今回ご紹介するのは、Eマウントレンズでは初となる300mmまでカバーする望遠レンズ『SONY FE 70-300mm F4.5-5.6 G OSS』です。
重量854gとなかなかずっしりくる重さですが、70-300mm、しかもここまで高解像なレンズであることを考えると、それも納得できる重さです。
AF/MF切り替えスイッチはもちろんのこと、フォーカスレンジリミッターや手ブレ補正スイッチ、フォーカスホールドボタン等、望遠での撮影を楽しむための様々な機能が側面のボタンで操作できるようになっているため、操作性は抜群。ズームリングもほどよい固さで、ズームロックスイッチがついてはいるものの、ロックをしなくても逆さまにした際に勝手にズームが繰り出されるようなことはありませんでした。
優れた静粛性に加えて高速・高性能AFも実現した本レンズですが、望遠レンズと言えば動物園でしょう!ということで、今回は動物園へと足を運んできました。望遠レンズだからこそ撮れる、動物たちの自然な姿をぜひご覧ください。
…動物たちを、と言いながらいきなり蝶の写真から始まります。すみません。
動物園の中に昆虫館があったので足を踏み入れてみたのですが、想像をはるかに超える様々な種類の蝶がお出迎えをしてくれました。
そんな中でも、葉っぱで一休みする蝶をピックアップ。F5.6ですが、さすが300mm!よくボケてくれますね。蝶の目の細かなディティールも、黒潰れすることなく表現してくれています。
蝶が葉っぱや花に留まっているのを見たことは幾度となくありますが、実際に撮影するのは初めてでした。こんな風に葉っぱに掴まっていたんですね。
空を見上げるサーバル。この日はとても天気が良く暑かったので、木陰に避難してきたのでしょうか。凛とした佇まいと、木漏れ日を受けてきらきら輝く瞳が美しいですね。
背景のボケが少々もやもやとしていますが、これは手前の金網が影響しているせいです。ボケに少し影響はするものの、望遠側で撮影をするとあんなに頑丈だった金網自体が消えてしまうことに驚きでした。遠くのものを切り取るだけではなく、余計な障害物を消してくれるのも、望遠レンズの良いところです。
丁度ゾウが水浴びをしているところに遭遇しました。鼻で器用に水を吸って、体にかけたり、そのまま水を飲んだり。とても気持ちよさそうでした。
勢いの良い写真にしたかったので、シャッタースピードは少し遅めに設定しています。
ライオンも木陰でまったり休憩中。300mmもあれば、ライオンバスで近くまで行く必要もありません。
Gレンズならではの美しいボケが嬉しいですね。ヌケの良いクリアな描写もさすがです。
ペリカンのあごの部分って、こんな風になってたのか…。と、撮影した後の写真を見てびっくり。実は動物園にここまでの望遠レンズを持っていくのは初めてだったので、今まで知ることが出来なかった動物たちの細かな部分に気付くことが出来てすごく楽しかったです。
ところでこのペリカンたち、折り重なったくちばしがハートの形みたいに見えませんか?つがいのペリカンなのでしょうか。仲睦まじいですね。
「寄れる望遠レンズ」の威力発揮です!最短撮影距離は90cm。最大撮影倍率0.31倍のテレマクロ撮影も行えてしまう優れものです。
片足で睡眠中のフラミンゴ。サーモンピンクが入り混じった羽毛の描写はお見事。美しいボケ味もさることながら、解像度の高さもピカイチです。
個人的に本日のベストショットです。親子か兄弟か何かでしょうか?あまりにも息がぴったりすぎて、あちこちからシャッターを切る音が聞こえました。
後ろから視線が…と思ったら、フクロウがじっとこちらを見つめていました。最近では猫カフェ、ウサギカフェ等に次いでフクロウカフェも流行っているようで、その話を聞いたときは少しびっくりしましたが、この独特の愛らしさはたまらないものがあります。
こんなに活動的にコアラが動いているのを見るのは初めてでした。丁度お食事タイムだったのでしょうか。もぐもぐとユーカリの葉を食べつつも、ばっちりカメラ目線は忘れません。うーん、サービス精神旺盛なコアラです。
望遠側での撮影ではありましたが、本レンズは手ブレ補正を搭載しているので1/50秒でもブレることなくしっかりと食事中のコアラを捉えてくれました。
ナノARコーティングが施されているので、このように強い西日を受けてもフレアやゴーストに悩まされることはありません。そびえ立つビル群に一筋の夕日が差し込む様はとても美しかったです。
『SONY(ソニー) FE 70-300mm F4.5-5.6 G OSS』いかがでしたでしょうか?
望遠レンズの試写ということで動物園に足を運びましたが、最後の写真のように遠くの建物を捉えても面白いですし、飛行機や車を撮りに行くのも面白いでしょう。解像度が高くどんなものも良く写るので、撮影をする喜びを十二分に感じられるレンズでした。
また、個人的な感想ではありますが、動物園で撮影をするにあたってどうしても気になるのが「檻」の存在。本当は奥の動物にピントを合わせたいのに、手前の檻や金網にピントが合ってしまった…。なんて事態を防いでくれるのが「フォーカスレンジリミッター」です。
その名の通り、スイッチを操作することによってピントの駆動範囲を制限(リミット)することができるという機能ですが、今回はこの機能に大変助けられました。余計なものに迷うことなく、スッと合わせたいものにピントが合ってくれるのは使用していてとても気持ちがよかったです。
Photo by MAP CAMERA Staff