ピーター・カルベ氏 ライカSLレンズ インタビュー VOL.3

2019年12月04日


Peter Karbe氏「ライカレンズ」インタビュー
ピーター・カルベ氏が作ってみたい「リバイバル・レンズ」とは

null 先ほど、ラインナップの充実という点について話題になりましたが、近年ライカでは「ズマロン M28mm F5.6」「タンバール M90mm F2.2」の様な、かつてのレンズをリメイクして世に出しています。過去に作られたレンズを現代に作り直すということは難しい部分があるのでしょうか?

null 困難な点と言えば、まずは硝材です。設計された当時と同じ硝材が無く、似ている近しいものを使用しています。また、例えば「ズマロン」は、製造のシステムが今とは全く異なるので、それを今の工場で作ることに苦労がありました。タンバールは、ユーザーの方が1930年代に戻った感覚になってもらえれば嬉しく思います。
現代によみがえったズマロン M28mm F5.6

高い注目を集めるリバイバル・レンズ

<左>絞り:F2.8/ シャッタースピード:1/250秒 / ISO:400/ 使用機材:LEICA M10 + タンバール M90mm F2.2

<右>絞り:F11 シャッタースピード:1/90秒 ISO:200 使用機材:LEICA M (Typ262) + ズマロン M28mm F5.6

高い注目を集めるリバイバル・レンズ群

null ピーター・カルベ氏の個人的意見としてでも構いませんが、今後「このレンズの復刻をやってみたい。」であったり、逆に「このレンズはやりたくないな。」というレンズがあれば教えてください。

null 今後の製品に関するコメントをする立場にないので、ノーコメントで・・・

でも、この「ズマロン M28mm F5.6」は昔のレンズですが、今みても非常に性能が高いです。硝材とコーティングをアップデートしても大元の設計が変わっていない中で、こんなにいい性能が出ることを驚くプロの方もいらっしゃいました。

技術的観点でいうと、スクリューマウントの頃の3枚構成のトリプレットの「エルマー」には興味があります。簡単な構成でパフォーマンスも良く、安価なレンズを作ったのはすごいですね。それから、複雑な機構を持つ「トリ・エルマー」も興味を持っています。

作りたくないレンズについては・・・我々の家族の一員を「嫌い」と言うことは出来ませんよ。

「嫌いな家族はいない」そう笑顔で語るピーター・カルベ氏

null 大人気のコンパクトデジタルカメラ、「ライカQ」は、28mmのワイドで記録して後からトリミングして画角を変えるという、まさに先程お話しいただいた「オスカー・バルナックの理想」を体現した、究極のスナップシューターであると思います。特に今年発売の「ライカQ2」ではセンサーも高画素化されたことで75mmのフレームも選べる様になり、よりその個性が強くなりました。実はプロカメラマンの方で、「ライカQ」の28mmの画角は、M型の「ズミルックス M28mm F1.4 ASPH.」のそれよりも画角が広いのではないか。とおっしゃる方がいらっしゃいます。実際に撮り比べも行ったとのことなのですが、実際には画角の差はあるのでしょうか?

null 焦点距離については一口に「28mm」と言っても、28.******mmであることも、27.******mmであることもあり、若干の違いがあります。「ライカQ」や「ライカQ2」はかなり大口径のレンズシャッターのカメラですから、若干広く、違いがあると思います。

null パナソニックさんや、シグマさんと3社による「Lマウントアライアンス」という協業が出来ました。この魅力的な3社の協業によって何かライカカメラ社にとっての変化はありますか?

null マーケティング的な観点からみれば、ライカだけで全てのレンズを揃えられない場合もあるので、パナソニックさんや、シグマさんのレンズも使えるようになるというメリットは大きいと思います。
SL2

Lマウントの進化はこれからも続く、写真は発売されたばかりの「ライカSL2」

null ◆ピーター・カルベ(Peter Karbe)

ライカカメラ 光学設計 マネージャ

カメラマンとしての職業訓練を受けたのち、ケルン工科大学写真工学学科を経て 1986年にライカマイクロシステムズに入社し顕微鏡部門に携わる。

その後1992年にライカカメラ社に入り、本格的にカメラレンズの設計を開始。2002年よりカメラレンズ設計部門のリーダーとなり、現在はマネージャとしてレンズの光学設計およびメカ設計、更には双眼鏡などのスポーツオプティクスの設計も行う。

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