
今回はSAMYANGより発売される『 SAMYANG Schneider AF 14-24mm F2.8 L 』のフォトプレビューをご紹介いたします。数々の名レンズを世に送り出してきたドイツの老舗光学メーカー「Schneider-Kreuznach(シュナイダー・クロイツナッハ)」と、優れたコストパフォーマンスと堅実なビルドクオリティで支持を集める「LK SAMYANG」。この両社のコラボレーションによって誕生し、大きな話題を呼んだ大口径超広角ズームレンズが、満を持してLマウントへと展開されました。本レンズの最大の魅力は、14mm超広角域から始まり、ズーム全域で開放F2.8の明るさを維持しながら、わずか441gという小型軽量設計を実現している点にあります。さらに、前玉が大きく突出した一般的な超広角レンズとは異なり、77mmの汎用フロントフィルターをそのまま装着できる親切な設計を導入。風景撮影におけるC-PLやNDフィルターを用いた自在なフィルターワークを可能にしています。光学系には非球面レンズ(ASP)3枚、高屈折率レンズ(HR)5枚、EDガラス3枚を含む11群15枚の高度なレンズ構成を採用。絞り開放から画面の中心から周辺部に至るまで破綻のない非常にシャープな解像力を誇り、超広角で懸念されがちな歪曲収差やコマ収差も緻密に補正されています。今回は、高画素センサーを搭載した「Panasonic LUMIX S1RII」との組み合わせで撮影してまいりました。ぜひご覧ください。

まず1枚目は、広角端14mm、F8まで絞り込んでのカットです。超広角14mmという歪曲収差が出やすい焦点距離ですが、直線の歪みはなく、周辺の木々も流れることなく写っています。また明暗差の激しいシチュエーションでしたが、空も白飛びせず、中央部のトーンはしっかりと、難しいコントラストを見事に描き分けてくれました。

テレ端24mm開放絞りで群生する菖蒲の花に近づいて撮影したカットです。開放絞りF2.8での撮影により、中央で上を向いて咲く菖蒲の花弁にしっかりピントが合っています。花びらの脈や、中心部の黄色と白が混ざり合う質感を緻密に描写。最短撮影距離付近まで寄ることでボケもよく出て、背景の緑の葉もざわつくことなく落ち着いたトーンで描写されています。開放絞りの解像感とボケ味の良さが分かる1枚です。

強い直射日光を入れて撮影してみると、ユニークなフレア・ゴーストが発生しました。中央部の円状のゴーストから、四隅にさらに円状のゴーストが出現。太陽光を意図的に直射させない撮影では、このような極端な現象が発生することはなく、コントラストのある安定したヌケの良い描写を提供してくれます。撮影表現におけるひとつの「アソビ」や効果として、意図的に組み込んで表現を楽しむことも出来ます。

洋館の室内へと場所を移し、14mmの開放絞りF2.8で撮影した縦構図のカットです。建築や室内撮影などの引くことができない限られた空間においては、超広角レンズが活躍します。手前に広がる絨毯の格子模様から、格子状に組まれた高い天井の梁にいたるまで、室内を一つの画面の中に広く収めてくれました。窓際に置かれたソファは、背後からの外光によってシルエットがシャープに写しており、モノクロならではのキリッとしたコントラストをうまく表現してくれています。


テレ端24mmの開放絞りF2.8で接写したカットです。最短撮影距離は全焦点域で0.18m、最大撮影倍率は0.26倍とかなり寄ることが出来るだけでなく、とてもシャープに解像してくれます。ボケ味も滑らかで超広角レンズながら近接撮影時でも優れた性能を持ったレンズです。

焦点距離21mmの中間域を選択し、時計の文字盤をクローズアップで捉えたカットです。ズームの中間域における描写ですが、文字盤のザラザラとした金色の金属面の微細な凹凸構造などシャープに解像してくれています。広角端や望遠端だけでなく、中間焦点域においても高い解像性能があることが分かります。レンズ側には手ブレ補正機構(IS)は搭載されていませんが、本レンズは超広角ズームとしてコンパクトかつ軽量(約441g)に設計されているため、ボディ内手ブレ補正だけで、シャッタースピード1/20秒でもブレずに撮影することが出来ました。


本レンズはSAMYANG独自のリニアステッピングモーターを搭載し、高速で静かなオートフォーカス性能を実現。円状にぐるぐると回るのでかなりピント合わせが大変な状況かと思いましたが、疾走する馬を捉えることが出来ました。

望遠端24mmで壁一面に積み上げられた酒樽を撮影しました。絞り値はF4まで絞って撮影。酒樽の銘柄ロゴはもちろん、藁(わら)の細かな一本一本の繊維や、樽を縛る縄の凹凸までシャープに解像してくれました。


日没後のマジックアワーに、ライトアップされた建築物を広角端14mmの開放絞りF2.8で捉えたカットです。手前のスロープから奥の建物へと収束していく、超広角14mmの直線的なパースペクティブの伸びが、心地よい奥行きをもたらしています。直線主体の被写体ですが、超広角に発生しやすい歪曲収差も少なく、建物の外壁やフェンスの細かなメッシュ構造、画面四隅の格子状のディテールにいたるまであらゆる線が歪みなく描写されています。


より軽く、より広く、より自由に
超広角14mmから、スナップに最適な24mmまでをカバーし、機動力と高画質を両立させた一本。絞り開放F2.8から画面全域でシャープな解像力を発揮し、歪曲収差や周辺光量落ちもうまく抑え込まれています。日中のコントラストの激しいシーンから、限られた空間での室内撮影、夜景撮影にいたるまで、どのシチュエーションにおいてもヌケの良い描写を見せてくれました。広大な風景や建築、夜景や星景写真まで撮りたいLマウントユーザーにとって、『 SAMYANG Schneider AF 14-24mm F2.8 L 』はおすすめの1本です。ぜひ使ってみてください。
Photo by MAP CAMERA Staff






