
今回のKasyapaでは、ソニーから登場となる『SONY Cyber-shot RX10V(DSC-RX10M5)』をご紹介します。広角24mmから超望遠600mm相当をカバーする高倍率ズームレンズと1.0型積層型CMOSセンサーを継承しつつ、前モデル「RX10M4」から約9年ぶりとなる本機は劇的な進化を遂げました。まず挙げたい進化のポイントは、最新のαシリーズと同等のテクノロジーが惜しみなく投入されたこと。最新の画像処理エンジン「BIONZ XR」と「AIプロセッシングユニット」を搭載し、人物や動物、鳥をはじめ昆虫や乗り物まで幅広く高精度に追随する「リアルタイム認識AF」も実現。AF/AE追随で最高約30コマ/秒のブラックアウトフリー連続撮影が可能となり、動体撮影の捕捉性能が飛躍的に向上しました。[FL2][FL3]を含む全12種類の「クリエイティブルック」や、最大Lv8まで拡張されたDレンジオプティマイザー(DRO)を搭載。動画性能においても4K120p記録や映画のようなトーンを楽しめる「S-Cinetone」、強力な手ブレ補正「アクティブモード」に対応するなど、静止画・動画ともに本格的なクオリティが手軽に楽しめるようになりました。メニューや操作系も最新スタイルへと一新され、使い勝手も大きくブラッシュアップ。防塵防滴に配慮されたボディに、これ一つであらゆる被写体を狙える機動力。全方位に進化した、オールインワンカメラの描写をぜひご覧ください。

最初のカットは、「世界一美しい鳥」とも称されるヘビクイワシです。1枚目の横写真は、檻のすぐ近くにいた個体を望遠端の換算600mmで捉えました。檻の写り込みが気になりがちですが、望遠端の浅い被写界深度を活かして檻を「抜く」ことで、綺麗にボカして消すことができました。長い睫毛や大きな瞳など、ヘビクイワシの美しい顔立ちを非常に精細に写し出してくれています。2枚目の縦写真は、少し奥のほうにいた別の1羽を同じく望遠端で撮影したカットです。こちらも檻の存在がまったく気にならないほど綺麗にボカすことができています。ボケ量はセンサーサイズによる影響が大きいものの、600mmという超望遠まで伸ばせる恩恵により、1インチセンサーであっても難しい条件を成立させてくれました。

人だかりができている場所を後ろから覗き込むと、ホッキョクグマがくつろぐ姿が見えました。この日は雨が降っており片手には傘をさした状態での撮影です。人垣越しで被写体に近づけない状況でしたが、本機はズームレバーを備えているため片手での操作が可能です。片手でカメラをホールドしたまま、サッと35mm判換算約439mmの焦点距離までズームして撮影できる機動力は、大きなメリットと言えます。

雨足が少し弱まったタイミングですが、頭上の木の葉からはまだ大粒の水滴が落ちてくるため油断はできない環境です。防塵防滴に配慮された設計を採用していますが、鏡筒が大きく繰り出すズームレンズの構造上、水濡れには慎重になりたいところ。傘をさしながらでも片手のレバー操作だけで画角調整から撮影までが完結し、水滴を避けながらサッと撮り切れる操作性の良さには、非常に大きな安心感を覚えました。

らせん状に続く階段を見下ろしての一枚。画面へ切れ込みのように入ってくる直線のラインが美しく見えるよう、ズームで細かく画角を微調整しながらフレーミングしました。光量が限られる屋内環境のためISO1600まで感度を上げていますが、ノイジーな印象がないことが驚きです。赤いカーペットの深みのある色合いや、手すりの光沢感のある素材の質感までしっかりと描写できています。

屋外にあるカフェの一席を切り取った1枚です。近年の1インチセンサーが高い描写力を持つことは広く知られていますが、この写りには改めて驚かされました。クッションの細かな織り目や、背もたれの編み込まれた素材の質感が非常にシャープに解像しており、まるでフルサイズ機に単焦点レンズを組み合わせて撮ったと言われても信じてしまいそうなほどの写りです。

