フルサイズミラーレス用に最適化された「DG DNシリーズ」の5本目となる 『SIGMA Contemporary 100-400mm F5-6.3 DG DN OS』。16群22枚からなるレンズ構成にはFLD1枚、SLD4枚を採用。レンズだけでも約4段分に相当する手ブレ補正を搭載しつつ、カメラボディの手ブレ補正機構との組み合わせで角度ブレの補正をレンズ側で行うため、より強力に手ブレを抑制します。さらに操作面においてはズームリングを回すだけでなく、直進ズームにも対応した“デュアルアクションズーム”を採用。今回は超望遠ズームでありながら重量1,135gという軽さを活かして、街中スナップを中心にご紹介させていただきます。
茂みに猫が入っていくのを見かけたのでしゃがみながら撮影。茂みの前に遮蔽物があり、撮りにくい位置ではあったのですが軽量さを活かして撮影することが出来ました。
望遠側とローアングルの組み合わせで撮影しましたが、重量1,135gと超望遠レンズながら比較的軽量かつホールディングも良い為、姿勢を崩した状態でも疲れを感じることはありませんでした。
こちらも砂浜をギリギリのところで撮影。これも前ボケ、後ろボケがキラキラと輝いて綺麗です。拡大して見るとさらに小さい丸ボケが無数に出来ています。さて、実はこの写真はα7RIVの高画素機を活かしてクロップ機能を使いました。つまり約1.5倍の600mm相当で撮影しています。それでもピクセル数としては長辺6,240ピクセル。なんとα7やα9などの2400万画素機以上のピクセル数なのです。100-600mmまでをこの組み合わせで撮れるということにロマンを感じます。
向日葵の背にある樹々の葉っぱの隙間から陽が射し込んでいました。向日葵にピントを合わせることで、葉っぱの隙間一つ一つから洩れる光がキラキラと大きなボケを形成していて、面白い表現になったと思います。
本格的に飛行機を撮影するため、空港展望デッキに向かいました。残念ながらこの日は開放されておらず唯一開いていた展望デッキから1枚。飛行機のウィンドウには長距離を飛行してきた証でもある汚れをリアルに描写しています。実は今回が空港撮影デビューだったのですが、諸先輩方の経験と知識あっての空港撮影だったと思い知りました。ぜひこのレンズの機動力を活かした航空写真を撮っていただきたいです。
さて、ここでシーンを変えて街中スナップに切り替えて行きます。超望遠レンズを使用した風景写真で憧れるのは広大な景色を圧縮効果で平面的に見せた写真。実はこの写真、カイズカブキという植物をテレ端で撮影し、縦回転させた1枚。圧縮を利用すると普段なら意識もしないような景色が面白い被写体に変化します。
こういった凹凸のある建築物も圧縮を利用して平面的に見せることが出来ました。日常を超望遠で覗くと新しい発見が沢山あって、これもあれもと覗き込んでしまってなかなか先に進むことが出来ません。
近づけない被写体にグッと寄る。そういったシーンは何も特別なシーンだけでなく、日常に溢れていたりします。このレンズは良い意味で「THE超望遠」という存在感が薄いのがとても助かります。
まだ開花を待つ蓮の花。ボケ味も素晴らしいの一言です。ちらほらと咲き始めていましたが、このレンズが発売されるときは絶好の撮影時期ではないでしょうか。
自分の中で街中スナップをこのレンズで撮ろうと思った時に真っ先に思い浮かんだのがこちらです。私が立っているのは上野辺り。商店街から浅草まで続く一本道をギュッと圧縮してスカイツリーを背景に。この道だけでなく、上野から浅草に繋がる道は、大通りから小道までまっすぐに通った道が多いので、スカイツリーを背景にした写真がとても撮りやすいです。縦横アミダ状に入り組んだこのあたりは日が差し込む時間帯、とても魅力的です。ぜひ撮ってみてください。
日常に圧縮を。
超望遠レンズというとサイズも大きく、撮影では気を遣ってしまうシーンも多いもの。こちらのレンズは『風景に溶け込む望遠レンズ』で威圧感を与えず気持ち的にも良い作品が撮れるレンズです。
AFの速度は飛行機を追いかけるに十分な早さですが、さらに高速で動く被写体を捉えたいのであればやはりその役目は”Sports”かと思います。その代わりに、スリングサイズのバッグにもすっぽり収納できるサイズと機動力を損なわない軽快さ。しかも各社の100-400mmとも肩を並べる解像力。”Contemporary”のカテゴリーとして主役と言っても良いレンズです。このレンズが発売される頃には梅雨も明け、蓮や向日葵が見頃になる夏がやってきます。飛行機や電車、動物園でも活躍すること間違いなしですが、見慣れていた街だからこそ気付ける圧縮の世界をぜひ軽やかに楽しんでみてください。
Photo by MAP CAMERA Staff