

シグマより発売される『 SIGMA Art 35mm F1.4 DG II 』をご紹介いたします。最新の光学設計、新開発のコーティング、そしてリニアモーター「HLA(High-response Linear Actuator)」による高速AFを搭載し、シグマ史上最高と呼ぶにふさわしい進化を遂げた本レンズ。全長は約14%短縮、重量は約20%の軽量化を実現しました。前回ではソニーEマウント版『 SIGMA Art 35mm F1.4 DG II E-mount 』で撮影をしてきたので、今回はパナソニックの高画素機『Panasonic S1R II』と組み合わせて街を歩きました。ぜひご覧ください。

窓ガラス越しに本の背表紙を狙った一枚。非常にヌケが良く、ガラスの存在を感じさせないほど文字の輪郭をシャープに描き出してくれました。高画素機のポテンシャルを隅々まで活かしきる、Artラインならではの凄みを感じる描写です。

日本の伝統的な雨樋「鎖樋(くさりとい)」を絞り開放で。合焦面のキレと、そこから滑らかに繋がるボケの対比が、被写体に圧倒的な立体感を与えています。背景との分離も実に見事で、まるでその場に浮き立っているかのような錯覚を覚えます。

活発に動き回る鯉の群れ。少し絞り込むことで、画面内の広範囲にわたる鯉たちをシャープに捉えることができました。

シーンを変えて1枚。手前の茶葉にピントを置き、奥へと続くボケ方を確認しました。等間隔に並ぶ防霜(ぼうそう)ファンのシルエットが、被写界深度の浅い画の中で心地よいリズムを作り出し、どこまでも続いていくような茶畑の広大さを表現するのに一役買ってくれました。自分が意識している範囲から一回り外の景色を見せてくれる気持ちの良さが35mmという焦点距離だと思っていて、旅行

最短撮影距離は28cm。寄って撮ることで大きなボケを得ることができます。少し絞ってもその美しさは損なわれず、木製手すりの質感、鈍い光の反射までも忠実に再現してくれます。

地面に落ちたツバキの花。花が丸ごと落ちるツバキはこのように背中を見せて朽ちていくケースがとても多いです。F8まで絞り込むと、中心部から周辺部まで淀みなくスッキリと写してくれました。

一番手前からピント面、そして背景へと移り変わるボケのグラデーションがとても自然です。中間点にピントを置いたときの立体感が素晴らしく、逆光気味でもビビットな色合いをしっかり再現してくれました。

提灯の装飾部をクローズアップ。金属の質感、細かな細工のディテールを非常に高い解像感で描写してくれました。開放絞りから中央部の解像力は非常に高いことが分かります。

揺らめく蝋燭の火を捉えたカット。中央部のボケは非常に美しく、開放絞りの周辺部に出る口径食も少し絞って撮影すれば目立ちません。ハイライトの柔らかな滲みを再現しつつ、背景がかなり賑やかな状況でしたが、蝋燭にしっかりとピントが合い、素晴らしい立体感で見せてくれました。

夕暮れの街を走り抜けるキックボード。歩きながらの咄嗟の動作でも、「HLA(High-response Linear Actuator)」による高速AFが瞬時にフォーカスしてくれました。滲む陽光、長く伸びる影、そしてシャープに切り取られたビル群。その場の様々な情報が入り込む35mmという画角に、スナップの楽しさを感じた1枚です。

おみくじの棚をスポットライトの明かりだけで撮影。手前の金の取っ手はボケていますが、その奥のピントを合わせた銀色のプレートに刻まれた数字は開放から非常にシャープです。驚くべきは、レンズプロファイルをオフにした状態でも周辺光量の落ち込みがほとんど見られなかったこと。歪曲はあるのでもちろんオンにしたほうがいいのですが、光学設計のみでここまで完成されているということに驚かされました。


より多くの瞬間を
デジタル一眼レフ用に作られたArtシリーズのレンズを今でも手離さずに持っているくらい好きなのですが、あのレンズがここまで小型化されたのかということを思うと技術の進歩を実感せずにはいられません。「大きくて重いが、写りの良いレンズ」を使うことに抵抗はありませんが、いつでもどこでもそれで行けるのかというと現実的にはそうではありません。優れた携帯性・機動力を持つということは、それだけでシャッターチャンスを呼び込む引力が生まれます。歴代最高の進化を遂げた「Art 35mm F1.4」でより多くの瞬間を撮影してください。
Photo by MAP CAMERA Staff








