
1012:APS-C | F1.4レンズ最広角の12mm『 SIGMA Contemporary 12mm F1.4 DC E-Mount』
2025年08月21日

今回はシグマより発売されるAPS-C用F1.4レンズにおいて最広角の12mmを実現した『 SIGMA Contemporary 12mm F1.4 DC 』のフォトプレビューをご紹介いたします。全長69.4mm、質量225gという小型軽量設計で「16mm、23mm、30mm、56mm」に続く超広角単焦点がContemporaryラインに加わりました。同時発表された『 SIGMA Sports 200mm F2 DG OS 』のインパクトが強いとは思いますが、このレンズもAF対応のAPS-Cカメラ用交換レンズとして、世界で初めての大口径超広角レンズなのです。普段使いに新しい刺激が欲しいという方にとっては、非常に魅力的なレンズかと思います。今回はソニーEマウントα6700に装着して撮影してまいりました。ぜひご覧ください。

いわゆる「観察窓」ですが、入り口が手前側に写るように撮影しました。35mm判換算約18mmとなる本レンズ。その場の情報を大袈裟にならない程度に入れておくことが出来るのが超広角の良いところです。階層になっている茶色の濃淡をしっかりと再現してくれました。

最短撮影距離は17.2cm。被写体にぶつかりそうなくらい寄れます。開放絞りでは相当に被写界深度が浅かったので絞りを調整して、撮りたい部分をシャープに撮ることが出来ました。

このレンズ最大の魅力であるF1.4というスペック。そのおかげで船内の暗い場所でもISO感度を上げることなく撮影できました。JPEGデータから少しだけシャドウを引き上げてみましたが、ノイズも出ずにクリアな描写です。ボディ内レンズ補正をONにしているとはいえ、周辺光量落ちの影響も少なく、良く写ります。

開放絞りでの撮影でしたが、写真を見返している際、ついついEXIFデータを確認して二度見してしまった1枚です。開放絞りから非常にシャープに写ります。解像力もそうですが、それよりも驚いたのはとても線の細い格子があるのにモアレなどが発生していないということです。ボディ内補正オートでの撮って出しなので、内部処理はあると思いますが、クオリティの高さに驚きました。

ぐるんと一回りする高架下。手前側がここまでシャープに写ってくれるとは予想を上回る写りでした。より全体をしっかりと写したいときには、絞って撮影すれば心配なさそうです。

やはり35mm判換算、18mmとなる超広角は見える世界が圧倒的です。しかもこれだけ広く切り取っていても、写した被写体それぞれの細かいディテールを精細に描いてくれます。実は今回の撮影は「 SIGMA Sports 200mm F2 DG OS 」と同時に撮影していました。α6700に装着した状態だとミニサイズのショルダーバッグに入れられたので、「 SIGMA Sports 200mm F2 DG OS 」はストラップを装着して首からかけて『 SIGMA Contemporary 12mm F1.4 DC 』は撮影するときだけ取り出すスタイルで同時進行していました。同じシチュエーションでも18mm相当の超広角と200mm望遠ではかけるアプローチも変わってきます。もしお時間が許すのであればその違いを見比べてみてください。

モノクロにしてみると階調表現の豊かさが如実にわかります。太陽が雲に隠れた隙間から溢れる光で繊細に変わる空のグラデーションを忠実に再現してくれています。

空を主役に絞って撮影した1つ前の夕暮れのカットの解像感、開放絞りで人物にピントを合わせて撮ったカットの空の輪郭の柔らかさ。どちらも好きな写りです。超広角らしい爽快なスケール感が気持ちのいいラストカットとなりました。
APS-C | F1.4レンズ最広角の12mm
性能には妥協しない一方で、コンパクトさと軽さを追求した『 SIGMA Contemporary 12mm F1.4 DC 』。まさに携帯できる超広角といった感じで、今回の撮影のように他のレンズを持ちつつ、二刀流でスナップを撮れました。この1本だけで撮るとすると使用用途がハッキリしている方かと思いますが、普段使いにプラスワンするレンズとして非常におすすめの画角です。すでに他のContemporaryラインを使っているユーザーなら、どの画角を使っていても(たとえばそれが16mmでも)このレンズを加える価値は十分にあるはず。明るい超広角がこの価格帯で手に入れられるというのも大きな魅力の一つです。ぜひ『 SIGMA Contemporary 12mm F1.4 DC 』でいつもの写真に新しい彩りを。
Photo by MAP CAMERA Staff