1.0インチセンサーの採用で、ワンランク上の高画質が楽しめるコンパクトデジタルカメラ「Canon PowerShot G7X Mark II」を紹介いたします。
本機の特徴は何と言ってもコンパクトなボディながらに、最新一眼レフカメラと同じ「映像エンジンDIGIC 7」を搭載しているということ。映像エンジンは、高画質化と多機能を司るデジタルカメラの頭脳と呼ばれる部分。最新エンジンの搭載によってコンパクトなカメラはどこまで進化したのか?さっそく写真をご覧いただきましょう。
撮影に出掛けたのは3月上旬。私の地元では町中で雛飾りが楽しめます。吊るし雛越しの雛飾り。近接撮影でもAFが素早く合焦するのはさすがです。AFポイントを移動させる際も、液晶モニターをタッチするだけ。こんなに簡単で良いのか?と思えるくらいの簡単操作で手軽に撮影が楽しめます。
市の広場として生まれ変わった木造の民家には、歴史ある雛壇が多数並んでいます。8畳+6畳のスペースを一杯に捉えるには、24mm相当の広角撮影が重宝しました。一般的なコンパクトカメラでは広角端が28mm前後のものが多く、狭いスペースではこのもう一歩下がった感じのワイドさがとても重要です。
周辺までクリア画像はワイド感を十分に堪能させてくれます。雛壇の鮮やかさも綺麗に再現しており、画像の美しさが際立ちます。
全てのレンズにガラス素材を用い、EFレンズと同じスーパースペクトラコーティングを施すなど、レンズ部分にもワンランク上のこだわりを感じます。
さらにEFレンズで定評のある光学手ブレ補正のIS機能に、画像情報からブレ量を判断、除去する新処理を加えることで、4段分の補正効果を実現。暗い室内でも手ブレを気にせず撮影が楽しめます。
映像エンジンが「DIGIC 7」に進化したことによって、高感度時の解像感が向上したのも見逃せません。ISO 1600での撮影では、DIGIC 6搭載機と比較してISO800と同等レベルとのこと。周辺部に少しのザラつきを感じますが、装飾や縄目など細かい部分をしっかり解像しているのが分かります。
普段はフルサイズの一眼カメラを愛用する筆者にとって、小さなセンサーでの高感度ノイズが一番の気がかりでしたが、十分な解像感を確認することができました。
外に出ると梅の花が満開。約100mm相当の望遠ズームで頭上の花をグッと引き寄せることができました。
広角端なら5cm、望遠端でも40cmの近接撮影が可能で花の質感を上手に捉えるほか、大きなボケ味を楽しむこともできます。簡単操作で綺麗な写真が撮れるコンパクトカメラですが、一眼カメラと同様の細かな設定で作品に工夫を入れられるのも本機の大きな魅力です。
便利なチルト液晶によりアングルも自由自在。サッと出してすぐに撮れるコンパクトなカメラは、突然遭遇した猫にも逃げる隙を与えません。威圧感を感じないのか、逆に興味を持ったかのような視線を向けてくれました。
強い日差しの下、重宝したのが右手親指の位置にある露出補正ダイヤル。モードダイヤルと2段に配置されているものの、幅が広いので操作しやすく黒つぶれや、白トビを瞬時に回避することができます。
約8コマ/秒の高速連写機能は、動く被写体も逃さず捉えてくれます。RAWデータの記録時でも速度が変わらないのも大きな魅力。高速処理の新しい映像エンジンは至る所で威力を発揮しています。
冒頭の色鮮やかな雛壇から、落ち着いた印象の静かなヨットハーバーまで、シーンに応じた絶妙な色再現を楽しむことができます。
小さなボディに搭載された多彩な機能。スペック以上に驚くのは画質の精細さです。夕暮れ時の薄明かりでも、遠景まで細かく描いているのがよく分かります。ぜひ画像をクリックして拡大してご覧ください。台場の石垣はもちろん、対岸の東京タワーまでビックリするほどの解像力です。
フレア等の発生もなく沈む夕日も綺麗に捉えました。雲のグラデーション、海を渡る光の筋も綺麗です。
久しぶりのコンパクトカメラでの撮影。正直ここまで進化していたとは想像もしませんでした。多彩な機能に高画質。大きな機材を持ち出すのが嫌になってしまう恐ろしいモデルです。
キヤノンユーザーの方には嬉しいEOSシリーズと統一されたメニュー操作など一眼レフのサブ機としてもオススメです。いやいや、この便利さ体験してしまったらこちらがメイン機になってしまうかもしれませんよ。
Photo by MAP CAMERA Staff
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