LEICA APO-SUMMICRON SL 75mm / 90mm F2 ASPH. | Kasyapa for Leica Kasyapa for Leica|(カシャパ フォー ライカ)東京新宿のカメラ専門店マップカメラが提供するLeica専門サイト 
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アポズミクロン SL90mm F2.0 ASPH. 絞り:F2.8/ シャッタースピード:1/320秒 / ISO:400/ 使用機材:LEICA SL (Typ601) + アポズミクロン SL75mm F2.0 ASPH.

LEICA APO-SUMMICRON

SL 75mm / 90mm F2 ASPH.



ライカの新たなプロ用カメラとして登場したSL。一眼レフとミラーレスの良いところを組み合わせたようなカメラで、撮影に最も重要とも言えるEVFファインダーは440万画素という他の最新機種を寄せ付けない孤高のスペックを誇るミラーレスカメラだ。そのSLに待望の中望遠単焦点レンズが新たに2本登場した。今回は『アポズミクロン SL75mm F2.0 ASPH.』『アポズミクロン SL90mm F2.0 ASPH.』をご紹介しよう。

レンズの冠として付いている“APO”とは3色の軸上色収差を補正するアポクロマート設計を意味する。ライカでも70年代から採用している(アポテリート R180mm F3.4)レンズ設計の一つで、今まで多くの望遠レンズやマクロレンズへアポクロマート設計を採用してきた。しかし最近のアポクロマート、特に“アポズミクロン”と聞くと、真っ先に頭に浮かぶのは『アポズミクロン M50mm F2 ASPH.』ではないだろうか?このレンズの持つ超解像力のインパクトが強すぎて“アポズミクロン”に対する期待値が非常に高くなってしまったのは筆者だけではないはずである。そんな思いを抱きながらの今回の撮影へ挑んだのだが、数カット撮影をして正直驚いてしまった。名実相伴う本レンズの実力をぜひご覧いただきたい。


アポズミクロン SL75mm F2.0 ASPH. 絞り:F2/ シャッタースピード:1/400秒 / ISO:200/ 使用機材:LEICA SL (Typ601) + アポズミクロン SL75mm F2.0 ASPH.


撮影日はあいにくの雨。『アポズミクロン SL75mm F2.0 ASPH.』の実力を試すと同時に、SLシステムの防塵防滴性能も試すことになってしまった。ゴンドラに掛けられたカバーからチラリと見えた金色のラインにフォーカスを合わせたのだが、開放からのピントの立ち方はさすがアポズミクロンというべき解像力の高さだ。


アポズミクロン SL75mm F2.0 ASPH. 絞り:F2/ シャッタースピード:1/400秒 / ISO:200/ 使用機材:LEICA SL (Typ601) + アポズミクロン SL75mm F2.0 ASPH.


曇天の中、鮮やかな黄色いレインコートの子供に気づいてシャッターを切った一枚。SLシステムはコントラスト検出方式のみでAFを合わせているのだが、本レンズのAFスピードは相当早い。2枚の軽量なフォーカスレンズと、パワーのあるステッピングモーターを採用していることで、カメラを構えてから瞬時に狙いのところへピントを合わせてくれる。


アポズミクロン SL75mm F2.0 ASPH. 絞り:F2/ シャッタースピード:1/800秒 / ISO:400/ 使用機材:LEICA SL (Typ601) + アポズミクロン SL75mm F2.0 ASPH.





アポズミクロン SL75mm F2.0 ASPH. 絞り:F4/ シャッタースピード:1/200秒 / ISO:400/ 使用機材:LEICA SL (Typ601) + アポズミクロン SL75mm F2.0 ASPH.

使い手の好みが分かれる、焦点距離15mmの差。



『アポズミクロン SL75mm F2.0 ASPH.』と『アポズミクロン SL90mm F2.0 ASPH.』は外観だけでなく、レンズ構成や描写の特性も非常によく似ており、例えるなら双子の兄弟のようなレンズと言える。
しかし、75mmと90mmは同じ中望遠ながらユーザーの好みが分かれやすい焦点距離ではないだろうか。ちなみに筆者は75mm派で、標準レンズのようなワーキングディスタンスで使用出来る中望遠が非常に使いやすいと感じている為だ。一方90mmは一眼レフの85mmレンズで慣れた方には馴染みやすい画角だろう。この15mmの差で同じ特性のレンズを出してくるあたりが、ライカの撮影に対する思いが込められた見事な展開の仕方だと感じる。


アポズミクロン SL90mm F2.0 ASPH. 絞り:F2/ シャッタースピード:1/800秒 / ISO:200/ 使用機材:LEICA SL (Typ601) + アポズミクロン SL90mm F2.0 ASPH.


