『V-LUX40』、GPSやデジタルフィルター、動画撮影、更に35mm換算で24mmから480mmまでの20倍ズームまで様々な多機能をコンパクトに集約。ライカらしいすっきりと高級感のある外装でまとめた新コンパクトです。 そのスペックからすると考えられないほど薄く、軽く、コンパクト。まさにポケットサイズと言えるそのパッケージングは日常撮影のパートナーとして、とても魅力的に感じます。
肝心の描写も、ワイド端でこの写りであれば文句の無いもの。風景のどこを切り取るか、20倍もの高倍率ズームは風景を選ぶ自由を与えてくれます。
ガラスや金属、光のあたった靴の質感も無理無く表現されています。街を歩きつつ、気になったものをサッと留める事が出来る。メモスケッチのような使い方にも最適です。
ピントのあった面はグッと前に出てくる描写力。画素数の高さゆえか、その緻密な情報量の多さはパッと見ても把握できるものです。ISO感度を抑え、しっかりと手ぶれに備えればプリントにも対応した、かなりクオリティの高い写真を撮る事が可能です。用途に応じた選択肢が多いのは、万能性を求められるコンパクトとしてはうれしいものです。
逆光にもかなり強く、強い光源を入れてもゴーストの1つも生じません。ビルの外壁の独特の曲線、つややかさを見事に表現しています。
望遠域で、マクロを。さすがに400mmともなると手ぶれには慎重に。街中をさっと撮り歩くには、ISOオートで手ぶれに備えると、満足のいく仕上がりになるかもしれません。
深みのある良い描写です。彩度は少々低めの地味な描写ですが、少しアンダー目に振った時のシャドーから浮かび上がるようなグラデーションは美しいものです。
渋めな、大人な色再現で、ライカらしいと言えるのではないでしょうか。先に試写を行った『LEICA X2』の再現もかなり渋い描写でしたが、その路線を踏襲した雰囲気です。Jpeg撮影がメインのコンパクトでは、気に入った雰囲気を描いてくれるカメラが絶対におすすめですから、その点でこうした落ち着いた描写を好まれる方に、『V-LUX40』はおすすめのカメラです。
港を出る船、港湾部の行き交う船影も、これだけの倍率であれば肉眼で見た以上に細かく描写してくれます。船名さえ読み取れるのですから、そのズームレンズの性能の高さもしっかり表されています。
う〜ん、渋い。でも良い雰囲気です。夕暮れの、少し寂しい港湾部の雰囲気をしっかり捉えてくれました。水面の反射や、高速道路の立体感。そして雲の細やかな描写など、文句の無い再現です。
撮影してきた写真を見ても、マクロ、超望遠、広角と、驚くほどいろいろな視点で撮影を楽しめる事が分かります。まさか、この1台でと思うほど、可能性の多い『V-LUX40』。しっかり構えても、軽快に撮影しても、そのスタイルにしっかりついてきてくれるカメラです。
Photo by MAP CAMERA Staff