897: 日常も非日常も『SIGMA Contemporary 10-18mm F2.8 DC DN L-Mount』
2023年10月26日
10月26日に発売された世界最小最軽量のAPS-C用超広角ズーム『SIGMA Contemporary 10-18mm F2.8 DC DN』をご紹介いたします。開放絞りの明るさは全域でF2.8、約260gの軽さとコンパクトさで35mm判換算15-27mmをカバーしています。その小型化へのこだわりはフードにも。従来の回して着けるバヨネット式とは異なり、プッシュオン式花形フードを新開発するなど、快適性を徹底的に追及した一本になっています。今回高画素機『fp L』に装着してクロップで撮影してきました。付けてみるとレンズとボディのバランスがまさに理想的。超広角ながら軽快なスナップ撮影が出来そうで期待に胸が高鳴ります。ぜひその描写をご覧ください。
同時掲載のYoutube動画は「フジフイルムX用マウント」となります。
広角端、開放絞りで撮影。超広角を持ったら撮りたくなるのはやはり室内。一枚目からド迫力のある画が撮れてついつい興奮です。15mmの焦点距離と奇跡的にマッチしてほぼ均等に切り取ることが出来ました。超広角らしい迫力のある画にくわえ、周辺まで歪みのない写りに驚かされました。
小窓から入ってくる光を頼りに撮影。カラーモード「シネマ」で厳かな雰囲気をさらに演出しました。テレ端開放絞りでもシャープな写りです。
均一な光があれば周辺の減光もなく全体的にスッキリと写ります。何本も線がありますがどれも歪むことなくキレイな直線を描いています。
広角端でも被写体を前面に配置することでメインの被写体が気持ちよく浮かび上がります。花の色も鮮やかで瑞々しい写りです。
超広角で寄って仰ぎながら撮影すれば、ちょっとした曲線も印象的に写ります。周辺一帯の樹々を取り込んで迫力のあるカットが撮れました。
テレ端開放で落ち葉を撮影。画面中央の落ち葉の立体感に驚きました。画面端の緑の落ち葉の葉脈もしっかりと浮かび上がって見えます。夕刻に近い時間帯でしたが周辺の光量落ちもあまり目立ちません。
逆光性能も非常に優秀です。さきほど前面に置けば、と言いましたが中間に被写体を置いても立体感のある描写が可能です。前ボケと後ろボケでしっかりと被写体を引き立ててくれました。
「ウォームゴールド」で秋の空を強調します。この横への広がりがあるからこそ撮りたくなる景色があります。超広角でなければ気付けなかった日常の中にあった世界。すっかり涼しくなってきた秋風を受けながら気持ちまで豊かになってきます。
カラーモード「シネマ」で撮ると一見殺風景な景色も、何かストーリーを感じさせる一枚に。画の中央で線が結ばれて三角屋根のような形が出来上がっています。肉眼では意識しなかった線や形が見えてくるのは超広角の醍醐味の一つです。
日常も非日常も
超広角で明るい、しかもズームレンズ。広い画角を万能的に撮れるうえに小型軽量。でも実は今回何より驚いたのはここまでコンパクトさを追求したレンズでありながら描写も非常に優れていたことです。「この存在は、期待以上に頼もしい」というキャッチコピーはおそらく誰にとっても共感が出来るものでしょう。超広角にチャレンジしてみたかった方にも広角域まで使えるこのレンズはとてもおススメです。単体で気軽にスナップとして用いるのはもちろん、メイン+の選択肢にするにもとても理想的なレンズだと思いました。日常も非日常もこの一本のレンズの中に。普段使いの感覚でダイナミックな表現と広大な景色が撮れる『Contemporary 10-18mm F2.8 DC DN』をぜひ。
Photo by MAP CAMERA Staff