写真家 高橋ヒデキ氏が撮る『LEICA APO Summicron SL 75mm F2 ASPH.』 | Kasyapa for Leica Kasyapa for Leica|(カシャパ フォー ライカ)東京新宿のカメラ専門店マップカメラが提供するLeica専門サイト 
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Leica (ライカ) アポズミクロン SL75mm F2.0 ASPH. 絞り:F4.5 / シャッタースピード:1/4000秒 / ISO:400 / 使用機材:LEICA SL + APO Summicron SL 75mm F2.0 ASPH.

LEICA APO Summicron
SL 75mm F2.0 ASPH.
Photo by Hideki Takahashi

“SEE IT. CAPTURE IT.”の謳い文句が示す通り、撮影者が注視した対象物をそのまま写し取ったような描写力。2016年のフォトキナで発売を予告されていた『Leica APO Summicron SL75mm F2.0 ASPH.』が満を持して登場した。
今回は、早速最新レンズをハンズオンした、ビューティーフォトの撮影を中心として活躍するプロフォトグラファー高橋ヒデキ氏によるレポートをお送りする。


Leica (ライカ) アポズミクロン SL75mm F2.0 ASPH. 絞り:F5.6 / シャッタースピード:1/4000秒 / ISO:400 / 使用機材:LEICA SL + APO Summicron SL 75mm F2.0 ASPH.


本レンズに限らず、ライカで撮影を行う際にいつも感じるもの。それは、こうした日常に存在する何気無い光景を写しても、感動すら覚えるレベルに昇華させてしまう力だ。
その要因は、目に見えない質感の違い…例えるのならば、金属は冷たく固く、生地は柔らかく、人物の肌は湿気を帯びて写る。そう、リアルなのだ。撮影した写真を4Kモニターで見ていると、実物がそこに存在するかのように錯覚してしまう。


Leica (ライカ) アポズミクロン SL75mm F2.0 ASPH. 絞り:F2.0 / シャッタースピード:1/1600秒 / ISO:400 / 使用機材:LEICA SL + APO Summicron SL 75mm F2.0 ASPH.


アポクロマート設計ゆえに、高コントラストで固い描写を想像していたが、その予想はあっさりと覆されてしまった。
勿論、絞り解放からシャープな写り。しかし、シャープと言えどカリカリとしたドライな描写ではなく、ハイライトからシャドーにかけて豊富な情報量を持つ緻密な描写と言える。


Leica (ライカ) アポズミクロン SL75mm F2.0 ASPH. 絞り:F10 / シャッタースピード:1/4000秒 / ISO:400 / 使用機材:LEICA SL + APO Summicron SL 75mm F2.0 ASPH.


ふと見上げたような何気ない構図だが、拡大すればビル外壁のタイルが余すところ無く描き出されている。肉眼では到底観察できない領域を緻密に再現出来てこそ、見る者にリアリティを感じさせる。


Leica (ライカ) アポズミクロン SL75mm F2.0 ASPH. 絞り:F2.0 / シャッタースピード:1/1600秒 / ISO:400 / 使用機材:使用機材:LEICA SL + APO Summicron SL 75mm F2.0 ASPH.

程好いボケが美しい、ライカ中望遠域のマスターピース



焦点距離の割にはボケが小さく感じるが、これはネガティブな印象ではない。ピントが合焦していない部分、すなわちデフォーカス部に何が写っているのかある程度判別できるために、立体感の助力となっているのだ。暗部に仄かに浮かび上がるテディベアの毛並がその質感を保っているのがお分かりいただけるだろうか。曖昧さと緻密さの程よい中間値は、想像力をかき立たせる。


Leica (ライカ) アポズミクロン SL75mm F2.0 ASPH. 絞り:F3.5 / シャッタースピード:1/160秒 / ISO:800 / 使用機材:LEICA SL + APO Summicron SL 75mm F2.0 ASPH.


一般的にポートレートに向くとされる中望遠の大口径レンズは、最短撮影距離が0.85~1mのものが多く、「あと少しだけ寄りたい」と思った際にストレスを感じる事も多いが、この『APO Summicron SL 75mm F2.0 ASPH.』の最短距離は0.5mと短く、気持ち良く撮影に集中する事が出来る。こうした静物と対峙するシチュエーションにおいても、一歩踏み込む事が可能となるのだ。


Leica (ライカ) アポズミクロン SL75mm F2.0 ASPH. 絞り:F2.0 / シャッタースピード:1/4000秒 / ISO:400 / 使用機材:LEICA SL + APO Summicron SL 75mm F2.0 ASPH.


ライカMシステムに同様のスペックの『APO Summicron M75mm F2.0 ASPH.』が存在するが、本レンズはガラス硝材、コーティングを含めた光学設計をライカSLのイメージセンサーに最適化している。流用ではなく、個々のシステムに対して最適化する姿勢からは、ライカ社の画質に対する執念を感じることが出来る。輝度差の激しい被写体を撮影しても、ご覧の通り偽色の発生は見られず、清々しい描写だ。


Leica (ライカ) アポズミクロン SL75mm F2.0 ASPH. 絞り:F2.0 / シャッタースピード:1/500秒 / ISO:800 / 使用機材:LEICA SL + APO Summicron SL 75mm F2.0 ASPH.


低光量下においても抜けが良く、しっかりとしたコントラストで対象を描きだす能力は流石だ。色収差を抑えたアポクロマート設計であることを前提としながら、非常に素直なライカSLのセンサー特性も大いに影響しているだろう。


Leica (ライカ) アポズミクロン SL75mm F2.0 ASPH. 絞り:F2.0 / シャッタースピード:1/640秒 / ISO:800
使用機材:使用機材:LEICA SL + APO Summicron SL 75mm F2.0 ASPH.


ピント面とボケの分離も滑らかで大変美しい。一貫して非の打ちどころが無い印象だが、単によく写るだけでは無い“何か”を感じさせてくれる。


Leica (ライカ) アポズミクロン SL75mm F2.0 ASPH. 絞り:F2.2 / シャッタースピード:1/400秒 / ISO:800 / 使用機材:LEICA SL + APO Summicron SL 75mm F2.0 ASPH.


ポートレートに静物撮影、風景の一部を切り取るように撮影するスナップ用途。比較的狭い画角ながら、様々な用途に使用することが出来るのは基本性能の高さと懐の深さゆえ。標準域を逸した“中望遠”という選択肢に辿り着いたのならば、ぜひ手に取ってお試しいただきたいレンズだ。


Leica (ライカ) アポズミクロン SL75mm F2.0 ASPH.


フィルター径E67の小振りな鏡胴は、E82のフィルターサイズを持つ既存の交換レンズと比較すると、非常にスリムに感じる。レンズそのものには適度に重量感があるが、ボディに装着した際の重量バランスは秀逸だ。
スタイル・描写共に “しっくり来る” Summicron-SLシリーズの更なる発展に期待したい。

撮影協力:銀座人形館 Angel Dolls



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[Category: Leica Special Contents|掲載日時:2018年01月22日 14時20分]

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