
シグマが提案する「”プレミアムコンパクトプライム”Iシリーズ」のラインナップに焦点距離24mmと90mmのレンズが追加されました。マウントは「ソニーEマウント」と「ライカLマウント」の2つが発売され、フルサイズ対応となっています。当記事では『SIGMA Contemporary 90mm F2.8 DG DN L-Mount』で撮った写真をご紹介します。あらゆる場面で楽しめる常用レンズで、妥協のない描写性能を併せ持ちます。中望遠レンズでありながら最短撮影距離が50cmと短いのもポイント。テーブルフォトや花などの近接撮影でもその威力を発揮しそうです。それではご覧ください。
なんとも素敵なステンドグラスです。こちらは歴史が大変古く、明治10年に前身となる博物館ができ、それが関東大震災で全焼したため昭和6年に現在の建物が立ちました。このステンドグラスが建物と同い年かはわかりませんが、できてからかなりの年月が経っていることは間違いないでしょう。ステンドグラスは建物の天井近くの四方向にあり、その中のひとつが夕陽を受け美しく輝いていました。
公園にたくさんの銀杏とイチョウの葉が落ちていました。私がかつて通った大学にもイチョウ並木があり、この季節になると銀杏が落ちて独特の香りを放っていました。物好きな学生はそれを拾って家で食べていたようです。得も言われぬ銀杏の香りを嗅ぐと学生時代を思い出します。
屋上ガーデンでハーブが風に揺れていました。初心者の頃、こういう場合は手前の葉にピントを合わせるよう習いました。しかし今はあえて少し奥にピントを合わせることが増えてきたように思います。その方が描写がスッキリしすぎなくてよいと感じるのです。写真の撮り方はその時々で変わるもの。自らの変化も楽しんでこその写真です。
妖しい光を放つアンティークのランプシェードを切り取りました。おしゃれなものは時が経っても素敵なものです。むしろかえって味がプラスされていくとすら感じます。それを最短撮影距離で寄れるところまで寄って撮りました。
雲の切れ間から「天使の梯子」が出ていました。気象用語では「薄明光線」と言います。実際は消えたりうっすら出たりという感じだったのですが、一番クッキリする一瞬を狙って撮りました。よく見ると下にある建物にまだらに光が当たっているのがわかるかと思います。
行ったことのある美術館を上空から眺めます。近くや中から見ても面白い形をしていると思っていましたが、こうして客観的に見てみると曲線がなんとも美しく、よくこのようなデザインができるものだと感心してしまいます。
曲がりくねるネオン管が文字を描いていました。離れて見れば何と書かれているのかわかるのですが、今回はあえてネオン管自体を撮ってみました。マイナス補正して白飛びを防ぎ、ネオン管のおもしろいフォルムをじっくり見つめます。
最後は高層ビルの麓から撮影した東京タワーと月です。ビルの展望室からも東京タワーを撮影していたのですが、外に出たところちょうど一瞬月が顔を覗かせたので急いで撮りました。3枚ほど写すとすぐに雲に隠れてしまい、それからは待っても姿を現してくれませんでした。長時間露光なので雲が綺麗に流れており、また東京タワーのひとつひとつの光からは光芒がでているので、ぜひクリックでアップにしてご覧ください。
90mmのトキメキを。
90mmって愉しい。そう思わせてくれるレンズでした。それを知るのに90mmのレンズなら何でもいいのではないかと勘違いされてしまいそうですが、そうではないのです。まず思いのままに写せなくては「愉しい」という境地に至りません。走り回る子どもが段を下りる瞬間や、月が雲から顔を出した一瞬。常にこのレンズを携えていて、そんな瞬間的なトキメキを思い通りに綺麗に切り取れることが必要です。常に携えるには小型・軽量でなければなりませんし、描写もよくなければなりません。今回はfpとの相性の良さも相まってそれが遺憾なく発揮されたと感じました。常に一緒に、常にトキメキを残して。ぜひお試しください。
Photo by MAP CAMERA Staff