

ライカの大口径標準レンズと言えばズミルックスシリーズに寄る所となるだろう。サイズや手にした時の重量バランスも良く、F2以上の口径を求めるのであれば安定して信頼出来るレンズである。初代、そしてブラッククローム仕上げとなった第2世代では1mだった最短撮影距離が70cmまで短縮され、より使いやすくなったのがこの第3世代。50mmの標準レンズでこの30cmというのはかなり大きな部分で、テーブルフォトやポートレート撮影でもかなり自由度が広がり人気のあるレンズだ。
夕暮れ時の撮影でも、F1.4というのは何とも心強い。フィルム時代ではISO400に1/15秒が撮影出来るボーダーになっていた故、たかがひと絞り、されどひと絞りなのである。

新しい設計のレンズなので、コントラストや先鋭さは非常に高い。こうした遠景でも少し絞るだけでグッとシャープになる。



穏やかで柔らかいコントラストが魅力的なレンズだ。

ごちゃついた背景に強い光源が有るシーンだが、発色も美しく透明感が有り、ピント面からアウトフォーカスしていく様もとても品位が有る。こうした描写を見てしまうとズミルックスは薄暮が似合うレンズかとも思ってしまう。

夕暮れの街には魅力的な被写体が多い。明るいレンズはそうしたスナップを存分に楽しませてくれる。



レンズ自体がしっかりと太く、ピントリングも大きい為に使い勝手はとても良い。少し大柄のMデジタルボディともバランスが良く、まさに標準レンズといった印象だ。この次の世代からズミルックス50mmは非球面化されるが、滲みや収差を程よく残したこの第3世代も非常に人気がある。様々な表現が可能な安定の1本と言えるのではないだろうか。
Photo by MAP CAMERA Staff




![]() |
|
ピーター・カルベ氏が作ってみたい「リバイバル・レンズ」とは 先ほど、ラインナップの充実という点について話題になりましたが、近年ライカでは「ズマロン M28mm F5.6」「タンバール M90mm F2.2」の様な、かつてのレンズをリメイクして世に出しています。過去に作られたレンズを現代に作り直すということは難しい部分があるのでしょうか? ... | |
続きを読む |
![]() |
|
日本国内のメーカーはF1.4をはじめ、時にはF1.2やF0.95などの高性能な大口径レンズを発表しています。明るさへのこだわりが強くあるような印象を受けますが、ライカではこの「プライムレンズシリーズ」の開放F値をF2.0としました。 先のプレゼンテーションでもMレンズの「ズミルックス F1.4」に劣らないボケ感や画質のお話がありましたが、ライカにも... | |
続きを読む |
![]() |
|
前回までのライカカメラ社の光学設計マネージャ、ピーター・カルベ(Peter Karbe)氏のプレゼンテーションを元に、同氏へのインタビューの模様をお届けいたします。 できるだけレンズをクリーンに作る 「ライカSL」で「アポズミクロンM75mm F2.0 ASPH.」「アポズミクロンM90mm F2.0 ASPH.」を使って感じたのですが、他の2,400万画素のカメラと比較... | |
続きを読む |
![]() |
|
前回に引き続き、ライカカメラ社の光学設計部門マネージャであるピーター・カルベ(Peter Karbe)⽒のプレゼンテーションをお届けいたします。 高い信頼性を追求 続いては、製品クオリティの信頼性という観点から魅⼒をお話しします。高性能なレンズをつくるためには、光学設計において様々な工夫が可能ですが、一方で安定した一定品質の製品を供給するため... | |
続きを読む |
![]() |
|
焦点距離:42mm / 絞り:F11 / シャッタースピード:1/320秒 / ISO:100 使用機材:Leica SL2 + バリオ・エルマリート SL24-90mm F2.8-4.0 ASPH. LEICASL2 M型とは別にライカを支える大きな柱として成長したLマウントシリーズ。その頂点に君臨する『Leica SL』が遂にフルモデルチェンジを果たした。今回のKasyapa for Leicaでは最新機種『Leic... | |
続きを読む |