SIGMAレンズの中でも「剃刀」の様にピントのキレが良いと言われる本レンズ。今回撮影に出ましたが、なるほど噂に違わぬ良いレンズという印象です。
通常マクロレンズで一般的な100mm前後の焦点距離とは、少し異なる70mmという距離感。30mm程度の違いでも、若干広角に寄った本レンズは使い勝手のよいもので、日常スナップでも様々な使い方のあるレンズとして仕上がっています。
上の写真では最短近くまで寄っての撮影ですが、拡大していくと雪の結晶が1粒1粒凍りつき、輝いているのが確認できます。理科実験の様でもありますが、開放の明るさも手伝っての手持ち撮影。25%にデータを縮小してもこの解像感とは、剃刀マクロ、さすがです。
中・長距離での撮影も、この画質。金属、ガラス。鋭いながらもしっかりトーンの整った美しい画です。
逆光にも、かなり強いレンズです。大きく太陽を入れても影響はこの程度。少し絞り込んでいるのでボケに形が出ていますが、全体的に破綻も無く、安定した性能を発揮してくれるのは心強い。葉の緑も柔らかく、シャープでも神経質ではない描写は嬉しい限りです。
漆喰の壁の刷毛目まで、しっかりと描き出しています。金属は金属らしく、漆喰は漆喰らしく、当たり前ですが、なんなく描き出しているところがこのレンズの性能の高さなのでしょう。
マクロレンズの醍醐味は、ボケの中にピント面がしっかり際立ってくるか、どうか。開放域でもしっかりキレのある本レンズ、中距離から狙えば被写体がグッと引き立ち、とても面白い表現が可能です。
さすが、剃刀マクロの名はだてではありません。解像力は非常に高く、ボケと併せて日常的にも十分活躍してくれるレンズです。極端なデフォルメの無いこうした焦点距離だからこそ、活躍してくれる場は多いもの。 マクロレンズとしてだけでなく、使い勝手の良い中望遠レンズとしてこの1本、オススメです。
Photo by MAP CAMERA Staff