752:小型軽量・高画質、MFTの真骨頂。『OM SYSTEM M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0 PRO』
2022年03月04日
遂に登場したOM SYSTEM初のフラッグシップミラーレスカメラ「OM SYSTEM OM-1」。その類まれなる性能に多くの方が発売を待ち望んでいることかと思います。そんな一台と共に発表された2本の最新レンズから今回は『OM SYSTEM M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0 PRO』をご紹介いたします。
OLYMPUS時代、望遠ズームの定番として名を馳せた「OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO」のF値違いモデルとして登場した本レンズ。兎にも角にもお伝えしたいのが「小型・最軽量」を徹底的に突き詰めた一本であるという事です。フルサイズ換算80-300mmをカバーするF4通しのズームレンズでありながら、その質量はわずか約382g。同スペック帯では現状世界最小・最軽量です。沈胴機構を採用することでこの圧倒的コンパクトネスを実現しているわけです。では、その分描写性能はトレードオフなのでは?と思いきや、PROレンズとして恥じない高画質も両立されています。その写りを『OM SYSTEM OM-1』との組み合わせで体験してまいりましたので、ぜひご覧ください。
左右から木々が手をのばしている自然のトンネル。遥か昔の記憶ですが、中学校を卒業するときに部活動の後輩が手で作ってくれたアーチをくぐって送り出されたことを思い出しました。細い枝がひしめいている情景も、緻密に描き出してくれています。
望遠端を目いっぱい使って、樹上でくつろいでいるキジバトを撮影。平和の象徴と言われているだけあって、穏やかそのものです。レンズ越しに私と目が合っている状況ですが慌てる様子もなく「撮ってくれるんですか?」と言わんばかりにカメラ目線をくれました。
今回のKasyapaに掲載している野鳥のカットは、全て『OM SYSTEM OM-1』の「AI被写体認識AF」を活用して撮影しています。モードを鳥に設定すると、画面内に写った姿を即座に追従してくれます。また、周り・前後に枝や草木などが入り込むようなシチュエーションでも迷うことなく追いかけ続けてくれるので、来るべきシャッターチャンスに集中することが出来ます。
菜の花畑で舞い踊っているメジロの可愛さに、20分ほど撮影をする手が止められませんでした。目の周りが白いから「メジロ」単純なネーミングのようですが口にしたときの語呂がとても良い。日本語の奥ゆかしさを感じた瞬間です。
うねる水の質感。スパンコールのようにキラキラと心引きつける太陽の反射。絶えず流動する二つの要素に見惚れながら、肉眼で見た感動をどう切り取るのか。身軽なレンズだからこそ、いろいろな視点を試したくなります。
厚く折り重なった雲と、工場地帯から立ち上る蒸気が組み合わさっているようで、見通しの悪い空模様に。しかし数刻待っていると、グレーの画面を切り開くように夕日で空が染まり始めました。なんとも形容のしがたい初めて見る風景を忘れないように撮り収めました。
小型軽量・高画質、MFTの真骨頂。
ボディ・レンズの重量が合計で1kgを切り、それでいて最長300mmをカバーする望遠撮影を気ままに楽しむことが出来る。そうして切り取った作品は風景も動体も非常に高画質と、まさにマイクロフォーサーズの長所を最大限に味わうことが出来る機材ではないでしょうか。最大撮影倍率0.41倍とマクロ性能も高く、あらゆるシーンで活躍できる『M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0 PRO』はその堅牢性を活かしてアウトドアでの望遠ズームの定番としてはもちろん、その軽量さからカメラバッグに難なく忍ばせておくことが出来るので、思いもよらないシャッターチャンスを掴むことが出来るかもしれません。小さくて頼もしい本レンズ、是非一度体験していただきたいと思います。
Photo by MAP CAMERA Staff