オリンパス「PEN Lite E-PL5」は、パッとみたときに上位機種である「E-P3」と思えるような外観となった。前機種である「E-PL3」が面で構成されたフラットなデザインで、シンプルさ故にカラーイメージが強い印象となっていたが、本機は前面にカメラグリップを採用することで、クラシカルでちょっと無骨な印象となった。また上部がほんの少しだけなで肩となり、デザインはE-P3のコンセプトを受け継いだように思える。
とはいえ、操作系のデザインや基本操作は変わらないので前機種を長く使っている人でも操作に迷うことはないだろう。この変わらない操作系に新たな要素として加わったのが、背面液晶のタッチパネル化だ。こちらも上位機種であるE-P3譲りの機能となっており、タッチ操作によるタッチシャッターやAFポイントをタッチ操作で直接指定できるなど直感的な操作が可能となっている。
センサーは、高感度ISO25600に対応したOM-Dにも搭載されている「16M Live Mosセンサー」にパワーアップされた。最大解像度4608 × 3456ドットの有効画素数1605万画素の新センサー搭載により前機種よりも高精細、且つ高感度にも強くなった点がトピックとなる。
これらのタッチパネルオペレーションと新センサーを活かすデバイスとして役立つのが「チルト可動式モニター」だ。ウエストレベルやローポジション、ハイポジションと自由に構図を決めることができる。「カメラ目線」じゃないと見えない世界があり、それを撮影するにはこのチルト可動式モニターの存在は大きい。
このチルト可動式モニターも新しくなり、可動範囲が広くなり、見下ろす/見上げる意外の撮影ポジション以外に、自分撮りが可能な上方向に約170度まで可動するようになった。睫検出などオリンパスならではのきめの細かいAF機能によって、旅先での自分撮りなども高画質で楽しめるようになった。
オリンパスもカメラと言えばアートフィルターと言っていいほど、アートフィルターはカメラ選びの際に欠かせない機能の一つになった。個性的なアートフィルターは、色合いや効果の微調整やフレーム効果が楽しめるアートエフェクトなどシーンに合わせて、或いは撮影者の意図を明確にできるカスタマイズができる。
充実したアートフィルター機能だが、E-PL5はさらに「ウォーターカラー」を追加した。水彩画のようなソフトタッチのイラスト風に仕上がるこのフィルターは、挿し絵的な暖かい雰囲気を演出できるので、子育てやファミリージャンルのブログなどもで有効的に使えるのではないだろうか。
E-PL5は、E-P3とOM-Dの美味しいところを独り占めしたような、本当に「オイシイ」カメラだ。操作は簡単なので、コンパクトカメラからのステップアップにもお勧めしたい。
Photo by MAP CAMERA Staff