
今回のKasyapaでは、キヤノンの小型・軽量フルサイズミラーレス『 Canon EOS R8 Mark II 』をご紹介します。前モデル「EOS R8」の軽快なコンセプトを受け継ぎながら、新たに5軸ボディー内手ブレ補正を搭載。さらにAF性能や操作性、作画機能まで幅広くブラッシュアップされました。有効約2420万画素のフルサイズCMOSセンサーと映像エンジンDIGIC X、電子シャッター時最高約40コマ/秒という基本性能を継承しつつ、質量はバッテリー・カード込みで約546g。機能を大きく充実させながら、フルサイズ機としての軽快さを維持しています。また『 Canon EOS R8 Mark II 』では背面にマルチコントローラーを搭載。ファインダーを覗いたままAFフレームを移動できるため、被写体を追いながらピント位置を細かく調整しやすくなりました。「EOS R8」から何が変わり、実際の撮影ではその進化をどのように感じられるのか。今回はボディー内手ブレ補正、AF、高速連写、そして新たに加わったカラー表現など、それぞれの特徴が撮影の自由度と表現の幅をどのように広げてくれるのか、実写とともに見ていきます。

まずは「RF45mm F1.2 STM」を装着し、見頃を迎えた曼殊沙華を撮影しました。今回の『 Canon EOS R8 Mark II 』にはキットレンズが2種類あり、そのうちの1本です。F1.2の明るさを楽しめるので、ボケを活かした写真表現を楽しんでみたい、という方にとてもオススメのキットです。そして今回新しく追加されたカラーフィルターである「PositiveFilmtone」を選択。鮮やかでメリハリのある色調を楽しめるカラーフィルターで、曼殊沙華の鮮やかな赤を印象的に写してくれました。

続いて、木陰と日向が入り混じる風景を撮影しました。『 Canon EOS R8 Mark II 』は、約2420万画素のフルサイズCMOSセンサーと映像エンジンDIGIC Xを搭載しています。画素数自体はEOS R8と同等ですが、細かな草花までしっかりと捉えながら、明るい部分から深い影へとつながる階調も自然です。もう一つのキットレンズである「RF24-105mm F4-7.1 IS STM」は24mm〜105mmを1本でカバーするだけでなく接写性能も高く、旅行などに持ち出して、さまざまな被写体を撮りたいという方におすすめです。
『 Canon EOS R8 Mark II 』では、画質やAFだけでなく撮って出しの色表現も大きく進化しています。全16種類のカラーフィルターを搭載し、先にご紹介した「PositiveFilmtone」と「NegativeFilmtone」が追加されました。さらに効果量を0~100%の11段階で調整できるようになりました。ここでは「NegativeFilmtone」の効果量を100%と50%で比較しました。100%では色調の変化がより強く現れる一方、50%まで下げると元の赤色を残しながら「NegativeFilmtone」らしい落ち着いた雰囲気を加えることができます。被写体やその場で感じたイメージに合わせて効果の強さまで選べるため、自分の感性をそのまま仕上がりへ反映しやすいのも魅力です。今回はこの2つのカラーフィルターをメインに色々と撮影してきました。

田んぼやあぜ道が続く景色を「NegativeFilmtone」で撮影しました。少し色を抑えた落ち着きのある描写が、どこか懐かしさを感じさせる風景によく似合います。普段は見たままに近い色を好む筆者ですが、撮影中には「この景色ならNegativeFilmtoneが合いそうだ」と感じる場面が何度もありました。「 RF45mm F1.2 STM 」が作る自然な立体感とも相性の良い一枚になりました。
同じシーンを「PositiveFilmtone」と「NegativeFilmtone」で比較しました。「PositiveFilmtone」の方がコントラストが高まり、暗部がより引き締まります。一方の「NegativeFilmtone」は、赤や青などの発色を含めて少し落ち着いた仕上がりになりました。どちらが正解というものではなく、その場で自分が感じた印象や表現したい雰囲気に合わせて仕上がりを選べることが、カラーフィルターの面白さだと思います。この場面では、筆者は「NegativeFilmtone」の雰囲気が好みでした。

「RF24-105mm F4-7.1 IS STM」の広角端24mmで、青空と建物を大きく取り込みました。カラーフィルターは「PositiveFilmtone」を選択。澄んだ青空と緑のコントラストが印象的で、直線的な建物の細部までしっかりと描かれています。風景ではこうした鮮やかな色表現を活かした画づくりも楽しめそうです。

続いて、動きのある被写体を狙いました。『 Canon EOS R8 Mark II 』はデュアルピクセルCMOS AF IIを搭載し、AFアルゴリズムも「EOS R8」から改良されています。被写体を一度捉えた後の粘り強い追従性能も高められました。このカットは電子シャッターの「高速連続撮影+」と「プリ連続撮影機能」で撮影。最高約40コマ/秒の高速連写を活かし、蝶が飛んだ瞬間を撮影しました。公式の被写体検出対象に昆虫は明記されていませんが、この場面では蝶へスムーズにAFが合焦。動きのある被写体でも、構図やシャッターを切るタイミングへ集中しやすく感じました。

