SONYE 70-350mm F4.5-6.3 G OSS
『SONY E 70-350mm F4.5-6.3 G OSS』は、350mmまで伸ばせるAPS-C超望遠ズームレンズです。350mmといえば、35mm換算で525mm。離れたところにある被写体はもちろん、撮る人の感性を活かし世界を印象的に切り取ることもできます。Gレンズの名に恥じない高精細とボケ味の美しさを持ち、それでいてコンパクトサイズで携帯性に優れるので、各シーンで活躍してくれるでしょう。そんな当レンズを持ち、いろいろな場所に行ってきました。
まずは動物園のレッサーパンダの前でしばらく撮影。レッサーパンダはじっとしていることはあまりなく、常に歩き回っています。当レンズに合わせて持って行ったボディは動物瞳AFが搭載されており、これが非常に役に立ちました。超望遠域を使って、ポートレート風に撮ってみました。テレ側の開放値がF6.3ということで、背景のボケは期待できないのではと想像する方もいらっしゃるかもしれませんが、こんなにボカすことができるのです。
続いてクロツラヘラサギの展示場へ。ここは巨大な鳥かごに人間が入って見学する形式なので、比較的近くで観察することができます。とはいっても、人が近づくと鳥は逃げてしまいますから、望遠レンズが役に立ちます。仲良しの2羽がくちばしで互いにグルーミングし合っている自然な姿を写真に収めることができました。Gレンズがくちばしの質感を表現してくれています。
透明のアクリル板越しのコツメカワウソです。写真ではのんびり休んでいるように見えるかもしれませんが、コツメカワウソもレッサーパンダ同様、終始ちょこまかと動いており、ここでも動物瞳AFが役に立ちました。一度使うと快適で、もう動物瞳AFなしには戻れません。コツメカワウソのコツメは、指趾にある小さな爪のことです。Gレンズのシャープな描写が、その小さな爪までも精細に捉えています。
テレ端350mm(35mm換算525mm)で撮影した、ド迫力のコンゴウインコのアップです。ぜひ拡大してご覧ください。極色彩の羽根が見事に解像されています。特に注目してほしいのは、まつ毛ではなくツブが瞳をぐるっと囲んでいるところ。こんな風になっているなんて知りませんでした。525mmならではの表現です。
黄葉した葉に光が当たり、まるで自ら光を放っているかのよう。背景に他の葉をボカして、一面黄金色に染めました。
かわいらしいビートルがとまっていました。フロントフッドメダリオンや、アンテナボール、錆びたルーフキャリアがまた味があります。日陰を意識して少しアンダーに寄せた露出で撮影したのですが、ハッとするような立体感のある描写です。
超望遠といえば、飛行機撮影も試してみたくなります。空港に行くとカラフルな飛行機が駐機していました。後方から撮影すると、尾翼近くに描かれている飛行機のかわいらしい絵がよく見えます。飛行機に飛行機柄の塗装がされているのを私は初めて見た気がするのですが、珍しいのではないでしょうか。
東京スカイツリーを背景に、テレ端で撮りました。飛行機撮影にもピッタリの長さのレンズだなと改めて思います。
超望遠の世界を手軽に楽しめる
超望遠のレンズは重く、担いで歩くのも一苦労なのが当然だと諦めていました。しかし、当レンズはわずか625グラム。レンズの取り扱いに億劫になることなく、気軽に超望遠の世界を楽しむことができます。しかもシャープさと美しいボケを兼ね備えたGレンズなのです。正直、こんなに楽できるのかと驚いています。70mmからの5倍ズームというのも使いやすいと思いました。ピンときた被写体を切り取るのに適しています。超望遠ならではの撮影からスナップまで、さまざまなシーンで器用に活躍してくれるレンズです。
Photo by MAP CAMERA Staff