698:『OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO』
2021年06月25日
光学性能に徹底的にこだわったレンズが揃うM.ZUIKO PROシリーズに、頼もしい一本が仲間入りを果たしました。
『OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO』をご紹介します。本レンズはフルサイズ換算で超広角16mm相当から標準50mm相当までをカバーし、幅広い被写体や撮影スタイルに対応することが出来ます。ズーム全域で開放からシャープ、それでいて立体感のある描写は撮影中も見返したときも非常に気持ちの良いものです。もちろん、オリンパスのお家芸でもある徹底した小型軽量化や防塵・防滴などの耐環境性能は健在で安心してどこへでも連れていくことが出来ます。超広角ズームという事でやや出っ張った前玉になっているのですが、フィルターの装着にも対応しているのは嬉しいポイントです。
今回は、そんな多彩な撮影を楽しめる待望の一本を最大限活用すべく『OLYMPUS OM-D E-M1 Mark III』に装着して撮影に行ってきました。是非、写真をご覧ください。
まずは街へ出向き、スナップ撮影を軽快に楽しめるか試します。天気は雲の合間から少しだけ青空が覗いているという及第点の空模様。しかし、通りに見つけた目の覚めるようなイエローの壁を見つけて嬉しくなり、水平に気を付けながら一枚。『OLYMPUS OM-D E-M1 Mark III』の高い手ブレ補正と、ボディ+レンズのセットでも1Kgを切る軽量設計も相まって片手でもサッと撮ることが出来ます。
最近、腕時計に興味を持ち始めてきた筆者。美しい文字盤、華を添える時字。機能美の象徴たるクロノグラフやデイトも、見るほどに心を奪われます。PROレンズの描写性能があれば、時計がもつ質感や装飾の細微な魅力まで見事に描き出せるのでは…と試してみました。ハーフマクロに迫る最大撮影倍率0.42倍を実現している『M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO』が最大限その近接性能を発揮してくれました。
一転、場所を変えて海へやってきました。本格的な夏はまだやってきていませんが、それでも潮風を浴びるともうすぐやってくる暑い季節が待ち遠しく感じます。この日は風が強く、ウィンドサーフィンにいそしむ方々が沢山いらっしゃいました。泳ぎがあまり得意ではないので自分でやることは無いと思うのですが、海の男という響きには少し憧れがあります。
竹林に差し込んだ僅かな光を、すくい取るように写真に収めます。なんとも影が好きになる描写です。暗部も粘り強く描かれ、コントラストの高さが写真に雰囲気を与えています。
遅めの昼食ということで、この日は焼き立てのピザを頂きました。みずみずしいトマトにピントを合わせたく、MFにしてじっくりとピントリングを回します。撮影しようと顔を近づけるとチーズの良い香りが届いて、綺麗に撮り残したい気持ちと今すぐ平らげてしまいたい気持ちのせめぎあいが始まりました。オリンパスが作る色は、なんとも美味しそうで後で目でも味わうことが出来ました。
日がだんだんと落ち始め、空が青からオレンジへと表情を変えていきます。停泊している漁船、白一色のイメージがあったのですがここには色とりどりのカラーバリエーションがあって楽しくなりました。そして、そんな船よりも自分がときめいたのが錆びを身にまとったボラード。何とも味のある風合いになっていて、海辺の歴史を感じます。少しカメラを低い位置に構えてシャッターを切りました。
撮影者の可能性を開くズームレンズ
今回本レンズを使ってみて、例えば「旅行に一本持っていくレンズ」にはこれ以上ない選択肢のように感じました。ストラップで首からぶら下げていても負担にならない重量感。そして旅先で人物を撮るにぴったりな50mm、観光地を巡りながらスナップ撮影をするのに最適な35mm、壮大な風景を見たままのスケールで残せる16mm。テーブルフォトで食事の思い出を残すのにも対応してくれます。あらゆるシーンを、この一本で全て賄うことが出来るのです。そのすべてがPROレンズの高い光学性能に裏打ちされた高画質な写真なのですから、その旅行は最高なものになると思います。あくまでこれは一例に過ぎず、それほどまでに「なんでも出来る」本レンズは撮影者の可能性を広げ、新しいインスピレーションをもたらすことでしょう。きっと、所有した方は手放せないものになること請け合いです。是非一度、お試しいただきたいと思います。
Photo by MAP CAMERA Staff