「 RF24-105mm F4-7.1 IS STM 」の望遠端105mmで撮影しました。前景のススキ越しに、その奥を進むボートを狙っています。最初は手前のススキに合焦しましたが、再度奥のボートへピントを合わせるとスムーズにフォーカスが移動。複雑に被写体が重なる場面でも、狙った位置へピントを合わせやすいAF性能を実感しました。

夕暮れの逆光を「PositiveFilmtone」で撮影しました。花や水面に反射する光が強調され、メリハリのある仕上がりになっています。今回はレンズフードを装着せず、強い光源を画面内に入れたことで色のついたゴーストも現れました。通常であれば避けることもある現象ですが、このカットではあえて画面のアクセントとして取り入れています。

広角端24mmで、日が沈み始めた湖畔の景色を収めました。夕暮れの静けさを表現したく、「NegativeFilmtone」を選択しました。同じ景色でもフィルターを変えるだけで、その場から受ける印象は大きく変わります。撮影時に感じた空気や、自分が残したいイメージに合わせて色を選べることで、撮って出しの段階から自分らしい一枚を作り込む楽しさがあります。

望遠端105mmを使い、繰り返す構造を圧縮して切り取りました。EF時代から105mmという焦点距離には何度も助けられてきましたが、標準ズーム一本でここまで寄れる安心感はやはり大きいものです。このカットはISO1600で撮影。感度を上げていますが、ノイズは目立ちにくく、構造物の細かなラインもしっかりと残っています。今回はカラーフィルターを使わず「スタンダード」で撮影しました。カラーフィルターはRAW記録と併用できないため、撮影後の仕上げを前提とした場面では、「スタンダード」などのピクチャースタイルでの撮影がオススメです。
デジタルテレコン2.0×も試してみました。105mmの望遠端から、画角としては約210mm相当まで被写体を大きく引き寄せることができます。デジタル処理による拡大のため通常撮影と比べれば画質への影響はありますが、レンズを交換できない場面や、もう少しだけ被写体へ寄りたいときには便利な機能です。「RF24-105mm F4-7.1 IS STM」一本でも、撮影できる画角の幅がさらに広がります。

夜の時間帯では「RF45mm F1.2 STM」の明るさが頼もしいです。雨上がりの床に光が反射する様子を開放F1.2で撮影しました。「RF24-105mm F4-7.1 IS STM」とこの一本を使い分けることで、日中から暗所まで幅広く対応できます。『 EOS R8 Mark II 』の低輝度合焦限界は、所定の条件下でEV-7.5まで対応。テーブルの縁へAFを合わせてみましたが、合わせるのが難しいポイントながらスムーズにピントを合わせてくれました。

ISO12800まで感度を上げ、夜の飛行機を撮影しました。さすがに等倍で確認すると高感度らしいノイズは見られますが、機体に描かれた文字や周囲の車両など、細かな部分まで十分に判別できます。シャッタースピードを確保したい暗所では、多少感度を上げても被写体を確実に捉えることを優先できる。そんな安心感を感じる一枚でした。

「EOS R8」では非搭載だった5軸ボディー内手ブレ補正が、『 Canon EOS R8 Mark II 』では新たに搭載されました。条件によって中央最大7.5段、周辺7.0段の補正効果を実現しています。このカットでは「RF24-105mm F4-7.1 IS STM」を使用し、シャッタースピード1/15秒まで落として手持ちで撮影しました。暗くなるにつれてシャッタースピードを確保しにくくなる場面でも、構図を落ち着いて作れる安心感があります。また、レンズ内手ブレ補正を持たない「RF45mm F1.2 STM」のような単焦点レンズでも、ボディー側で手ブレを補正できるようになったことは、大きな進化です。

あなたの感性を表現する
今回の撮影を通して感じたのは、『 Canon EOS R8 Mark II 』の進化が、単に撮りやすさを高めるだけではなく、撮影者が自分の感性を一枚の写真へ落とし込みやすくする方向へ向けられているということでした。EOS R8の基本性能を受け継ぎながら、撮影を支えるさまざまな新機能が加わっています。粘り強くなったAFや操作性の向上は撮りたい瞬間を支え、「NegativeFilmtone/PositiveFilmtone」をはじめとする新しいカラー表現は、その一枚をどのような雰囲気で残すのかという選択肢を広げてくれます。「EOS R8」から少し重くなったとはいえ、約546gという軽快さも健在です。日中のスナップから動く被写体、夕景、そして夜の街まで、撮影する時間や被写体を限定せず、自分が感じた瞬間をそのまま形にしていける。カメラが表現を決めるのではなく、撮影者が「どう写したいか」を選べること。『 Canon EOS R8 Mark II 』は、新しい表現力を加え、自分らしい一枚をより自由に楽しめる一台に仕上がっていました。
Photo by MAP CAMERA Staff
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