『LUMIX S5II』の発売から約4か月。同じく像面位相差AFを搭載し、動画性能を大幅に強化した上位モデル『LUMIX S5IIX』がついに発売されます。『LUMIX S5II』からの大きな変更点はやはり動画性能。「Apple ProRes 422 HQ」や「4:2:2 10bit All-Intra」の外部SSD記録や、4Kを超える6K 30p 10bit記録。「アクティブ I.S.」による歩き撮り時のスムーズな撮影や最大4K/60pのライブ配信など今の時代に使いこなしていきたい機能も盛り込まれています。また撮影中に白いロゴなどが被写体に映り込まないようにロゴ部分などを黒くしたオールブラックデザインになっています。今回はフォトスタイル「V-Log」で撮影しLUTを当てた動画も掲載しております。動画機としても写真機としても魅力的な『LUMIX S5IIX』のフォトプレビューをぜひご覧ください。
今回望遠レンズに『S PRO 70-200mm F4 O.I.S.』を採用し動画も撮影してみましたが、三脚座を使ってミニ三脚で動画を撮ることも出来ました。重量も程よく解像感も良く、ボケも綺麗。日中の撮影であればほぼ困ることのない明るさなので、ぜひ注目して頂きたいレンズです。
『LUMIX S5』に比べ約4倍のバッファメモリを搭載し、RAW+JPEG連写において最大撮影コマ数が大幅に向上。水の動きを止めてみたくて、連写と試行錯誤を繰り返していると躍動感や瑞々しさがとても素晴らしい瞬間を捉えることが出来ました。さらに高感度ISO6400の画ですが多少のノイズ感こそあれ新しい「2Dノイズリダクション」によって自然で立体感のある描写をしてくれました。
グラスの光沢感や質感描写も非常に巧みです。ホワイトバランスはあえて引っ張られるような形にしました。画像のフラット/ディテール/エッジ部分の領域を精緻に判別し、エッジ補正処理と組み合わせながら高い解像感と立体描写を実現する「新インテリジェントディテール」のおかげか、それぞの被写体の立体感もよく表れています。
水面に反射した陽の光が橋にも反射して、ゆらゆらと輝いていたので深く印象的なシャドー表現ができるフォトスタイル「L.モノクローム」でその明暗差を切り取ってみました。『S5IIX』の「階調の豊かさ」を感じることができた一枚です。
『S PRO 50mm F1.4』と『S5IIX』のタッグによるハイライトの粘りとフォトスタイル「フラット」のおかげで眩しい光に向けて撮っても、全く嫌な感じがありません。開放絞りで自転車の籠網など細部までをこれだけ緻密に描けるのもお見事。
舞い上がる土埃が夕陽に反射して、ドラマチックな光と影が生まれていました。様々な条件で発生している光や影の強弱をしっかりと表現してくれています。フォトスタイル「ヴィヴィッド」の鮮やかでドラマチックな表現も非常にマッチしたと思います。
ちなみに冒頭のカットで背景にある無数のボケ玉の正体は、この時期発生する「蚊柱」によるもの。害はないと分かっても苦手なので撮っているときも落ち着きませんでした。そんな苦手なものでもレンズを通すと撮りたいものに変わるのですから、写真はやはり面白いものです。
次のステージへ。
パナソニックのカメラで撮影するたび、出てくる画がとても自然だなといつも感じます。「リアルタイムLUT」をはじめとする機能は表現者の色へのこだわりに応えてくれますし、比較的はっきりした色味のフォトスタイル「スタンダード」もとても自然な仕上がりで感心させられます。カメラ内RAW現像のやりやすさなど、完成度、満足度が非常に高くなっています。撮影の邪魔にならないようにというのが目的ですが、主張を抑えたオールブラックデザインはシンプルに気に入りました。写真だけではなく映像や色んなコンテンツを制作していきたい方にもおすすめです。Lマウントアライアンスにより、レンズの選択肢も豊富な『DC-S5M2X』。次のステージへ進みたいと思っているあなたに、ぜひおすすめしたいカメラです。
Photo by MAP CAMERA Staff