Panasonicから新たに登場した『Panasonic (パナソニック) LUMIX DMC-TX1』。大型な1.0型センサーとライカカメラ社の品質基準に基づき生産されたLEICA DC VARIO-ELMARITレンズは、25mm-250mm(35mm判換算)をカバーできる光学10倍の高倍率ズームレンズを搭載。他にもフォーカスセレクトや4K PHOTO、4K動画機能も搭載したハイエンドコンパクトカメラです。近年は各メーカーから大型センサーを採用した機種が多く発売されていますが、この『Panasonic (パナソニック) LUMIX DMC-TX1』のスペックを見ると同社のマイクロフォーサーズ上位機種『LUMIX DMC-GX8』にも負けない最新機能がたくさん積まれていることがわかります。ではその描写力はいかなるものなのか、早速カメラを携えて試写へ向かいました。
1/12800秒という超高速シャッターで噴水の水しぶきを撮った一枚。搭載されているメカニカルシャッターは1/2000秒までですが、電子シャッターを用いることで最大1/16000秒というスピードでシャッターを切ることができます。また、T(タイム)では最大約120秒にも設定できますので、一瞬の動きを捉えるだけでなく、月明かりでの長時間露光など幅広い撮影が可能になっています。
明暗差がかなりあるシーンでしたが生き生きとした緑葉の描写と細部までしっかりと描写してくれました。画のシャープさもなかなかのものです。 本機は大型の1.0型センサーを採用していることで、小型センサー機種では表現できないシャドウの階調表現の良さが伺える一枚となりました。
テレ端で道端の猫を。実はこの一枚は「4K PHOTO」を使用して切り出した一枚です。
大きく拡大すると本来の2000万画素のような精細さではないですが、画像サイズは830万画素相当ありますから写真として画像を見るだけでなく、通常のプリントサイズでしたら必要十分。猫の毛の一本一本も潰れることなく写し出しています。
海で使い込まれた網とロープ。画像を拡大して見るとほつれた糸の先までしっかり解像しています。1.0型とはいえ割と高倍率なレンズなので解像力に少し心配していたのですが、そこはさすがライカレンズです。改めて本機の描写力の高さを感じた一枚です。
窓から射し込む光だけが頼りの薄暗い室内。モノクロにした時のトーンも良いですね。この場所は人が一人入るだけで通り抜け出来ないくらい狭い一角なのですが、広角側が25mmあるのでしっかりと写真におさめることが出来ました。
「4K PHOTO」「フォーカスセレクト」「タッチAFフォーカス」、Panasonicが提唱したこれらの技術は「瞬間」を撮るという今までプロにしか撮れなかった写真世界への敷居を劇的に変えてくれました。コンパクトカメラとしては大型な1.0型センサーによる高画質化を実現しつつ、最新の技術を惜しみなく詰め込んだ「TX1」はさらに幅広い層へ「瞬間」を撮る楽しさを広げるカメラとなったと言えるでしょう。
【4K PHOTO】
焦点距離:9.1mm(換算25mm相当=4K PHOTO 37mm) 絞り:F3.5 / シャッタースピード:1/5000秒 / ISO:125 / 使用機材:Panasonic (パナソニック) LUMIX DMC-TX1
”あ”の瞬間を逃さない。
飛び立つカモメを「4K PHOTO」で撮り続けました。肉眼ではほぼ一瞬で飛び去ってしまうカモメの一挙一動もPanasonicの4K動画から約830万画素の写真を切り出す事が出来るので、どうにも動きを予測出来ないものから気に入ったカットを選ぶ事ができます。そのカット枚数は秒間30コマという超高速。比べる機種は違いますが連写枚数だけで言ったらフラッグシップ一眼レフの約2倍で高速連写が可能ということです。しかも250mm相当(4KPHOTOの場合370mm相当)の望遠域まで使えますので、機材の重さやサイズを気にすることなく日常の中にある決定的瞬間を撮影することができるはずです。また、「4K PHOTO」は3つの撮影パターンが選択できますので被写体や撮影スタイルに応じて選択すれば不意のシャッターチャンスを逃すことは少なくなるでしょう。
【4K動画より切り出し】
使用機材:Panasonic (パナソニック) LUMIX DMC-TX1
2枚目の写真は4K動画を撮った中から切り出した一枚です。動画から切り出した場合はEXIFデータが残らない、ややコントラストが弱い、といった点はありますが画質自体は4K PHOTOの切り出しとほぼ遜色はないといっていいでしょう。
テレ端開放はやや甘めになるかなと思いましたが期待以上によく解像してくれました。開放からテレ端まで使い勝手のいいレンズですね。少し暗所での望遠撮影だったのですが、パナソニック独自の手振れ補正である『POWER O.I.S.』のおかげでブレずに安定して撮影することができました。
かなりアンダーに露出を振りましたが、暗部からうっすらと浮かび上がる被写体の表現力に思わず唸りました。解像力、階調、色表現など作品撮影に使うにも申し分ない写りではないでしょうか。
影の描写が素晴らしく感じました。コンパクトカメラは割とコントラストが強めなイメージがあるのですが、TX1は良い意味でそんなことはありません。影は影として暗く写しながらもその中にある被写体をしっかりと写し出す描写力。その画にはカメラサイズ以上の奥深さを感じるはずです。
【Panasonic (パナソニック) LUMIX DMC-TX1で撮影した4K動画です】
「4K PHOTO」や「フォーカスセレクト」といった写真を楽しむ機能性に富むだけではなく、写真機としての画質の良さも追及した『Panasonic (パナソニック) LUMIX DMC-TX1』。動体撮影では「4K PHOTO」の使い易さは一度使ってしまうとクセになってしまうところがあって、とりあえずこれで撮っておけばいいんじゃないかと、ついつい甘えてしまいたくなるくらい楽チンです。いつでも持ち運べるサイズと高い描写性、動画を含む豊富な撮影機能は、普段の生活の中にある思い出を撮るカメラとして これほど適したカメラもそうそうないのではと思います。写真を撮るべき瞬間は過ぎてしまうと戻ることができないもの、是非この『Panasonic (パナソニック) LUMIX DMC-TX1』を使って大切な瞬間を残して欲しいと思いました。
Photo by MAP CAMERA Staff