続いてはレンズを『アポズミクロン SL90mm F2.0 ASPH.』へスイッチ。今回の撮影で最も驚いた一枚だ。この凄まじい解像力に思わず『アポズミクロン M50mm F2.0 ASPH.』を彷彿させてしまう。そしてただカリカリと描写するのではなく、帽子とリボンの質感の違いを見事に表しているのがお分かりいただけるだろう。前ボケ・後ボケ共にしっとりとした表現で美しく、中望遠レンズとして完璧に近い描写と言える。


アポズミクロン SL90mm F2.0 ASPH. 絞り:F2.8/ シャッタースピード:1/200秒 / ISO:200/ 使用機材:LEICA SL (Typ601) + アポズミクロン SL90mm F2.0 ASPH.





アポズミクロン SL90mm F2.0 ASPH. 絞り:F2/ シャッタースピード:1/800秒 / ISO:200/ 使用機材:LEICA SL (Typ601) + アポズミクロン SL90mm F2.0 ASPH.


最短撮影距離は60cm。90mmという焦点距離を考えるとかなり寄れるレンズだ。また、その特性を活かすため近距離収差が補正されており、最短から無限遠まで解像力の高い描写が楽しめる。


アポズミクロン SL90mm F2.0 ASPH. 絞り:F2.8/ シャッタースピード:1/100秒 / ISO:200/ 使用機材:LEICA SL (Typ601) + アポズミクロン SL90mm F2.0 ASPH.


クリアで透明感と立体感のある描写が素晴らしい。このような写真を撮ろうと思っても、きっと他のカメラでは同じように表現できないだろう。『アポズミクロン SL90mm F2.0 ASPH.』を使用して思うのは、何気ない被写体でも画にする力がレンズにあるということだ。


アポズミクロン SL90mm F2.0 ASPH. 絞り:F2/ シャッタースピード:1/2000秒 / ISO:200/ 使用機材:LEICA SL (Typ601) + アポズミクロン SL90mm F2.0 ASPH.





アポズミクロン SL90mm F2.0 ASPH. 絞り:F4/ シャッタースピード:1/800秒 / ISO:400/ 使用機材:LEICA SL (Typ601) + アポズミクロン SL90mm F2.0 ASPH.


少し絞っても『アポズミクロン SL90mm F2.0 ASPH.』の美点はそのまま写真に表現される。解像力の深さが増すが、ボケ味は相変わらず滑らかだ。


アポズミクロン SL75mm F2.0 ASPH.

アポズミクロン SL90mm F2.0 ASPH.

SLの本質に迫る、実力派の2本。



今までラインナップされていた24-90mm、50mm、90-280mmのレンズも素晴らしい写りをする3本ではあるが、使い方をいえば様々なシーンを想定した“万能型レンズ”という言葉が当てはまると思う。それに対し、今回登場した『アポズミクロン SL75mm F2.0 ASPH.』と『アポズミクロン SL90mm F2.0 ASPH.』は完全にポートレートフォトグラファーを狙い撃ちしてきたレンズだと感じた。それはレンズの明るさで性能を示すような手法を取らず、プロが絞り開放から仕事で使える描写を実現していることや、高い解像力に加え、被写体の質感表現を重視した味付けであったりと、描写に全く妥協点が感じられないレンズなのだ。
一眼レフ用レンズの『85mm F1.4』と比べる方もいるかもしれないが、筆者にはそもそも画づくりへの考え方がこの2本は違うと感じた。ボケ味と薄い解像面のギャップで写真に強弱をつけるのではなく、解像力と質感表現にボケ味が加わることで本レンズにしかない立体感とリアリティが写真に生まれるのだ。この『アポズミクロン SL75mm F2.0 ASPH.』と『アポズミクロン SL90mm F2.0 ASPH.』の登場によりSLは中判デジタルのSシリーズに次ぐプロカメラマン向けの機材として大きく舵を切ったように思えた。ライカの思想と実力を肌で感じ取れた素晴らしいレンズである。

Photo by MAP CAMERA Staff




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[Category: Leica SL / CL / TL|掲載日時:2018年03月30日 11時30分]

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