
1059:開放F値4.5を実現した超望遠ズーム『 SONY FE 100-400mm F4.5 GM OSS 』
2026年06月07日
今回のKasyapaではソニーから発売された注目の超望遠ズームレンズ『 SONY FE 100-400mm F4.5 GM OSS 』をご紹介します。本レンズにおける最大の特長は、ズーム全域で「開放F値4.5固定」を実現したこと、そして「インナーズーム方式」を採用した点にあります。光学系には、新たに開発されたED XA(特殊低分散超高度非球面)レンズや、超高度非球面XA(extreme aspherical)レンズなどを含む20群28枚の贅沢なレンズ構成を導入。マグネシウム合金を用いた鏡胴は、F4.5通しの超望遠ズームレンズでありながら質量約1,840gに抑えられており、堅牢性と軽量化を両立。全体的なウェイトバランスが良好に設計されているおかげで、数値から想像する以上の軽快さを実際に体感することができます。進化した高速・高精度なAF性能がフィールドでどのような描写を見せてくれるのか、今回は『 α9 III 』と『 SONY α7RVI 』に組み合わせて撮影に行ってまいりました。ぜひご覧ください。

「α9 III」の最高約120コマ/秒のAF/AE追随高速連写に対応し、「FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS」と比較し最大約3倍のAF高速化を実現。動体追随性能は, 最大約50%向上したとのことです。こちらに向かって飛んでくる鳥に対しても素晴らしい追従性能を見せてくれました。被写体認識「鳥」[瞳]に絞って撮影に挑んだのですが、非常に高い精度で瞳を狙い続けてくれました。インナーズーム方式の採用でズーム時にレンズの全長が変わらないため、迫ってくる鳥に合わせて少しずつワイド側にズーミングしながらの撮影も安定して行うことができます。光学式手ブレ補正機構には流し撮り対応のMODE2に加え、不規則で激しい動体撮影時に安定したフレーミングを可能にするMODE3も搭載されており、動体撮影においての、より心強いパートナーができたと感じました。

突然飛び上がった鳥へと、とっさにシャッターを切ったカットです。この時はまだ被写体認識の設定を「鳥」に変更しておらずデフォルトのままでしたが、被写体を的確に捉えてくれました。

こちらのカットは、『 SONY α7RVI 』と組み合わせて撮影したものです。APS-Cモードへクロップをしても約2800万画素以上という実用十分な画素数を維持しており、被写体の輪郭や毛並みの質感を芯のある描写で捉えてくれました。また、2倍のテレコンバーターを装着した場合でも、焦点距離最大800mm(APS-C時は1200mm相当)の超望遠世界をF9固定で撮影できるというのもF値固定のレンズならではの利点です。

続けて「SONY α7RVI」と組み合わせてのカットです。背景の木漏れ日による強いハイライトと被写体のシャドウ部が混在する明暗差の激しいシチュエーションですが、絞り込んだ状態でも背景の玉ボケがほぼ美しい円形を維持している点にレンズの素性の良さを感じます。鳥の繊細な冠羽の質感を一本一本まで緻密に描き出しており、『α7RVI』との組み合わせではさらに解像感の優れた描写を見ることが出来ました。

リサイズした画像であるにも関わらず、サイの皮膚の緻密な質感や細かな皺まで鮮明に描写されているのが分かります。本レンズには、新たに開発されたED XA(特殊低分散超高度非球面)レンズと超高度非球面XA(extreme aspherical)レンズを各1枚、計2枚の非球面レンズとして採用。さらにスーパーEDガラス2枚、EDガラス3枚を惜しみなく投入した最新の光学設計が施されています。これらにより色収差をはじめとする諸収差が徹底的に低減されており、ズーム全域、かつ画面の中心から周辺部分に至るまで妥協のない高い解像性能を実現しています。

光が当たった石像の表面を覆う苔の緻密な描写や、ざらついた質感を非常に良好に表現してくれています。背景がなめらかにボケることで、石像の存在感をより明確に引き立ててくれました。

逆光気味の激しい水しぶきによって被写体が見えにくくなる条件下ですが、波の斜面を駆け上がるボードのダイナミックな動きを的確に捉えています。一度捉えた被写体をスムーズに追尾し続ける高いAF性能により、撮影者は激しい水界の中でも構図の整理や水平の維持に集中することができました。

絞り開放からピント面は非常にシャープで、手前に立つ釣り人のシルエットを鮮明に描いています。同時に、背後に重なる遠景の山々の、わずかな明暗のコントラストの差まで描き分ける繊細さもあり、淡い光のシチュエーションにおいても画面全体の立体感と距離感を的確に表現してくれました。

強い逆光により完全なシルエットとなった状態でも、リアルタイム認識AFの優れた被写体認識性能が的確にターゲットをキャッチし続け、散歩中の躍動感あふれるワンシーンを捉えてくれました。太陽が正面に位置するシチュエーションでありながらフレアやゴーストも目立たず、優れた逆光耐性があることが分かります。

山際に夕日が沈む瞬間を捉えたカットです。太陽の周囲が不自然に白飛びすることなく、オレンジから赤へと移ろう夕空のグラデーションを忠実に再現してくれました。波打ち際の濡れた砂浜に反射する光や、佇む人々のシルエット、そして遠景の山並みに至るまで、画面内のあらゆる要素を破綻なく丁寧に描き分けており、確かな描写性能を感じることのできる1枚です。

開放F値4.5を実現した超望遠ズーム
ズーム全域で開放F値4.5固定、そして重心移動の少ないインナーズーム方式の採用と、超望遠ズームレンズとして非常に魅力的なレンズでした。本レンズはウェイトバランスが良好に設計されているため、実際の撮影においてその数値ほどの重さを感じることは少なく、軽快な取り回しが可能です。携行性を最優先する普段使いにおいては、サイズ感が選択のポイントになる場面もあるかと思いますので、そこは従来の「FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS」との棲み分けになるでしょう。『 α9III 』の最高約120コマ/秒の超高速連写に対応し、『 α7RVI 』のような高画素機ではその高い光学性能による解像感豊かな描写を堪能できるなど、多くのフォトグラファーにとって確かな信頼とともに撮影をより深く楽しませてくれる完成度の高い超望遠ズームレンズでした。望遠域を多用する方にぜひ手にしていただきたい一本です。
Photo by MAP CAMERA Staff









