OLYMPUSから電子ファインダースタイルのOM-Dシリーズの3代目「E-M10」が登場しました。
大きくて見やすい電子ビューファインダーの他、先代の「E-M5」「E-M1」から受け継いだ数々の先進機能がさらにコンパクトになったボディに凝縮された魅力的なモデルです。
早速撮影に出掛けようにも生憎の空模様。一瞬、外出を躊躇いましたが小型軽量なカメラが負担を軽減してくれると信じて出発です。
最初の1枚は雪が降る中での寒桜。より白さを演出しようとストロボを発光しました。
今までのOM-Dシリーズではフラッシュが外付けだったため、装着の煩わしさがありましたが、E-M10 にはポップアップストロボが搭載されているので、傘を持ちながらでもスムーズにストロボ撮影に移行できてとても便利です。
グレーの雪雲と白い雪とのコントラスト差の少ない難しいシーンですが、枝に重なる雪のディテールや質感、そしてなにより撮影時の寒い空気感がしっかり捉えられています。
小さな雪だるまがベンチの上とその背景にもう1つ。
画の大半が白い被写体ですが、最新のデジタルらしいコントラストの高い高精細な描写で、雪粒の細かな質感まで感じ取る事ができます。
直感的な操作が可能なタッチAFシャッターはピント合わせに苦労する細かな被写体でもピンポイントにAFを誘導できます。
もちろんファインダーを覗きながらポイントを操作する事も可能ですが、81点からなる細かいAFポイントを選択する事を考えれば、瞬時に選択できるのは大きな魅力です。
さらにタッチ操作時の不安定なホールディングをもしっかりサポートする優れた手振補正機能と高感度耐性を確認することができました。
室内では外気との差でレンズが曇り、まるでアートフィルターを使ったかの様な少し幻想的な描写になりました。
今回は使用しませんでしたが12種類のアートフィルターと8種類のアートエフェクトを有するE-M10なら、どんな条件下でも自由に雰囲気を変えることができる楽しみがあります。
キットレンズとして新たに登場した「M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ」も優秀です。
いろんなものが反射するガラスの被写体でもコントラスト高く細部までしっかり捉えています。
さらに驚くのがそのコンパクトなサイズです。薄さ約23mmは動画にも最適な3倍電動ズームながら、従来の標準ズームレンズの半分以下のサイズで小型軽量のE-M10にはピッタリです。
3枚の非球面レンズを用いた最新レンズは、周辺までシャープな描写です。
高精細な1605万画素のカメラの性能を存分に引き出してくれのはもちろん、ボケも綺麗で奥行感もしっかり表現してくれます。
葉の葉脈や、雛人形の着物の装飾など細かい箇所までしっかり捉えた見事な解像力です。
他社からもクラシックスタイルのミラーレス一眼が次々と発売されるなかで、小型軽量というミラーレス機本来の特徴の部分で他の追随を許さない見事な凝縮ぶりに、フィルム時代から小型軽量に拘ったオリンパスの伝統を感じました。
レンズ装着時でも薄さ約64mmというサイズは、タオルに包んでも鞄の中に容易に収まるので、一眼カメラという気構え無しに持ち出せます。
最近ではスマートフォンからのステップアップ用にハイスペックのコンパクトデジカメが注目されていますが、E-M10はそういったユーザーの方にもおすすめです。
スタイリッユで質感の良い金属ボディが、フォトライフをより楽しくしてくれることでしょう。
Photo by MAP CAMERA Staff