手軽に望遠ズーム撮影を楽しみたい方のために、キヤノンから『RF100-400mm F5.6-8 IS USM』が発売されました。400mmまでをカバーするレンズにして重さは635gしかなく、これは持ってみると思わず「軽い!」と声が出てしまうほど。ミラーレス一眼カメラはデジタル一眼レフカメラに比べてボディ自体も軽いので、カメラとレンズの総重量は1kg以上差が出ることもあります。小型・軽量から得られる機動性、そしてIS効果がたっぷり5.5段分あることから、シャッターチャンスは自然と増えていくことでしょう。そんな当レンズを『EOS R6』と組み合わせて撮影してきました。その写りをぜひご覧ください。
雨上がりにバラを撮影しました。大きく開いた一輪の周りをまだ咲ききっていない花が囲んでおり、まるで女王様とそのとりまきといった風情で目を引きました。雫がつくと花びらのシワが虫メガネのように拡大され、アクセントになり美しいです。
通りかかった美術館にゴシックな雰囲気の柵がついており、雨上がりの雲とマッチすると感じて一緒に撮りました。雲の上は晴れているのが透けて見えて、希望を感じるような一枚になりました。
歩道に植えられた黄色い花。奥の花を背景に圧縮して撮影しました。ピントを合わせたのは蕾。今まさにほころびかけており、黄色い花びらがほんの少しのぞいています。よく見ると緑のがくの部分に周囲の花の影が写り込んでいます。精細な解像感に驚きました。
このレンズで野鳥を撮ってみたくなり、野鳥がよく現れるという水場へ向かいました。常連のカメラマンさんへの挨拶もそこそこに、すぐに小鳥がやって来ます。名前はエゾビタキだと教えてもらいました。愛らしい見た目からその常連さんのお気に入りで「会えるのはラッキー」とのこと。始発で行って山を登った甲斐がありました。
こちらのヤマガラは一年中姿を見ることができる「いつものメンバー」なのだそうです。一羽でやって来てゆったりと水浴びをし去っていきました。当レンズは400mmのときにF8になり、それがどのような感じか気になる方もいるかと思います。この日は雨が降ったり止んだりで決して明るくはありませんでしたが、綺麗にヤマガラを撮ることができました。
身軽に、超望遠の世界を。
400mmは超望遠と呼ばれる域ですが、こんなにも身軽に使えるものなのかと驚きました。まずはその軽さです。今回も野鳥の撮影のために山へ行きましたが、機材の重さは気になりませんでした。それもそのはず、カメラとレンズ合わせて1315gしかありません。望遠の特性を活かした望遠マクロ撮影や、風景の圧縮効果も得意とし、そして何よりリアリティのある描写が魅力です。いままで重い思いをしてきた方、そして気後れして手を出しそびれていた方にこそ使ってほしい一本です。
Photo by MAP CAMERA Staff