
今回のKasyapaでは、フジフイルムから登場する超望遠単焦点レンズ『 FUJIFILM フジノン XF400mm F4.5 R LM OIS WR 』をご紹介します。焦点距離400mm、35mm判換算で約609mm相当という圧倒的な望遠域をカバーしながら、質量はわずか1,245g。超望遠レンズとは思えない軽快さに加え、高い解像力や強力な5.5段分の手ブレ補正、高速・高精度なAF性能を備えています。レンズ構成は、EDレンズの枚数こそ異なるものの、「XF500mmF5.6 R LM OIS WR」と非常によく似ているのが面白いところ。さらに「XF500mmF5.6 R LM OIS WR」と比較すると、全長は約10cm短く、質量も約100g軽くなっています。さらに「テレコンバーター XF1.4X TC WR」や「テレコンバーター XF2X TC WR」も使用可能で、最長800mm(35mm判換算:1,219mm相当)相当の焦点距離で撮影可能で、「フォーカスコントロールボタン」や「撮影距離範囲切り換えスイッチ」によるフォーカスリミッターなど機能も充実しています。今回は、動物園や街中で、超望遠ならではの圧縮効果を活かしたスナップを撮影してきました。「約600mmの世界を持ち歩く」と、いつもの景色はどう変わって見えるのか。ぜひご覧ください。

奥のほうにいたフラミンゴを開放絞りF4.5で撮影しました。光の当たった一羽を狙いましたが、羽毛の質感まで美しく描写してくれました。背景との分離も見事で、立体感のある描写です。もちろん手前には柵がありましたが、完全にボケて溶け込み、没入感のある一枚になりました。

蓮の花びらにトンボが止まっているのを見つけ、F9まで絞って撮影した一枚です。蓮の花びらの筋や、トンボの腹部の模様まで精細に描写してくれました。

小屋の中にいたアルパカを撮影したため、シャッタースピードをかなり落とす必要がありましたが、5.5段の強力な手ブレ補正機構により、手ブレすることなくクリアに捉えることができました。キュートなくるくるとした毛並みも、開放絞りから一本一本緻密に描写しています。惚れ惚れするような解像力です。

低空を素早く飛ぶ鳥を狙った一枚。リニアモーターによる高速・高精度なAFと、優れた動体追尾性能により、飛翔中を狙ったにもかかわらず、蓮池の葉っぱとシルエットが重なっている鳥をしっかりと捉え続けてくれました。


開放F4.5で花々を撮影。柔らかなボケとピント面の鋭い解像感の対比によって主題が引き立ち、奥行きのある表現に仕上がりました。

ハシビロコウの羽毛の質感をモノクロで切り取りました。ピントの合った羽根一本一本が、まるで画面から浮き出てくるようなリアルな描写です。

強い圧縮効果によって、背景の鳥居と人物との距離感がぐっと凝縮され、独特の遠近感が生まれました。ピント面の解像感の高さは、何度見返しても素晴らしいと思わされます。

鳥居を重ね合わせるように切り取った一枚。超望遠の圧縮効果は、日常風景を非日常的な空間へと変化させます。開放F4.5ならではのボケのグラデーションも美しく、期待通りの写りを見せてくれました。

別の高層ビルからF8まで絞り込み、展望台周辺を撮影しました。外観の細部までシャープに描き出す、高い解像力が印象的です。ここまで大胆に切り取れるのは、超望遠レンズならではです。

人々が行き交う街中を撮影しました。驚いたのは、そのボケ量です。画像処理を施すことなく、手前を歩く人たちの顔は大きくボケて見えなくなっています。AF-S設定でも、雑踏の中で「ここ」だと思ったポイントにピタッとフォーカスしてくれました。

連なる灯籠や提灯を凝縮した構図。街中の日常風景も、超望遠レンズの圧縮効果を活かすことで独特の密度感が生まれ、奥行きのある写真に仕上がります。

位置関係が分かると、圧縮効果の面白さをより実感できる一枚。この辺りで35mm判換算約600mmを持ち歩くことはなかなかないからこその発見です。このレンズ本来の用途とは少しずれるかもしれませんが、こんな楽しみ方も一興ということで。

雷門の大提灯から奥の参道までを凝縮してみました。この距離感で撮影するには相当な距離を取る必要があり、通りかかる人たちの「こんなところから何を撮っているんだろう」と言いたげな視線が少し心に刺さりましたが、イメージ通りの圧縮効果を得ることができました。

世界をより身近に
35mm判換算で約609mm相当という超望遠でありながら、重さを感じさせず、軽快にスナップ撮影を楽しめました。レンズフードを外せば、超望遠レンズ特有の圧迫感も和らぎ、日常の風景にもすんなりと溶け込んでくれます。これは個人的にも、とても嬉しいポイントでした。そして何より驚かされたのが、その描写力です。「X-H2S」の背面モニターでは把握しきれないほど細部まで緻密に描写されており、帰宅後にPCの大画面で写真を確認した際には、その解像感の高さにあらためて驚かされました。描写力については、もはや多くを語る必要はないでしょう。「XF500mmF5.6 R LM OIS WR」とともに、超望遠撮影のフィールドをさらに広げてくれる一本だと思います。野鳥やスポーツなど、本格的な超望遠撮影はもちろん、動物園や日常のスナップに持ち出しても、きっと新しい発見を与えてくれるはずです。次の一本を選ぶ際には、ぜひ超望遠ラインナップの候補に加えてみてはいかがでしょうか。
Photo by MAP CAMERA Staff







