「質感描写」を得意とするパナソニックのSシリーズレンズに、300mmまで網羅する望遠ズームが登場しました。『LUMIX S 70-300mm F4.5-5.6 MACRO O.I.S』は卓越した描写性能と機動性を両立するレンズです。ズーム全域で中心部から周辺部まで精細に写すことができ、美しいボケ味と印象的な立体感を得ることができます。レンズ構成は、UEDレンズ1枚、EDレンズ2枚、UHRレンズ1枚の特殊レンズの最適配置により、収差を抑えました。あわせてカム溝の高密度配置による多成分ズーム構成を実現したことで、コンパクトさと描写力を両立しました。テレ端では最大撮影倍率0.5倍の望遠マクロ撮影をすることができ、昆虫や花、動物などを大きく写すことが可能です。防塵防滴や耐低温設計も完備しているので、安心してさまざまな場所に持ち出すことができます。そんな当レンズを『Panasonic LUMIX DC-S5』と組み合わせて撮影してきたので是非ご覧ください。

エレガントな石像がバラに囲まれています。今年は各所でバラが咲き乱れているようです。この庭も実に見事な咲きっぷり。香りの強いバラを集めたエリアもあり、マスクをしていても甘い香りが鼻をくすぐります。おかげで目だけでなく鼻でも楽しむことができました。

ふと空を見上げると一筋の飛行機雲が伸びていきました。大きな雲に向かってみるみる進んでいくので、落ち着いてバランスのよい位置に来たときにシャッターを切ります。雲の質感の違いがよく描写できていると思います。

都会ではすずめを見る機会が減ったように思います。昔はそこかしこでチュンチュン鳴いていましたが、最近はカラスや鳩ばかり。久しぶりにすずめをじっくりと撮ることができました。羽がモサモサしているのでおそらく今年生まれた子でしょう。何枚も撮った中から口が開いている一枚を選びました。おしゃべりしている様子が伝わるので好きなのです。

新幹線で東京から西へ向かう際、車窓からカラフルな家々が見える場所があります。そんな印象的な新興住宅とその前を通る新幹線を離れた場所から一緒に写します。通常70-300mmのレンズではここまで大きくは撮れないのですが『Panasonic LUMIX DC-S5』のEXテレコン機能を使うことで寄って切り取れました。

山の上から遠くの町を望みます。こう見ると人が住んでいる範囲はとても狭く、日本はほぼ山であるということがよくわかります。天気がよければ富士山が見えるそうですが、残念ながら今回は見えず。思い返せば筆者はKasyapaの撮影で富士山を撮れたことが一度もないので、いつか載せたいものです。

山のレストランで昼食をとります。注文したのは、目の前に広がる相模湾でとれたしらすと三崎まぐろが乗った丼ぶりです。マクロ撮影もできるのでアップでも撮りましたが、窓の外の景色と共に収めた一枚を選びました。眼下に広がる木々と、そしてその向こうには海と空が青を二分割しています。絶景を眺めながら美味しくいただきます。

窓から風が入ってくると、蔦の葉とレースのカーテンが揺れます。ピントが合っている葉の精細さもさることながら、庭の奥にできたたくさんの柔らかな玉ボケも当レンズらしい描写です。

畑で水やりをしている人がいました。霧状になった水とシャワーヘッドから滴り落ちる水が背景のグリーンに映えて、見ているだけで爽やかな気分になります。

黄色いバラの花びらをアンダー目に写しました。花びらにある細かな皺まで精細に捉えられており、バラをこんな風に撮れるなんてさすが”MACRO”を冠するレンズであるとその描写力の高さに唸ります。

素敵な飾りがありました。小瓶、時計、トランプとくれば『不思議の国のアリス』をモチーフにしたディスプレーだとピンときます。あえてアリスの姿は置かなくても、その可愛らしい世界観に気分が高まりました。

マクロ撮影も可能な万能ズーム

優れた描写性能が光る一本です。細部に渡るまで見事に描いてくれました。またボケ味も自然でなめらか。70-300mmというと望遠レンズにカテゴライズされますが、当レンズはいわゆる望遠レンズらしい撮り方以外も自然とこなせていたように思います。それは例えばテーブルについたときには、マクロを活かして食べ物をアップでも撮るだけでなく、窓の外の景色と一緒に撮ることもできました。最短撮影距離も短いので、立ち上がって下がる必要もありません。活躍の機会が多さを期待できる一本です。ぜひお試しください。