大きな蓮池を前に、広角端から望遠端までどれだけズームできるのかを比較してみました。1枚目の広角端では豆粒のようなサイズで写っている画面中央やや下の蓮の花ですが、望遠端へとズームしていくことで、花弁の柔らかなディテールや葉に溜まった水滴まで分かるほどに大きく引き寄せることができます。レンズ交換をすることなく、広角・中望遠・望遠と3つのレンジで同じ被写体を狙い、多彩な表現方法をシームレスかつ気軽に選べるのは、本機ならではの大きなメリットです。
1枚目は焦点距離65mm(換算約177mm)、2枚目はさらにズームして162mm(換算約442mm)で風鈴を捉えました。F5.6まで絞り込んでの撮影ですが、どちらのレンジでも非常に豊かで柔らかなボケ味を得ることができています。手前や奥の要素が綺麗に溶け込むことで、ピントを合わせたガラスの透明感や描かれた模様が立体的に浮き上がって見えます。

広角側(換算約27mm)で全体を捉えたカット、同じ機体へ望遠端(換算約600mm)で一気にズームした比較カットです。コックピットに座るパイロットの表情まではっきりと見えてしまうほどの解像感だったため、掲載にあたってあえて少しボカし処理を入れました。飛行機撮影に挑戦してみたいけれど、600mmクラスの大きく重い超望遠レンズをわざわざ持ち出すのはハードルが高い……と感じている方にも、おすすめしたい一台です。

夜の空港での一コマ。換算約200mmの中望遠域で機首部分を切り取りました。光量の少ない環境のためISO800まで感度を上げていますが、ノイズは少なめです。機体表面のなめらかな質感や、コックピット周りに書かれた小さな文字などディテールにこだわりたい場合は感度は800くらいにおさえていいかもしれません。
高層ビルからバスケットコートを見下ろしての一枚。コートに立つ人物がまるでミニチュアのように見える面白いカットになりました。この時の焦点距離は35mm判換算で約100mm相当ですが、本機はここからさらに500mm分もズームができるのです。一般的なコンパクトデジタルカメラと比べれば大柄ですが、片手で十分にホールドできる絶妙なサイズ感に収まっています。これだけの超高倍率ズームをフットワーク軽く持ち歩けるということに改めて驚きです。

広角端で都市の風景を捉えた1枚です。本機では新たに[FL2][FL3]を追加した全12種類の「クリエイティブルック」が使用可能となり、このカットのようにシネマティックな色合いもカメラ内だけで手軽に作り出すことができます。また、最大Lv8まで拡張されたDレンジオプティマイザー(DRO)など、「α7V」世代と同等の最新の画像処理アルゴリズムを惜しみなく搭載。約9年ぶりの登場となった「RX10」の新世代機は、撮影の利便性だけでなく、表現力豊かな、より面白いカメラへと進化しました。

全部どこまでも
今回使ってみて改めて感じたことは『 SONY Cyber-shot RX10V 』は目の前に広がるあらゆる景色を、この一台だけでシームレスに切り取ることができるオールマイティーなカメラだったということです。
広大な風景を収める24mmから、遠くの野鳥や飛行機まで捉える600mmまで。本来であれば大きく重いレンズが必要になる領域を、手軽なサイズで撮影することが出来ました。さらに今回、筆者が実機を使って強く実感したのが「ホールド感」と「バッテリーの持ち」です。先代よりもぐっと深く掴みやすくなったグリップにより、超望遠域でも片手でしっかりと安定させて撮ることができましたし、傘をささなければならない雨の日であっても、片手だけで画角調整から撮影までをスムーズに完結できる機動性の高さは、本機ならではのメリットだと改めて感じました。ばってーりに「NP-FZ100」が採用されたことで、丸一日の撮影を経て翌日の午前中まで、一度も充電することなく撮り切れたスタミナにも大変驚かされました。
その場の直感だけで自由自在に画角を操る楽しさ。日常のスナップ、天候の優れない悪条件など、様々なシーンで撮影者のインスピレーションにどこまでも応えてくれるカメラでした。期待値を遥かに超えてくれた『 SONY Cyber-shot RX10V 』。ぜひこのスペックを体験してみてください。
Photo by MAP CAMERA Staff









