832:マイクロフォーサーズの真髄『OM SYSTEM M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 MACRO IS PRO』
2023年02月08日
OM SYSTEMとして新しいマクロレンズが登場しました。最大撮影倍率4倍という高性能望遠マクロレンズ『OM SYSTEM M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 MACRO IS PRO』です。最大撮影倍率4倍だけでも凄いスペックですが、さらに2倍テレコンバーターを装着することで最大撮影倍率8倍という、もはや顕微鏡ではないかと思うほどの接写性能を実現させました。ぜひ新世代望遠マクロレンズの描写をお楽しみください。
この無数の泡のようなもの。家にあった琉球グラスを撮ったものです。ずっと覗き込んでいると違う世界に入りこんだような感覚になりました。テレコンバーターMC-20を使って最短撮影距離付近で撮影しましたが細胞の世界というのはこんな感じかなと思うほど寄れました。身近なものでこんな画が撮れるなんて、面白い体験でした。
ZERO(Zuiko Extra-lowReflection Optical)コーティングをレンズ表面に施すことで、逆光等の厳しい条件下の撮影でもクリアな描写を実現しています。開放絞りの逆光で撮影してみましたがゴーストやフレア、フリンジさえほぼ見受けられません。今まで他のマクロレンズも使用してきましたが、ここまで抑えられているのは初めての経験です。
レンズ構成にスーパーEDレンズ2枚、EDレンズ4枚、さらにスーパーHRレンズ、HRレンズを各1枚使用した13群18枚の贅沢な光学系を採用している本レンズ。近接撮影時に目立つ色収差を徹底して抑え、ピントの合った主被写体を高画質に再現するということですが、まさにその通りでどのシーンを取っても色収差のない非常にクリアな画を写してくれます。JPEG撮って出しをリサイズこそしていますが、ぜひ細部まで拡大してご覧ください。
何本もの青い瓶が陳列されている中にマクロで寄ってみました。その内の一本にマニュアルでピントを合わせたのですが、極薄のピントが捉えた輪郭線をしっかりと描き分けてくれています。マニュアルの切り替えも「マニュアルフォーカスクラッチ機構」でファインダーを覗きながら簡単に行えるのはやはり便利です。
そしてこのレンズで最も注目すべきはやはりこの「軽さ」と「小ささ」。ポリカーボネート素材を使い180mm換算のレンズにして「453g」という軽さを実現しています。そして何より全長136mmという小さなサイズが狭い通路や部屋でも撮影を可能にしてくれたことに感激しました。いくら寄ることが出来ても、レンズ自体が大きくては撮れない場所などもあるのでこの小ささは本当に偉大です。
ガラス面の艶やかさ解像感、立体感、ボケ感。大口径の明るい単焦点レンズで撮ったと言われても信じられる写りです。
テレコンバーターを使えば超望遠レンズのように扱えることも強みです。しかも2倍にしてもこの解像力。昆虫や小さい生き物を撮影するときに大活躍するレンズだと思います。
マイクロフォーサーズの真髄
撮影倍率4倍(最大8倍)、軽量で小型。強力な手振れ補正、 IP53の防塵防滴性能。『OM SYSTEM M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 MACRO IS PRO』はマイクロフォーサーズの長所をフルに活用した、マイクロフォーサーズだからこそ実現したようなレンズだと感じました。正直このために『OM-1』と本レンズを導入したいと思った一本です。これからのOM SYSTEMを語る上で外せない存在になるでしょう。ぜひ最高のマクロライフを。
Photo by MAP CAMERA Staff