2015年6月に『LUMIX DMC-G7』が発売されたことが記憶に新しいLUMIX Gシリーズですが、早くも後継機種が登場です。その名も『Panasonic LUMIX DMC-G8』。
G7をベースとして更なるパワーアップを見せる本機ですが、特に注目したいのが「ボディ内手ブレ補正(B.I.S.)が搭載された」という点です。しかもシャッター速度5段分というのですから、これはかなり嬉しいです。この点だけでもG7からの買い替えを検討される方が少なくはないでしょう。
また、ボディとレンズの手ブレ補正機能を組み合わせた「Dual I.S.2」も注目すべきポイント。ボディ側の5軸とレンズ側の2軸の手ブレ補正を連動させることにより、手ブレをより強力に補正してくれるという大変頼もしい機能です。(※2016年10月現在、「Dual I.S.2」対応レンズは『LUMIX G VARIO 14-140mm』と『LUMIX G VARIO 12-60mm』の2本です。)
今回はキットレンズであり「Dual I.S.2」対応レンズでもある『LUMIX G VARIO 12-60mm F3.5-5.6 ASPH. POWER O.I.S』と、換算800mmの焦点距離を誇る『LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.』を持って撮影に臨みました。
冒頭のリスの写真はシャッタースピードを気にしていたため少々感度が高くなってしまいましたが、ISO3200でここまで写るのならば御の字です。AFが高速かつ正確なので、テレ端での撮影でも被写体を逃すことなく捉えてくれました。
しかし、さすが800mmですね…。木の上のリスもご覧のとおりの大迫力。超望遠の世界をより身近に楽しむことができるのは、フォーサーズ規格の醍醐味です。
G7の外装はプラスチックでしたが、G8はフロントカバーがマグネシウム合金になり、より堅牢性が増しました。
また、G8はシーリング構造のため防塵防滴仕様!これにより重量が100gほど増えましたが、握りやすいグリップのおかげで重さの違いはほとんど感じませんでした。
キットレンズである『LUMIX G VARIO 12-60mm F3.5-5.6 ASPH. POWER O.I.S』は換算すると24-120mmと、大変便利な標準ズームであることがわかります。また、最大撮影倍率0.54倍のマクロ撮影も行えるので、幅広い撮影シーンで活躍すること間違いなし!ご覧いただくとわかるように、テレ側ではとても綺麗にぼけてくれます。キットレンズと言えども侮れません。
おしくらまんじゅう状態のモルモット。隙間なくぴったりと寄り添っている光景がとても可愛くて、思わずシャッターを切ってしまいました。
G8は新開発の電磁駆動方式メカニカルシャッターが搭載されていますが、これによりシャッター音の静音性が向上。G7と比べてシャッター衝撃がなんと1/10にまで軽減されたというのだから驚きです。
もうすぐハロウィン。街は既にハロウィン色に染まりつつあります。
G8はローパスレスなので、細かい所までピシッと解像してくれます。フェルトの生地の質感もしっかり写し出してくれていますね。
G7に引き続き、G8もタッチパネルです。左右に180度、上下に270度回転するフリーアングルモニターと組み合わせると、撮影の幅がぐっと広がります。タッチしたところにピントが合うという直感的な操作を可能としてくれるタッチパネル。慣れてみるともう元には戻れません…。特にプレビュー画面での画像確認の際はかなり便利です。
檻越しなので手前にすこし黒い影ができてしまいましたが、煩わしい檻も望遠レンズの手にかかればある程度消すことが可能です。
きらきらと輝く水面を、まるで額縁のように紅葉が縁取ってくれました。
先ほども触れましたが、G7とは異なり、G8は防塵防滴仕様となっています。ローパスレス、防塵防滴、高速AFに優れた連写性能と、まさに「フィールド一眼」と謳うにふさわしいスペックですね。
G8には「フォーカスブラケット」や「絞りブラケット」等、ユニークな機能が多数搭載されています。どちらも言葉通りの意味で、お気に入りのボケ味やフォーカスの位置を後から選ぶことが出来る機能です。あらゆるシャッターチャンスを逃さないその機能面の充実ぶりに、パナソニックの本気を感じました。
筆者はいつも撮影の際に手ブレで失敗してしまうことが多いのですが、静止画撮影時はもちろん、動画撮影でもこんなに手ブレを抑えることが出来るのか!と感動してしまいました。これはぜひ全国のお父さんお母さんにおすすめしたいカメラです。少し時期が過ぎてしまいましたが、運動会の撮影や動き回るお子さんの撮影等で活躍すること間違いなしです!
最後のショットは「クリエイティブコントロール」を「ローキー」にして撮影した一枚。 周りの建物がシルエットのようになり、美しい夕焼けがよりいっそう際立ちます。
秋の空はくるくると表情を変えるので見ていて飽きません。そして、撮影をする手がとまりません…。秋は撮影をするのにはぴったりの季節ですね。
さて、ここで「4Kフォト」のご紹介です。 最近よく耳にする「4Kフォト」ですが、実際にどのような撮影をすることができるのでしょうか?
ということで、実際に試してみました!『Panasonic LUMIX DMC-G8』で選ぶことのできる4Kフォトは全部で3つ!
●ベストな瞬間をとらえる4K連写(スポーツ撮影、飛行機の撮影等におすすめ)
●決定的な瞬間をとらえる4K連写(S/S)(植物、動物、子ども等の撮影におすすめ)
●タイミングがぴったりの写真を作る4Kプリ連写(ボールを投げる瞬間等の撮影におすすめ)
今回は動物の撮影がメインだったので、2番目の「4K連写(S/S)」を使用して撮影に臨みました。
まず、ドライブモードダイヤルを上の写真のように「4K」の位置に合わせます。 そして必要に応じてメニューから4Kフォトの撮影方法をセレクト。今回は「4K連写(S/S)」に設定をしました。
「4K連写(S/S)」の場合、シャッターボタンを全押ししてからもう一度全押しするまでの間、ずっと4Kフォトを撮り続けます。なので、動物や自然現象等、先の読めない被写体に対して非常に効果的な撮影を行うことが出来るというわけです。
撮影した写真は上の画像のようにタッチパネルで簡単にセレクトを行うことが出来ます。
実際に使用をしてみて感じたことは、当たり前ですが「長い間撮影をしているとセレクトも大変!」ということ。そんな時は撮影中に「ここを残したい」と思ったところで「Fn2」ボタンを押してください。そうすることでマーカーを付けることができ、後のセレクト作業がとても楽になります。
そして、実際に撮影した写真がこちら。蝶が飛ぶ直前・飛んだ瞬間・飛んだ後を1枚ずつセレクトして書き出しました。
こちらはリスの食事風景。リスが食べ物を食べているところや持っているところはよく見かけますが、食べようと口を開いている瞬間ってなかなか見ないですよね。4Kフォトだからこそ撮れるワンシーンです。
その他にも、素早く移動して小屋を覗くリス、サルの食事風景、首をかしげるオシドリ等、普段だったら逃してしまいそうなシーンを多数写真に残すことが出来ました。4Kフォト、楽しいです!!
『Panasonic LUMIX DMC-G8』いかがでしたでしょうか。
「一眼カメラ」としての土台をしっかりと持ちながらも、ユーザーの「こんな機能があればいいのに!」をぎゅっと詰め込んだ、1台で何通りの楽しみ方も出来るとても楽しいカメラでした。
そして、何度も言うようですがAFの速度と正確さは本当に素晴らしいです。操作も直感的で決して難しくないので、静止画のみならずぜひ動画や4Kフォトも楽しんでいただきたい1台です。
Photo by MAP CAMERA Staff
|