本気で作ったF4通しレンズ、それが『Canon EF70-200mm F4L IS II USM』です。
使用機材:Canon EOS 6D Mark II + EF 70-200mm F4L IS II USM
使用機材:Canon EOS 6D Mark II + EF 70-200mm F4L IS II USM
今までのレンズと比べ最短撮影距離が0.2m短くなり、被写体との距離が1mから撮影できるようになりました。そのことにより被写体を大きく写せるだけなく、アウトフォーカスのボケ味もより際立たせて撮影することができます。
使用機材:Canon EOS 6D Mark II + EF 70-200mm F4L IS II USM
使用機材:Canon EOS 6D Mark II + EF 70-200mm F4L IS II USM
『Canon EF70-200mm F4L IS II USM』は全焦点域で素晴らしい描写性能を見せてくれるレンズです。コントラストが織り成す立体感のある写りは、まるで単焦点Lレンズで撮影したかのような写りです。
使用機材:Canon EOS 6D Mark II + EF 70-200mm F4L IS II USM
焦点距離:70mm / 絞り:F5.6 / シャッタースピード:1/640秒 / ISO:200
使用機材:Canon EOS 6D Mark II + EF 70-200mm F4L IS II USM
F5.6で解像力はほぼピークに達している印象を受けます。緻密な描写が本当に見事です。
使用機材:Canon EOS 6D Mark II + EF 70-200mm F4L IS II USM
妥協のない作り、キヤノンの本気を感じた一本。
近年のデジタルカメラの性能向上は目覚ましく、それに応じてレンズに対する要求もシビアになってきています。他メーカーも含めですが、ここ最近に発売されたレンズは今の高画素機だけでなく、“これから”を見据えた性能で作られている印象がありました。それは『Canon EF70-200mm F4L IS II USM』にも言えることで、現在の70-200mmF4通しレンズで出来ることを全て入れてきた印象です。スペック的に機能・性能が高いのはもちろん、なにより仕上がりの写真が美しい。このレンズの一番の魅力はそこだと思います。長い歳月を経てのモデルチェンジではありましたが、その進化に納得のできる一本です。キヤノンの本気を感じる素晴らしいレンズでした。
Photo by MAP CAMERA Staff