絞り:F3.5 / シャッタースピード:1/250秒 / ISO:200 / 使用機材:LEICA M9-P + Summaron 35mm/f3.5 L-Mount
Leica純正の35mmレンズでありながら、比較的お財布に優しい値段とコンパクトさ。Leicaと共に歩み始めた者ならば、一度は手にするレンズではないだろうか。モノクローム写真に用いた評価ばかりが一人歩きしている感のある本レンズを、積極的にカラーでの撮影に用いてみた。早速作例をご覧いただこう。
絞り:F4.5 / シャッタースピード:1/2000秒 / ISO:200 / 使用機材:LEICA M9-P + Summaron 35mm/f3.5 L-Mount
開放F値3.5という無理の無い設計のお陰で、少し絞って遠景を撮影しても、ご覧の通り、纏まった描写を見せる。多少の周辺減光は残るが、これもまた味と言ったところだろう。
絞り:F3.5 / シャッタースピード:1/80秒 / ISO:400 / 使用機材:LEICA M9-P + Summaron 35mm/f3.5 L-Mount
現行レンズには成し得ない渋い発色が時代を感じさせる。オールド広角レンズの代表格として君臨してきたのにも納得だ。カラーでの作例においても、シャドー部の階調には目を見張るものがある。過去に筆者もSummaron35mmを多用していた時期があったが、暗室での引き伸ばし作業で、その豊富な階調表現に驚かされた記憶が鮮明に蘇る。
絞り:F3.5 / シャッタースピード:1/10秒 / ISO:400 / 使用機材:LEICA M9-P + Summaron 35mm/f3.5 L-Mount
絞り:F3.5 / シャッタースピード:1/60秒 / ISO:400 / 使用機材:LEICA M9-P + Summaron 35mm/f3.5 L-Mount
Summaronといえば、中玉に経年の薄いクモリを内包した個体が非常に多いのが悩ましいところ。しかし、気にせず使用するのもまた一興。軽度のものであれば光をよく拾い、美しい階調表現の助力となってくれるだろう。
絞り:F4.5 / シャッタースピード:1/80秒 / ISO:200 / 使用機材:LEICA M9-P + Summaron 35mm/f3.5 L-Mount
明暗の差が激しい状況下でも、ディティールを逃さず、きちんと描き出す。
絞り:F3.5 / シャッタースピード:1/250秒 / ISO:200 / 使用機材:LEICA M9-P + Summaron 35mm/f3.5 L-Mount
絞り開放におけるピント面の解像力も十分すぎるほど。葉の上に点在する水滴も、瑞々しくその姿をとらえている。
絞り:F5.6 / シャッタースピード:1/1000秒 / ISO:200 / 使用機材:LEICA M9-P + Summaron 35mm/f3.5 L-Mount
F5.6まで絞り込めば周辺減光も鳴りを潜め、画面全体は落ち着いた雰囲気となる。所謂「一番美味しいところ」と言えるだろう。
絞り:F3.5 / シャッタースピード:1/125秒 / ISO:400 / 使用機材:LEICA M9-P + Summaron 35mm/f3.5 L-Mount
小さく纏まったクラシカルなその姿は、不思議とどんな時代のボディにも良く似合う。モノクロでの定評という先入観を捨て、カラー撮影のお供として持ち出すのもまた、デジタル時代を生きる我々にしか出来ない楽しみ方ではないだろうか。
Photo by MAP CAMERA Staff