世界最小・最軽量のフルサイズミラーレス一眼カメラ『SNOY α7C』の登場です。まず驚きなのがフルサイズにもかかわらずここまで小さいこと。ソニーにはフルサイズ機であるα7系より一回り小さいAPS-C機のα6000系シリーズがありますが、どちらかというとやや肉厚なα6000系といった印象を受けました。キットレンズである『SONY FE 28-60mm F4-5.6』がこれまた小さいのです。『SONY FE 28-70mm F3.5-5.6 OSS』と組み合わせる『SONY α7III』のレンズキットが総重量945gだったのに対し、『SONY α7C』のレンズキットは676gしかありません。高画質を大前提に軽くて小さいカメラが好きな筆者にとって、まさに理想のフルサイズだと期待が高まります。そんな小さなフルサイズレンズキットを持ち、街を歩いてきました。
目に飛び込んできた印象的な建物に向けてシャッターを切ると、空の抜けの良さと白い外壁の質感が良く描けています。『SONY FE 28-60mm F4-5.6 OSS』は沈胴式にすることで携行性を突き詰めたキットレンズですが、だからと言って描写性能が疎かになっている訳ではありません。フルサイズ機が初めての方でも存分にその画質を愉しめる一本になっています。
複雑な細工が施された壁のようですが、よく見るとパソコンの基盤が隙間なく敷き詰められています。マザーボードが緑色なのは、酸化を防いだり絶縁するためのインクが緑色だからとのこと。元々は実用のための色付けですが、このように整然と並ぶとアーティスティックです。
銀色のシートの向こう側で映像の上映が行われています。シートの表面の反射、観客の影、透けている映像の融合が面白いと思いシャッターを切りました。
手軽に広角の世界を味わうために、キットレンズ以外にもう一本『SONY FE 20mm F1.8 G』を持ち出しました。といっても、こちらのレンズも大口径の単焦点ながらソニーのレンズラインナップの中ではコンパクトな部類。『SNOY α7C』とのマッチングの良さは言わずもがなです。20mmという焦点距離は適度にパースを活かせるので、シンメトリーの構図を意識して道路を撮影。普段は車も人も絶え間なく行きかうこの場所も、朝はゆったりとした時間が流れていました。
昨今のミラーレス一眼カメラは4K動画を撮れるものが多いですが、当機は4Kに必要な画素数の約2.4倍の情報量を凝縮して4Kにするため、さらなる高画質を誇っています。動画から静止画を簡単に切り出す機能を使用して作成したのがこちらの写真です。雨の雫や花びらの質感を自然に表現することができました。
ピアノの黒鍵といえばその名の通り黒いものと相場が決まっています。しかしながらこのピアノの黒鍵はこんなにカラフル。見るだけで気分があがりましたが、演奏するとさらに心躍りました。
音楽に合わせてカラフルな照明が当たるDJブースのパン映像を撮りました。これはその動画から静止画を切り出したものです。映像と写真がどんどんシームレスに繋がっていくと感じます。
最後に日を変えて、雲一つない良く晴れた日の一枚をご覧ください。観覧車の紅白が青空に眩しく映えています。よく見ると味のあるイラストが描かれているゴンドラがあったので、狙いを定めて撮りました。
世界最小・最軽量フルサイズ
撮影は軽やかでいて、写真はしっかり高画質。フルサイズ機なのにここまで小さいことに対する驚きと快適さは想像以上でした。キットレンズとの相性が抜群によく、サイズ感を理由にフルサイズを敬遠していた方にまさにおすすめの一台でしょう。これまでフルサイズ機を使ってきた方も、当機ならその軽快さからシャッターチャンスが増え作品の幅が広がるかもしれません。 大きさのインプレッションについては冒頭で述べましたが、一方ボディの重さに関しては筆者は思いのほかぎっしり詰まっている印象を受けました。しかしながら面白いことに、逆に軽いと感じた方もいたのです。その割合は半々くらい。重いと感じるか、軽いと感じるか。実際に手に取って確かめていただきたいです。どこへでも連れて行きたくなる軽やかなフルサイズ機。おすすめです。
Photo by MAP CAMERA Staff