『コンパクトデジタルカメラのズームレンズは暗い』、一昔前まではこんな事が言われていましたが、ついにF1.4の超大口径ズームレンズを搭載するコンパクトデジタルカメラが発売されました。最大口径がF2というだけでも驚きでしたが、まさかのF1.4。画角も広角で35mm判換算24mm~90mmと申し分無く、望遠端でもF2.3。ズームしてどんどん暗くなってしまう事も無く、このF値は大いに魅力を感じます。それでは肝心の写りはどうか。
大口径だからといって抜かりの無い設計なのでしょう、全体に解像感のあるキレを感じさせる描写で、この写りであれば全く不満はないものです。
開放で、夏の日差しの真逆光での撮影。レンズにとっても非常に厳しい条件ですが、Panasonicの誇る『ナノサーフェスコーティング』のおかげでしょうか。全面にわたってコントラストを保ちつつ、木々の葉の細かい部分まで実にしっかり描写しています。どこにも持っていくコンパクトデジカメには、いつどこでも安定した描写を期待したい所。こんな悪条件でも耐えてくれるのなら、どんなシチュエーションでも安心して任せられる気がします。
大口径も魅力的ですが、撮影していて実に使いやすい操作系でまとまっているというのも本機の大きな魅力です。下の写真にある様に、レンズ回りにF値やアスペクト比、AF設定等が配置されており撮影時にも実に分かりやすく、いちいち液晶を確認せずに撮影に集中できる仕様です。
『DC Vario-Summilux』の銘が誇らしく輝きます。コンパクトであればあるほど操作性というのはネックになってくるものですが、レンズ回りに集中して配する事で撮影していてもストレス無く操作が出来ました。特に大口径のレンズを搭載している本機、絞り優先撮影でのボケの調整にもとても便利な操作系です。
望遠域での撮影には手ぶれ補正がしっかり効いてくれます。開放の明るさと手ぶれ補正の相乗効果で、特にブレやすいコンパクトデジタルカメラでの望遠撮影もよりしやすくなっています。望遠端でも開放F値が明るいおかげで、木立の立体感もしっかり感じさせてくれますね。
こんな被写体も、35mm判換算24mmの広角端であればダイナミックに描く事が可能です。広角域では画角の数ミリの違いで画面の迫力が大きく違ってくるもの、画面全域にわたって解像力も有り、レンズ性能はこのサイズと明るさにして実に優秀なものでしょう!
突出したスペックを持ちながら使いやすい、どんなシチュエーションでも頼れる1台となりそうです。
Photo by MAP CAMERA Staff